2016年06月07日

陸自実弾誤射「あり得ない」ミス連鎖 任務拡大、不安な態勢

陸自実弾誤射
「あり得ない」ミス連鎖 
任務拡大、不安な態勢
2016年6月6日 東京新聞夕刊

 陸上自衛隊の演習場で五月、一歩間違えば大惨事につながりかねない実弾誤射事件が起きた。

陸自は弾の使用に関していくつものチェックポイントを設けていたが、隊員らによる複数のミスが重なり機能しなかった。
安全保障関連法が施行され、任務拡大が迫る中で起きた「あまりに恥ずかしい事件」(幹部)。
陸自が受けたダメージはあまりにも大きい。

◆ミス  

「部隊が誤って実弾を請求するなど、三点のあり得ないことが重なった」。
五月二十六日、東京・市谷の防衛省で開かれた記者会見。
隊員約十四万人のトップに立つ岩田清文陸上幕僚長の表情は終始厳しいままだった。

 岩田氏によると
(1)部隊が誤って実弾を請求した
(2)部隊が弾を受領する際、点検不備があった
(3)発射した隊員九人は空包と思い込んで発射した−の三点のミスが重なった。

隊員二人が軽傷を負い、警務隊が業務上過失傷害容疑の適用も視野に捜査を始めたことも明らかにした。

◆確認

 岩田氏が今回の事件を「あり得ない」と表現するのには、理由がある。
陸自は弾の使用に関し、厳格な手続きを設けているからだ。

 陸自では、射撃を伴う訓練を行う際、現場の部隊が必要な弾薬を書類で上級部隊に申請。
その後、在庫を管理する電子システムに入力し、弾薬庫を管理する部隊に請求が回る。
今回の事件は、訓練実施部隊が上級部隊に空包を求めたのに、担当者が誤って弾薬庫の管理部隊に実弾を請求するミスから始まっている。
 弾は部隊の担当者に直接渡し、種類や数などを一緒に確認。
その後、訓練先で部隊の隊員に配る際も、同様の確認作業を行うことになっているが、ここでも実弾であることに気づかなかった。

 実弾と空包には弾頭部分の形状に違いがある上、受け取った弾は隊員自身が小銃などの弾倉に込めるといい、ある陸自幹部は「誤って使用予定のない弾が交付された場合、この時点でも分かるはずだ。
なぜ空包と思い込んだのか」と首をかしげる。

◆足元  

小銃という最も基本的な武器すらまともに扱えないのか、という批判が起きるのではないか」。
陸自隊員の一人がため息をついた。
 三月には安保関連法が施行。
南スーダンでの国連平和維持活動(PKO)に参加する陸自部隊に、武装集団に襲われた国連要員らを救出する「駆け付け警護」などの新任務がいつ付与されるかが焦点となっている。

 「任務拡大の前に、自分たちの足元を固めろという話になるかもしれない」と話す隊員の表情は暗い。
「陸自内は相当ピリピリしている。こういう問題はうやむやにしてはいけない」。
隊員は自らに言い聞かせるように言葉をつないだ。  

<陸上自衛隊実弾誤射事件>

 5月23日午後3時半ごろ、北部方面後方支援隊に所属する第310輸送中隊が陸自然別(しかりべつ)演習場(北海道鹿追町)で訓練を実施。
陸自車両が敵役の隊員による待ち伏せ攻撃を受け、守り役の隊員が応戦するとの想定だったが、その際、双方の隊員計9人から実弾計79発が発射された。
銃口に付けていた器具が実弾で破損し、飛び散った破片が当たった男性隊員2人が軽傷を負った。
陸自は原因究明のため、事故調査委員会を設置、警務隊が捜査している。
posted by 小だぬき at 00:00 | Comment(4) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは

いつもありがとうございます


訪問です
Posted by トモ at 2016年06月07日 00:09
トモさん、上手に過去ネタと今のネタを組み合わせていますね。楽しみに読んでいます。
ムリは絶対に禁物ですよ。
日々「青春」、初老の私も体調のいい時は散歩しています。
今日もマイペースを崩さずにファイトしてください。
Posted by 小だぬき at 2016年06月07日 01:12
事務手続きのゆるみはともかく、装填時に新型の実弾にそっくりの空砲なんだな、とでも思いこんだのでしょうかね? 普通は形状の違いから実包と空砲の見分けはすぐにつくはずですからね。
Posted by カノッチ at 2016年06月07日 16:40
私が驚いたのは、双方で実弾79発も発射して 1発も当たらず、けが人が銃の破損事故2名だけといいう点です。

大事件にならなかったのは、射撃が下手か錬度不足によるものだったことです。不幸中の幸ですが、諸外国の軍隊から見たら 呆れるほどの下手さと映ったでしょう。

何か空砲が当たり前という 気のゆるみがあったようですね。また誤って「実包」を請求したことも 武器の安全管理上 考えられないミスですね。

小銃か機関銃かは 記事では解りませんか、実弾での人的・物的被害がでなかったことに、軍隊としては致命的な欠陥が明るみに出たようですね。
Posted by 小だぬき at 2016年06月07日 17:15
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