2017年05月14日

共謀罪「合意だけで捜査可能」 準備行為前でも嫌疑

共謀罪「合意だけで捜査可能」 
準備行為前でも嫌疑
2017年5月13日 東京新聞朝刊

 犯罪の合意を処罰する「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案について、法務省の林真琴刑事局長は十二日の衆院法務委員会で「準備行為が行われる前でも任意捜査は許される」との見解を示した。
これまで政府は「犯罪に合意しただけでは強制捜査や処罰はできない。
合意に加えて準備行為がないと犯罪は成立しない」と強調してきたが、合意しただけの段階で任意捜査が始まることを認めた。

野党からは「捜査機関の意思で、捜査の開始時期が何とでもなる」と懸念の声が上がった。
 公明党の浜地雅一氏の質問に対し、林氏は「犯罪の計画行為が既に行われた嫌疑がある状況で、準備行為が行われる確度が高いと認められるような場合は、手段が相当であれば任意捜査を行うことは許される」と述べた。
 過去の共謀罪法案の国会審議では、準備行為がない段階でも共謀しただけで逮捕や家宅捜索などの強制捜査が可能だとして野党などから強い反発が上がっていた。
今回の法案で政府は「準備行為がなければ犯罪が成立せず、強制捜査はできない。
過去の共謀罪とは別物だ」と強調していた。
 合意段階の任意捜査について、金田勝年法相は「成案を得てから説明する」と答えていたが、この日は、準備行為が行われて犯罪が成立する前でも嫌疑が生じ、任意捜査が認められる考えを示した。
 根拠として林氏は、薬物密売やすり、ひったくり、痴漢などの犯罪で任意捜査が行われている実態を紹介。
林氏は「犯罪が多発する時間帯、地域など発生の確度が高いと判断される場合、嫌疑が認めることができる」として、犯罪が発生していない段階でも捜査が可能だとした。
犯罪発生の確度が高いかどうかは「捜査機関が判断する」とした。
 また、金田氏はこの日、あらためて「一般の人に嫌疑が認められることはあり得ない」と強調。
これに対し、民進党の山尾志桜里氏は「嫌疑が生じる前には、調査や検討が行われる。その対象には一般市民が入る。
一般市民が捜査対象にならないから安心してというのは、砂上の楼閣でフィクションだ」と批判した。
 (山田祐一郎、土門哲雄)
テロ等準備罪.jpg
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☔ | Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
共謀罪は戦後生まれの私たちにはイマイチ理解に苦しむ法案です。
そもそも金田法相自身が全く理解出来ていないようです。
共謀罪・憲法改正など 安倍総理はただただ歴史に名を残したいだけだと言う気がしてなりません。
安倍総理以外の人間すべてが振り回されているような気がします。
少しは自民党からも異を唱える方が出てきたようですが
廃案にするまでまだまだな気がします。
Posted by ぴあの at 2017年05月14日 19:35
共謀罪の最大の問題点は、個々の犯罪捜査過程ではなく
277の犯罪類型に一括して網をかけ どの犯罪を対象とするかは 捜査当局が決めるというものです。

今の「秘密の公安捜査」を 思想信条以外にも 刑事警察においても適用しようとするものです。

事件に追われる刑事・交通・地域課では 事前捜査はムリで 今の「公安警察」の一部非合法活動・捜査・監視に法的根拠を与え 広く「反権力な活動」に対して 捜査・監視対象に 公安警察に主導権を与えるものです。

危険極まりない法律です。
Posted by 小だぬき at 2017年05月14日 23:39
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