2017年05月17日

あらゆる団体に捜査員…共謀罪の切り札は「スパイ捜査」

あらゆる団体に捜査員…
共謀罪の切り札は「スパイ捜査」
2017年5月16日 日刊ゲンダイ

 安倍政権が18日にも衆院通過をもくろむ共謀罪
内心を処罰する希代の悪法だが、当局は「心の中」をどうやって探り、それを立件、立証するのか。
自白、盗聴、密告……などの手法が考えられる中で、当局が最も期待している“切り札”が仮装身分捜査。
いわゆるスパイ捜査で、捜査員が目を付けた団体のメンバーとして潜入し、メンバーの「心の中」を把握するやり方だ。
「仮装身分捜査が導入された場合に有効と考えられる点として、組織外部の人間では把握が困難な組織の核心に迫る犯罪情報や物的証拠の入手に資する」
 2014年版の「警察白書」には、こんな文言が出てくる。

まるで共謀罪の導入を見込んだような記述だが、法案が成立すれば実際の捜査現場で使われるのは間違いない。
共謀罪に詳しい小口幸人弁護士が言う。
「仮装身分捜査は、法令で令状が必要とされていません。
また、最高裁から違法と判断されたわけでもない。
つまり、共謀罪を補完する手段として、多用されていく可能性があるのです。
しかも、警察は仮装身分捜査を導入したことさえ明かさないでしょう」

 気が付けば、あらゆる団体にスパイ捜査員がゴロゴロ――なんて時代が現実になるのだ。

 今年3月、最高裁が違法と断じたGPS捜査。その事件で警察は、犯行グループの車の尾行でGPSを使ったことを隠していた。
尾行が13時間にも及ぶことから、男性被告人(45)の代理人である亀石倫子弁護士が「絶対にGPSを使わなければできない」と気付き、違法であるGPS捜査が発覚したのだ。
すでに警察庁は2006年、全国の都道府県警に対し、GPS捜査を隠す通達まで出しているから、共謀罪が成立すればやりたい放題だ。

「当局が対象団体に送り込んだ捜査員は、1カ月もすれば仲間の信頼を得て、内部の情報にもアクセスできるようになるでしょう。
そこで、スパイ捜査員がタイミングを見て自首すれば無罪放免。
恐ろしいのは、そうやって得た証拠だということが全く分からないこと。
たまたま見つけた、と言い張られてしまえばそれまでになってしまうのです」(小口弁護士)

「あいつはスパイかも」――。
国民が互いに疑心暗鬼に陥り、やがて口をつぐむ。物言えぬ雰囲気が強まり、社会全体が萎縮するのだ。
いつか来た道を繰り返してはならない。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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