熱血!与良政談
「不自由非民主党」の敗北=与良正男
毎日新聞2017年7月12日 東京夕刊
小池百合子東京都知事率いた「都民ファーストの会」が圧勝し、自民党が惨敗した先の都議選は、フランス国民議会選挙で、マクロン大統領が作った新党「共和国前進」が躍進したのと似ているという人は多い。
既存の政治家を否定して支持を得た点で言えば、トランプ大統領を生んだ米国も同じ。
確かに「既成」への失望感は世界に広がっている。
そこで私は改めて、そもそも政党とは何だろうかと頭を抱えるのだ。
愛用している新明解国語辞典によれば、「政党」とは「共通の政見を実行に移すために政権を取ることを目標として結ばれた政治的団体」とある。
その通りだろう。
でも今の政党はそうなっているか。
気になるのは都民ファーストという党名だ。
かつて小沢一郎氏が「国民の生活が第一」という名の党を作った時も感じたことだ。
もちろん、都民の思いや国民の生活を最優先することに何ら異存はない。
でも、それは政党として当然の姿勢であって、政党の目標ではないはずだ。
同様に「共和国前進」も、何をしたい政党なのか、私にはよく分からない。
一方で、それは既成政党が基本を忘れていることの裏返しなのかもしれないとも思う。
どこを向いて政治をしているのか分からない政党より、よほどましだとも考えるのだ。
自民党は党名に反し「不自由非民主党」と見なされたため敗北したのではないか。
民進党は「国民とともに進む」と党名を変えながら国民のために体を張って闘っているようには見えない。
政党とは何かの原点が崩れているから今の混沌(こんとん)とした状況になっているのではなかろうか。
昨年、小池知事が誕生した時、小池氏は基本的に保守の人であり、保守のウイングがさらに広がったと見るべきだと本欄で書いた。
その見方は変わらない。
今後、都民ファーストの国政進出が取りざたされるほど、小池氏は例えば憲法改正についてどう考えるのか、具体的に問われることになるだろう。
結局、自民党の補完勢力ではないかと見なされる可能性だってある。
大切なのはどんな社会を目指すのかという目標であり、理念だ。
個々の議員が次の選挙に生き残るための離合集散に終わってしまうことだけは勘弁だ。
(専門編集委員)
短い暑い夏を楽しんでま〜す^^
ひいぃぃぃぃぃぃいい〜っあづ〜っ
水分が みな汗ででている感覚です。