73歳、孫と共に高校卒業
不慣れなパソコン授業、
足の骨折乗り越え
西日本新聞 3月23日(水)11時38分配信
足かけ50年の春が来た−。
佐賀市久保田町新田の陣内シヅ子さん(73)が今月、同市の佐賀北高通信制を猛勉強の末に卒業した。
不慣れなパソコン授業でも懸命に学び、足の骨折などのアクシデントも乗り越えた。
孫で同高普通科の沙百合さん(18)と同じ年に門出を迎え、一生の思い出となった。
6人きょうだいだったシヅ子さんは、15歳で嘉瀬中(現昭栄中)を卒業したが、経済的理由で高校進学を断念。
得意だった洋裁の専門学校に進んだ。
しかし、諦めきれず、洋裁を学びながら1964年、21歳で佐賀北高通信制の門をたたいた。
念願はかなったが、68年に結婚して生まれた2人の子育てに時間をとられ、当時は中途で断念。子どもたちが独立し、2012年4月に再入学していた。
2度目の高校生活で大きな心の支えとなったのが、同高普通科を今月1日に卒業した孫の存在だったという。
「沙百合と一緒に卒業したい」。
昼間は洋裁の仕事をし、夕食後に3時間ほど勉強して課題を仕上げた。
難問の解き方を教わるため、鳥栖市の長男清治さんを訪ねたこともある。
学業以外でも壁にぶつかった。
前期試験を控えた12年9月、買い物中に段差でつまずき、左足のつま先を骨折。
しばらく車いす生活を強いられたが、月2回の登校日は次男竜美さんの妻が高校に送迎してくれた。
13年3月には白内障で目を手術。
勉強時間を減らして乗り越えた。
6日に通信制の卒業式があり、沙百合さんと長男夫婦が駆けつけ「おめでとう」と祝福してくれた。
通信制145人中、最年長の卒業生だった。
とりわけ“同窓生”となった沙百合さんの「おばあちゃん、よく頑張ったね。一緒に卒業できて良かったね」の言葉がうれしかったという。
21歳から半世紀後、ようやく手にした卒業証書。
シヅ子さんは「うれしい気持ちとほっとした感情が半々」とかみしめている。
いつもありがとうございます
ポカポカなのに風が冷たいです
まだコタツが必要です特に姫さんが
この時期に体調が崩れやすいので気をつけてください。