ただ、中には「せっかくだから、あちこち見たい」とスケジュールを詰め込み、途中で体調を崩してしまうケースもあるという。
若い頃より体力は落ちているもの。「無理のないプランを立てることが肝心」と専門家はアドバイスする。
例えば、短い期間に複数の観光都市を次々に訪ねて回るツアーは魅力的だ。
だが、原さんは「予約の前に、どんな旅行になるのか、パンフレットと地図、ガイド本を広げて想像してみてください」と話す。
早朝に起きてバスの長距離移動と観光地の見学を繰り返すようなツアーもある。
シニア世代は自分の体力をよく考えたい。
「せっかくのイタリア旅行なのに2日目でダウンした、という事例もあります。
体調を崩しては楽しいはずの旅が台なしです」
訪問する観光地の立地や歩く道の状況についても、ガイド本などでよく調べておきたい。
古い街並みや遺跡、寺社は年配の方に人気のスポットだが、一方で坂道や階段が多かったり、道が舗装されていなかったりすることもある。
また、美術館巡りは、意外に長時間歩くことも。
日本旅行業協会広報室長の矢嶋敏朗さんは、「こうした場所を見学した後には、たっぷり休憩時間を取ってほしい。足に自信がない人は、坂道は観光用のタクシーを利用して」とアドバイスする。
ホテルも、予約前にバリアフリーへの配慮が行き届いているか確認しておきたい。
膝の具合がよくなくて畳に座れないといったこともある。
「食事は大広間でも椅子に座ることができるか」といった不安や質問は、宿や旅行会社に問い合わせておく。
最近は、高齢者向けのツアー商品もある。
クラブツーリズム(東京)では、
〈1〉1日の見学場所を平均3か所以内に絞る
〈2〉見学時間は通常の1・5倍以上取る
〈3〉歩く時間は30分〜2時間に抑えて休憩も90分に1回は取る
――といった配慮をしている。
こうした考え方は、個人旅行のプランを立てる際にも参考になる。
矢嶋さんは「『お金を払って来たのだから全部見ないと』と無理をしがち。
でも、もし体調がよくないなら、その日は途中で観光をやめてバスの中で休む、ホテルで一日寝ている、といった判断をしてほしい。
それが楽しい旅につながります」と話している
秋田の豪雨は 大変で1したね。
安全運転でいい1日にしてね。