2016年06月19日

父の日はなぜ無視されるのか 父母へのプレゼント格差を考察

父の日はなぜ無視されるのか 
父母へのプレゼント格差を考察
2016.06.18 16:00 NEWSポストセブン

 6月19日が何の日かご存じだろうか。
即答できなかった人にはちょっとせつない、コラムニスト・オバタカズユキ氏のコラムである。  

* * *  
6月19日は何の日か。
クリエイティブサーベイ株式会社が20〜50代の男女を対象として6月上旬に実施した調査によると、25%しか認識している人がいなかったそうだが、父の日である。

 同調査では、こんどの父の日にプレゼントを渡す予定「なし」が67%だったという。

「父親に今後期待することはどんなことですか?」の問い(複数回答可)に対しても、
1位は「生き生きと生活すること」34.8%だが、
僅差の2位が「何も期待しない」30.3%だ。

「父親の好きなところを教えてください」(複数回答可)では、トップが「特になし」26.7%になっている。
 父の日を目前に、世のお父さん方には、悲しいデータが続くのである。

 もしかしたら調査が偏っているのかもしれない、と、日本生命保険相互会社が5月に行った回答者数1万人超のアンケートもチェックした。
が、そこでも父の日にプレゼントを「贈らない」が、51.1%と過半数を上回っていた。
 中には、「家族の絆はモノじゃない。
気持ちが通じていればいいんだ」と考えるお父さん方もいるだろう。

ニッセイの調査には、それを示唆するかのような結果もある。
お父さん側に「今までもらったもので最も嬉しかったプレゼントは何ですか?」と問うたら、1位が「手紙・メール・家族が描いた絵」20.2%だった。
ここですでに泣きそうになったお父さんもいるのでは。やっぱりモノじゃない、ココロなんだ。10代の子供がいる父として、私もウルッとくる。

 同調査は贈る側に「プレゼントは何を送る予定ですか?」とも聞いている。
1位は「食事・グルメ」29.1%、
2位「衣類」21.5%、
3位「酒類」20.9%だ。

「食事・グルメ」は、親孝行の気持ちを一家団欒の機会を設けることで伝えようというプレゼントともいえる。
「衣類」も、お父さんの好みをよく分かってなければ選べないし、購入の手間ひまに親思いの気持ちが込められている。
 やや引っかかるのは、3位の「酒類」。
いや、個人的な話だが、私自身、これまで父の日に贈っていたプレゼントで多かったのは「酒類」なのだ。
その選択には「手っ取り早いから」という理由が、正直大きかった。
もちろん、お父さんの好みを吟味して購入したお酒を親子で愉しむという人もいるだろう。

が、いまどきの「酒類」は楽なのだ。
ちょいとプレミアムビールの詰め合わせをオンラインショップでポチれば自動宅配。
我が子から手紙や絵をもらえたらどんなに嬉しいことかと思う父親でありながら、自分の父に対してその冷たさ、だ。
今これを書きながら自己嫌悪気味になっている。

 しかし、ニッセイのアンケート結果にはより冷徹な数字も出ている。
お父さん方がもらって最もうれしかったプレゼント1位の「手紙・メール・家族が描いた絵」を、どれだけの人数が贈ろうと考えていたか。
 これが、0.9%なのである。
「財布」1.7%の約半分。
限りなくゼロに近い。

アンケートは、20代以下から70代以上まで幅広くとっているから、もういい大人が父親に手紙や絵もないだろう、と孝行の気持ちをモノに託したケースが大半なのだとは思う。
でも、実は、たくさんのお父さん方が、よりストレートな気持ちの伝達を欲しがっている。
そこに気づく子供や配偶者は少ないのではないか。

 そもそもプレゼントを渡す予定「なし」、父の日にプレゼントを「贈らない」ほうが多いのだ。
私たちは世のお父さんの気持ちを蔑にしがちであることを、自省をこめて私はココで指摘しておきたい。

 各種調査を確認すると、先月の母の日では7割から9割の子供や家族たちが、お母さんたちにプレゼントを贈っている。
母の日には花を贈るという習慣が根づいているからでもあるのだが、それにしても記念日における父母の扱いの格差がすごく大きい。
この差はいったいなんなんだ、というくらいお父さんが下位にいる。

 理由は、それぞれの家族や親子ごとに個々別々、そう簡単に一括りで言葉にできるようなことでない。
とはいえ、ざっくり言えば、それだけお父さんがお母さんより家族や子供から遠い存在ということだ。
父親である自分自身を省みながら、今夜もこうして家に帰っていないものな、「仕事だから」と家族を放っている時間が相当あるからそうなるよな、と認めざるをえないのである。

