2017年05月04日

「貧しい老人は自宅で死ぬ」という冷血格差社会の固定化

「貧しい老人は自宅で死ぬ」
という冷血格差社会の固定化
2017年5月4日 日刊ゲンダイ

 お年寄りの健康と命より、“安倍サマ”のメンツが大事ということだ。
衆院厚労委は安倍首相に森友学園絡みの質問をぶつけた野党に与党がハラを立て、介護保険関連法の改正案を強行採決してしまった。
 一定年収以上の高齢者に介護料の3割負担を強いる法改正をこんな形でゴリ押ししたのだからムチャクチャだ。
 高齢者の介護料負担は2年前から2割に増えたばかり。
負担に耐えられず特養ホームを退所するケースも出ているのに、安倍政権の「老人イジメ」は止まらない。

 この春からは高齢者狙い撃ちの負担増ラッシュ。
4月には75歳以上の医療保険料の「特例軽減措置」が縮小し、収入に応じて支払う「所得割」のうち、低所得者への5割軽減が2割にカットされた。
 来年度には特例そのものをなくすというから、血も涙もない。
これでは下流老人は病院にも行けない。

 8月には「高額療養費制度」で定めた70歳以上の医療費負担の上限額が跳ね上がる。
対象者は実に約1400万人。年収370万円未満だと、入院を含む負担上限が4万4400円から5万7600円にアップする。
 すでに70〜74歳の窓口負担を原則2割に引き上げ、75歳以上も1割から2割への負担倍増案も検討中だ。
こうして病院通いのハードルを上げながら、虎の子の年金を株式市場の鉄火場にブチ込んでいるのだから、とんでもない話だ。

 65歳以上のうち、生活保護基準以下の低年収層は推計200万人もいるのに、冷血政権には「貧困と格差」を解消する意欲は一切ない。
「『老後破産』や『下流老人』という言葉が定着する中、むしろ『貧しい老人は病院に来るな』『国のカネを使わず自宅で死ね』というサジェスチョンすら感じます。
基本的人権から逸脱した政権が進めるのは、貧しい人が死ぬまで貧困に苦しむ格差の固定化です」(経済ジャーナリスト・荻原博子氏)
 長寿がリスクになるとは、つくづく嫌な時代だ。
posted by 小だぬき at 16:00 | 神奈川 ☁ | Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
生活保護を断られて病気治療ができず孤独死
お役所さん
何やってんだ〜💢
Posted by みゆきん at 2017年05月04日 17:27
孤独死、餓死、自殺・・・、国や地方公共団体が 社会保障に採算を求めるから 貧しい者が救われない制度運用になる。
社会保障は、国防や治安・防災に採算や利益を求めないのと一緒です。
Posted by 小だぬき at 2017年05月04日 20:16
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