インフルエンザ予防接種は
どこまで有効か
東洋経済オンライン 10/29(土) 6:00配信
少しずつ寒さが増していく季節。
早くも一部でインフルエンザが流行して、学級閉鎖に追い込まれた学校もあります。
「インフルエンザの予防接種を受けておきたい」
「自分の子どもにも受けさせておきたい」と考えている人も少なくないでしょう。
ところで、そんなインフルエンザの予防接種で受けるワクチンの有効率はどのくらいだと思いますか?
■インフルエンザワクチンの有効率は低い
「80〜90%以上は効くだろう」と思われる人もいるのではないでしょうか。
麻疹風疹混合(MR)ワクチンや、おたふくかぜワクチンは、それぞれ95%以上、90%以上の有効率がありますが、インフルエンザワクチンの有効率は低いのです。
文献をまとめたものでは、インフルエンザワクチンの効果は、日本では小児で25〜60%と、成人で50〜60%とされています。
厚生労働省のホームページには、乳幼児においては、「おおむね20〜50%の発病防止効果がある」とされています。
また、「乳幼児の重症化予防に関する有効性を示唆する報告も散見されます」とあります。
拙著『小児科医は自分の子どもに薬を飲ませない』でも触れていますが、そもそも、インフルエンザの予防接種の効果(有効率)を調査するのは、とても難しいとされています。
年により流行するウイルス株が異なり、ワクチン株の構成も異なり、地域によっても流行状況が異なるからです。
私は小児科専門医です。
当院においても、毎年インフルエンザの予防接種を実施していますが、あまりやりたくはありません。
なぜなら、親御さんへの説明に手間がかかるからです。
インフルエンザの有効率で、親御さんが期待する数値と、実際に予想される数値にかなり開きがあるのです。
これは特に、1〜2歳のお子さんを連れて、初めてインフルエンザの予防接種に来た親御さんに顕著な話です。
乳児や1〜2歳で、初めてインフルエンザの予防接種を受けに来るのは、今まで実際にインフルエンザにかかったことのないお子さんが大多数となります。
つまり、それらのお子さんは、インフルエンザウイルスに対して、体の免疫の記憶(貯金)がほとんどありません。
そのような状態で、体に外から免疫を植えつけようとしても、なかなか効果が上がらないことは想像できるでしょう。
大人でさえ、有効率は50〜60%なのですから、生まれて間もない、免疫の力がまだまだ未熟な赤ちゃんや2歳くらいまでのお子さんは、もっと確率が低いだろう……と考えることもできます。
現場ではどう話すのか
実際に、私は診察室で親御さんに対して、次のようにお話しします。
「乳児の場合、発症を防ぐ効果ははっきりせず、重症化を防ぐ効果はあるかもしれないという程度です。
保育園に入園されていて、ご希望が強ければ接種します」
「1〜2歳の場合、いろいろな調査報告がありますが、有効率はおそらく20%くらいかもしれません。
平たく言えば、“効いたら、ラッキー”というくらいですよ」
多くの場合、親御さんはその話を聞いて驚きます。
そして、それでもよいと納得されれば接種するようにしています。
ちなみに、インフルエンザの予防接種は任意接種です。
自費診療の部類に入るため、接種しない限りは料金をいただくことができません。
それでも、インフルエンザワクチンについては、「しっかり効く」「受けさえすれば安心」という間違った思い込みを持つ人が多いのです。
■「先生のお子さんだったら、どうします?」
ワクチンに関する考え方は、小児科医の間でも見解が分かれています。
それだけに、不安を覚えるお母さんお父さんも多いかもしれません。
そこで、予防接種について話がわかりそうな医者で、特に子どもがいそうな場合に、本音を聞き出すのに有効な質問は、「先生のお子さんだったら、どうします?」です。
医者だって人間です。わが子が大切ですし、いちばんかわいいと思っています。
自分が持っている知識と経験を総動員して、一生懸命に子どものことを考え、その時点でベストと考える決断をするはずなのです。
だからこそ、本音を聞き出せるでしょう。
この質問は、私が実際に親御さんに聞かれると困ってしまう質問のひとつに入ります。
なぜなら、お答えするのに話が長くなりますし、保育園をなるべく休ませたくないという親の都合を含めて、接種を受けさせている部分もあるからです。
私は、大多数が「ワクチン推奨派」の小児科医の中において、どちらかと言えば慎重派であり、親の意見を聞きすぎる傾向にあります。
ただ、価値観がますます多様化している中で、言われるがままではなく、わが子の予防接種をどうするかを真剣に悩んでいる親御さんの判断の助けになればと思い、本音を吐露させていただきました。
鳥海 佳代子


今まで予防接種は 余りしませんでした。
その費用で 旨い物を食べた方がいい・・・。なんて。
年齢とともに免疫力が下がってきているので 今年は受けようと思っています。