熱血!与良政談
「次の次」に
「次」は来ない=与良正男
毎日新聞2017年12月27日 東京夕刊
第2次安倍晋三内閣が発足して5年が過ぎた。
本欄で書き続けてきたようにその政治手法をはじめ、私の評価は厳しいが、安倍首相が自民党総裁に返り咲いた5年前の秋を振り返ると、改めて考えることがある。
あの頃、多くの国民にとって安倍首相といえば「体調が悪化して首相を辞めた人」だったはずだ。
森喜朗元首相ら先輩議員も「復帰は早すぎる」と自重を求めていたものだ。
地方の自民党員の間では石破茂氏を待望する声が大きかったし、
ベテラン国会議員の間では石原伸晃氏を推す人が多かった。
ところが石破氏は国会議員にはなぜか嫌われ、石原氏は総裁選中の失言がたたってずっこけた。
そこで漁夫の利を得て、安倍首相が総裁になったのが実態だ。
小泉純一郎氏の後を継いで第1次政権を担った時も「若すぎる」「経験がない」と言われた。逆に言えば安倍首相は批判はあってもチャンスを逃さなかったということだ。
父の安倍晋太郎氏は「首相になるのはライバル・竹下登氏の次でいいよ」と言い出しかねない権力欲の少ない人だった。
だから私は好きだったが、結局首相の座には就けなかった。
安倍首相は、そんな父親を反面教師にしてきたように思う。
ある経済人は「安倍さんは今、自分が首相でなかったら日本は大変なことになっていたと思っている」と言う。
確かにそう信じていなければ今秋、「森友」「加計」の疑惑隠しと批判されるのを承知で衆院の解散はしなかったろう。
それが強さであり、危うさ、怖さでもある。
その衆院選。惨敗した希望の党の小池百合子東京都知事は「その次」の選挙で首相を狙おうとしたのだろう。
ところが、いきなり政権交代を目指す構えを見せて無理をした。
「次の次」を狙うから、今は自民党の議席を少しでも減らそうと正直に訴えた方がまだよかったと思う。
ただし歴史を振り返れば、「次の次」という人になかなか「次」はやって来ないのが政界である。
来秋は安倍首相が3選を目指す自民党総裁選がある。
「ポスト安倍」を狙う石破氏や岸田文雄氏らが「安倍3選の次でいい」と弱腰でいる限り次は訪れないのではないか。そんな気がしている。
(専門編集委員)
今年は、新婚さんに手助けを頼めば 乗ってくるような気がしますが・・・。
早く、ドラえもんの「どこでもドアー」を発明して欲しいものだと 食い気のみの小だぬきです。
とても勉強になる反面この先日本は
大丈夫かなんて思ってしまいます。
来年もどうぞよろしくお願いします。
良い年をお迎えくださいね。
日本に必要なのは、評論家ではなく 哲学・思想家なのだと思うこの頃です。
窮鼠 猫を噛む、一寸の虫にも五分の魂、まだまだ国民の良識と決起に希望を持っています。
こちらこそお世話になりました。
共にいい年にしていきましょう。