 イクメンという流行語が、ブレイク仕切れずにいる。
育児や家事に積極的な父親を肯定的にそう呼んだわけだが、それぞれフタを開けてみたら、結局、育児も家事もめんどうな部分を担っているのは母親だよな、というケースが多かったからである。
「自称イクメン、笑わせないでよ」といった女性目線は、厳しく、正確に実情を捉えている。  

けれども、だ。イクメン可能な労働環境にある人なんかほとんどいない
世の多くのお父さんたちは、総合職として会社にフルコミットして働いている。
営業職なら接客酒や接客ゴルフが避けられない。
さらに、家族に胸を張って説明できるような仕事だけをしているのでもない。
当然、汚れ仕事も引き受けている。
接待がなくても、飲まずにはやりきれない夜もある。
だから、仕事の話を家に持ちこまないほうがいいと思っている。

〈そのかわり家のこともごたごた耳に入れるな〉と妻に対しては思っている。
〈それでは夫婦で黙りっこをしているようなもので、なんのために一緒にいるのか分からない〉と妻は不満を覚えている。
ふとしたはずみで浮気に走ってしまったこともある。

 そんな両親を見てきた女子大生の娘は、もっと広い世界を見たいと願い、勇み足でつきあっていたアメリカ人留学生から乱暴をされてしまう。
なのに、父は何も気づかず、母も自分を殺し、姉も事を荒立てないように振る舞っている。
大学受験生の弟は、そういう嘘っぱちの家族が耐えられない。
いい大学に入って、お父さんのようにバリバリ働いたって無意味だ、まっぴら御免だ、と受験勉強を投げ出している……。

 途中から話がやたら具体的になっているとお感じのはずだが、上記2段落の内容は、脚本家・山田太一の代表作『岸辺のアルバム』の概略だ。
お父さんは商社の仕事で本当に忙しい。
その忙しさが、結果的に、家族の気持ちをバラバラにさせていく。
修復不能なくらい互いの気持ちが分らなくなって、家族全員が孤独に苦しむ。

 今観ても、ずしーんとくる重い連続ドラマだ。
だが、『岸辺のアルバム』が放映されたのは1977年の6月末から9月末まで。
もう40年も前の作品なのである。
なのに、登場人物の辛さがずんずん伝わって来るから怖い。
お父さんの基本構造は、まだまだ変わっていないのだ。
 思い切って購入した多摩川沿いの小さな一戸建てが、大洪水でまるごと押し流されようというラスト、お父さんはすがるように言う。

「働いて残したのは、あの家だけだ。あとは滅茶苦茶だ。滅茶苦茶じゃないか」。
仕事を言い訳に家族と向き合ってこなかったツケなのだ。
だけど、お父さんの絶望があまりに切ない。
私は、先日、DVDをそれこそ仕事で全巻観たのだが、最後は号泣してしまった。

 改めるべきは、今のお父さんたちにも多々ある。
でも、父の日くらいご苦労さんだ。
今年の私は、内臓が弱って酒が飲めなくなった実父に、長寿梅と呼ばれている盆栽を贈った。
自分の家庭のほうは、せめて妻子の弁当づくり担当日を増やすつもりだ。
posted by 小だぬき at 00:00 | Comment(5) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは!!で茣蓙居ます。
きょうは『父の日』とやら。

http://www.youtube.com/watch?v=7DcYSGrZR7A

http://www.youtube.com/watch?v=iXF49DcH0m4

では、また。。。。
Posted by 紋狗 悠之輔 at 2016年06月19日 14:45
こんばんは
いつもありがとうございます
今日は熱が出て
会社休んで1日寝てました
日曜日に熱が出ても
病院あいてないから
本当に困ります
明日まで休みなので
病院にいってきます
Posted by トモ at 2016年06月19日 20:57
紋狗さん、ありがとうございます。
今年は 父の3周忌。
いろいろな思い出がよみがえりました。

トモさん、風邪の治りかけでムリをしたのかな??
1に栄養 2に睡眠 3にムリしない。
病院もなぜか今 体調を崩している方を多くみかけます。
マスク着用を通院時 わすれないようにね。
Posted by 小だぬき at 2016年06月19日 21:06
父の日をしっかり“ありがとう”やりました♪
Posted by みゆきん at 2016年06月19日 21:15
みゆきんさん、得意の料理と聞き上手で 父の日を祝ったのかな??
来月は 新盆 父娘で お母さんに会いに行くなんていうのも素敵ですよ・・・。
Posted by 小だぬき at 2016年06月20日 11:27
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック