2017年04月05日

なんでも鑑定団 「疑惑の茶碗」の真贋論争が泥沼化

なんでも鑑定団「疑惑の茶碗」の
真贋論争が泥沼化
2017.04.04 16:00
※週刊ポスト2017年4月14日号

『開運!なんでも鑑定団』(テレビ東京系)で、“国宝級”と評価された「曜変天目茶碗」をめぐる真贋論争が泥沼化している。
 そもそもの発端は2017年2月3日号の本誌・週刊ポストのスクープだった。
同番組に持ち込まれた茶碗が南宋時代の「曜変天目茶碗(*)」と鑑定されたことに、陶芸家の九代目・長江惣吉氏ら専門家が続々と「偽物だ」と異議を唱えていることを報じたのだ。


【*曜変天目茶碗はこれまで世界で3点発見されており、いずれも国宝に指定されている】

 曜変天目の最大の特徴は、見る角度によって様々に変化する茶碗内側の鮮やかな光彩だ。
しかし長江氏は、「鑑定団で紹介された茶碗には光彩はなく、宋時代にはなかった化学顔料が使われている」と推測していた。
 しかし本誌報道後、大きな動きがあった。
所有者である徳島県のラーメン店主の依頼を受け、奈良大学の魚島純一教授(文学部文化財学科)が、“疑惑の茶碗”を調査したのだ。
X線を照射し、使用された塗料の成分を検出する。
 その結果、「検出された宋時代以降の塗料の成分はわずかで、それだけでは偽物と特定できない」というものだった。
この結果に前出・長江氏は納得していない。

「私は奈良大の研究結果を取り寄せたのですが、宋時代以降の塗料の成分は『ごくわずか』と書かれているのみで、含有量の数字がなかった。
少しでも含まれているなら偽物の可能性がある」

 一方の奈良大・魚島教授はこう反論した。
「私が行なった『定性分析』とは、『成分の有無』を調べる目的のもので、おおまかな量はわかっても、具体的に数値が出せない。
そもそも私はこの茶碗の真贋に言及していません。
調査でわかったことは、偽物だと主張する人が指摘したような顔料・釉薬が使われていないということのみです」
 顔料問題以外にも“曜変天目”には複数の疑惑が持ち上がった。
〈他の曜変天目と違い、茶碗の外側にも模様が発現していること〉
〈他の曜変天目には存在しない茶碗の裏の「供御」という文字〉などだ。

 所有者のラーメン店主はこう訴える。
「徳島県に文化財指定の申請を申し込もうとしていたが、このような状況なので一度ストップしています。
奈良大に調査を依頼したのは、現物を見ていない人たちに“偽物だ”と決めつけられるのが耐えられなかったから。
私は、最初から偽物と決めつけず客観的に調査をしてくれる先があるなら、再調査に協力してもいいと考えています」

 真贋論争にピリオドが打たれる日は来るのだろうか。

posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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