何のために働くの?
2017年5月2日 読売新聞
暮らしも社会も支える
何のために働くの?
Q 大人になったら、働かないといけないの。
A 憲法では、働くことは、「税金を納めること」と「子どもに教育を受けさせること」と並んで、国民の義務とされているよ。
働くことには、いろいろな意義があるんだ。
まずはお金を稼いで生活するためだよね。
ご飯も食べるし、住まいもないといけない。
食材を買ったり、毎月の家賃を支払ったりしているよね。
旅行にも行きたいし、映画を見ることもある。
働いて得たお金で、様々なモノを買ったり、サービスを受けたりして暮らしているね。
逆から見ると、働くということは、ほかの人が求めるモノやサービスを作り出していることでもあるよ。
農家なら野菜を作るし、医師は病気やけがを治療してお金を得ている。
学校の先生は子どもたちに勉強を教えているね。
仕事で得たお金で、モノやサービスを買う。
働くことは経済活動に参加することでもあるんだ。
Q ほかにも意義があるのかな?
A 働いて得た収入の一部を、税金として国や自治体に払っている。
年金や医療・介護の保険料も納めている。
税金は道路や公共の建物を造ることなどに使われているし、病気やけがで治療を受けるとき、みんなが払うお金が、かかったお金の一部で済むのは保険があるからだ。
働いて必要なお金を負担し合い、社会を支える仕組みにも役立っている。
Q 社会のためでもあるのね。
A 社会は、数多くの職業の人が働くことで成り立っているわけだね。
将来、どんな職業に就きたいか考えたことはあるかな?
希望の職業に就くことは、「こんな自分になりたい」という目標を達成することでもあるし、誰かの役に立つという、やりがいを感じることもできるんだよ。
ただ、育児や介護と両立できずに退職せざるを得なかったり、「ブラック企業」で低賃金で長時間労働を強いられたり、働くことを巡っては様々な問題もある。
誰もが自分にあった働き方で、仕事が続けられるように、考えていくことが必要だね。
(小沼聖実)
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