年金減法案強行へ
安倍政権の国会審議こそ
プロレス・茶番
2016年11月25日 日刊ゲンダイ
物価が上がって賃金が下がっても年金が減額される――。
高齢者イジメの“年金カット法案”が25日、衆院厚生労働委員会で「強行採決」される。
しかし、これほどヒドイ法案を強行採決するとはとんでもない話だ。
NHKの世論調査によると、この法案に「反対」するのが49%なのに対し、「賛成」はたった10%。
国会での審議時間も短い。
2004年に成立した年金抑制策「マクロ経済スライド」を導入する関連法は約33時間だったのに、今回はたった15時間程度だ。
民進党の試算では、法成立で国民年金は年間約4万円、厚生年金は同14万円も減額するという。
苦しい生活を送る高齢者にとっては死活問題だ。
しかも、最近の安倍自民党は、年金法案に限らず、強行採決を事前に“予告”する始末だ。
山本有二農相の「強行採決発言」だけでなく、“年金カット法案”の所管大臣である塩崎恭久厚労相も佐藤勉衆院議運委員長のパーティーで、「強行採決だなんて、野党はいろいろと“演出”してくる」と放言。
さらに、萩生田光一官房副長官は23日の会合で、TPP関連法案の採決に反対した野党の対応を「田舎のプロレス、茶番だ」と言い放った。
圧倒的多数の国民が反対する重要法案の審議を「プロレス」「茶番」「演出」とは――あまりにも国民をなめている。
政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏はこう言う。
「与党は『最後は数の力で押し切れる』と考えているから、緊張感がなくなっているのです。
野党を軽んじるような発言も、全て本音でしょう。
気が緩んでいるから、口が軽くなる。
メディアも厳しい報道を控えがちなので、内閣支持率が下落することはないとタカをくくっているのでしょう。
緊張感なき国会が、政治の劣化を招いています」
野党は“乱闘”してでも抗戦すべきだ。
<小だぬき>
野党の抵抗が「質疑・採決で反対しました。与党の多数派の暴挙です」で 悪法や改悪案が可決されていく。本気で阻止する気持ちがあるのか疑わしい抗議で 国民生活が破壊されていく。
社会党委員長 土井孝子氏の「ダメなものはだめ」という徹底抗戦の姿勢が 各野党になくなり形式的「議会」民主主義と国民・マスコミ批判を恐れて 中途半端な闘いで敗北戦を闘っているようにしか思えない。
1970年までは、委員長室封鎖・議場封鎖・牛歩・反対討論の時間制限無視など 国会内でできることは全てやった「社会党」
社会党を支持する総評(労働組合ナショナルセンター)も 社会党と連携して各組合のスト権投票でスト権を確立して 法案の廃案を目指し 国会の状況を見て 大規模ストライキや集会・デモを繰り広げた。
今、そのような野党の姿勢が皆無です。
安全法制の民主党反対討論も2時間弱で牛歩は 山本太郎氏ただ一人。
共産党は 論戦のみで それを大衆運動・市民運動・労働運動にできない影響力のなさ。
革命を忘れた革命?政党、議会主義・構造改革路線。
お隣の国 韓国では 百万人規模の反政府デモが 学生を含め毎週のように開かれる「行動力」と意思表示。この点だけは 韓国国民に連帯したいものです。
年金切り捨て法案の本会議での抵抗、参議院の審議を せめて韓国国民のように怒りを組織して
廃案を目指して欲しいです。
野党共闘をしなければ 驕った与党には対抗できません。
まずは 維新の大阪で勝つこと、自公と真正面から対決できる候補発掘が優先ですね。
ただ、野党に明確な対抗軸がないのは残念です。