2018年02月27日

学校にはなぜ制服があるのか…

余録
学校にはなぜ制服があるのか…
毎日新聞 2018年2月26日 

 学校にはなぜ制服があるのか。
私服で通えるようにすると、毎日服を替えられる子を見て、同じ服しか着られない子がつらくなるから。
はるか昔の子供のころ、親や先生とそんなやりとりをした人もいるのではないか

その制服は体が大きくなって袖からシャツがのぞいてもなかなか買い替えてもらえない。
同性のきょうだいやいとこがいれば、お下がりはかつて当たり前だった。
だから東京・銀座の区立泰明(たいめい)小が学校や街への誇りを培うため、アルマーニの標準服を採用するという話には驚くばかりだ

▲昔は制服どころか、家庭の事情で学校に行けない人も多かった。
東京の神田一橋(かんだひとつばし)中学通信教育課程にはそんな高齢の生徒が通う。
彼らの記録映画「まなぶ」を見ると、制服を着たくても着られなかった思いを知らされる

▲昭和7年生まれの男性は小学校を出て就職し、中学には行けなかった。
社会に出てから衣料品店に学生服と学帽を注文し、写真を撮ってアルバムに貼った。
「あこがれだったから」と言う

▲昭和9年生まれの女性は女学校に合格したが、父親が戦死して家が貧しくなり、子守の奉公に出た。
道端でセーラー服姿の同級生たちを見かけ、とっさに電柱の陰に隠れた悔しさを忘れられない。「あの時の自分がいたから強い人間になれた」

▲もちろん時代は違う。
だが制服は子供たちの心と分かちがたい。
泰明小の件では児童へのいやがらせまで起きてしまった。
アルマーニの賛否はともかく、考え込む。
制服は誰のためのものか。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☁ | Comment(0) | 教育・学習 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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