医師が教える、インフルエンザの知られざる予防法
…罹ったときの間違った対処法
2019.01.25 Business Journal
石原結實/
イシハラクリニック院長、医学博士
38.0℃以上の発熱が突飛に発現し、全身の節々の痛みがあり、「いつもの風邪と感じが違う」と思ったら、すぐ病院で受診して抗インフルエンザ薬を処方してもらう必要がある。
発病して48時間を過ぎウイルスが細胞内に潜り込んでしまうと、薬が効かないからだ。
ただし、インフルエンザは予防をするほうが大切である。
インフルエンザ・ウイルスの主な感染経路は、「飛沫感染」「接触感染」「空気感染」の3つである。
よって、予防法としては以下が知られている。
(1)マスクの着用…飛沫感染を防御
(2)緑茶による「うがい」…緑茶に含まれる「カテキン」に抗ウイルス作用がある
(3)手洗い…石鹸で手首、手の甲や手のひら、手指、爪まで入念に洗う。アルコール消毒ならもっと短時間ですむ
(4)ドアノブ、スマホ、パソコン、机の上でインフルエンザ・ウイルスは1〜2日生存するので、アルコールで消毒する
このほかには、以下などの励行も大切である。
(5)室内に加湿器を設置…乾燥するほどウイルスの感染力が高まる
(6)十分な睡眠…寝不足は免疫力を低下させる
(7)ウォーキング、ストレッチなどの心地よい運動…マラソンなどの競技を目的としたハードな運動は免疫力を低下させることがあるが、「心地よい」「うっすらと汗ばむ」程度の運動は免疫力を上げる
しかし、一般の医学が指摘、指導しない重要な予防法として、「食べすぎを避けること」がある。
風邪、インフルエンザ、胃腸病その他ほとんどの病気で、「食欲不振」が発現する。
そんなとき一般の人たちも、医師たちでさえも、「体力をつけるために無理してでも食べるように」と、食を強要することがほとんどだ。
しかし、これは愚の骨頂である。
神様が我々人間をはじめ、動物に与えてくださっている病気を治す方法は究極的には「食べないこと(食欲不振)」と「発熱」の2つしかない。
犬や猫が病気をすると「一切食を拒み、数日すると元気になる」
様子を目の当たりにした人は少なくないだろう。
「食べたくないときは食べない」
話は旧聞に属するが、米国ミネソタ大学医学部の教授だったM・J・マレイ博士は1975年に飢饉のサハラ砂漠を訪れ、遊牧民に食糧を与えたところ、「しばらくして突然にマラリアやブルセロージス、結核などの感染症が起こってきた」ことを経験したことから「栄養過多が感染症を誘発するのではないか」
「我々が食べる食物中の栄養素は、我々の体の維持よりも、病原菌の分裂、増殖のほうにむしろ利用されているのではないか」と考えるに至った。
その後、種々の実験を繰り返した同教授は「感染症をはじめ、病気にかかったときには食欲不振に陥るが、これは体の防御機構の表現である」という論文を米国臨床栄養学会誌に発表した。
その実験の概要は、次のようなものだ。
ネズミ100匹を4群に分ける。その4群を何も感染していないネズミと、腹腔内に病原菌を注射して無理に病気を起こさせたネズミの2群に分ける。その2群ずつを、さらに自由に食べさせる群と、チューブを胃に入れて無理に食べさせる群に分けて、死亡率と平均生存日数を観察した。
結果は「表」のようになった。
種々の病気で食欲のないときに「体力をつけるために」という理由で無理に食べることがいかに悪いか、かえって、病気を悪化させたり、死期を早めたりすることがある、ということを雄弁に物語っている。
マレイ教授も結論として「食欲不振は自分自身の体の防御反応に重要な働きを果たしている」と喝破している。
2016年、日本の大隅良典博士に与えられたノーベル医学・生理学賞は同博士の「Autophagy(自食作用)」の理論に対してである。
人体を構成する60兆個の細胞は、年齢を重ねるとともに、その細胞内に「古いタンパク質」「老廃物」「ウイルス」などが蓄積されてくる。
「空腹」のときや絶食すると、こうした「有害物」を細胞自身が処理してしまう現象が「Autophagy」である。
つまり空腹(食欲不振)のとき、細胞に潜り込んだインフルエンザ・ウイルスも「自食」されてしまうことを示唆している。
よって、インフルエンザの予防や、不幸にして罹患したとき(抗インフルエンザ薬は服用しつつ)にも「食べたくないときは食べない」ことだ。
ただし人体60兆個の細胞は、糖分だけで活動しているのだから、体を温める作用のある熱い紅茶にハチミツや黒砂糖を加え、免疫力増強作用や殺菌・抗ウイルス作用、解毒作用を有する生姜(の辛み成分=ジンゲロン、ジンゲロール)のすりおろし、または粉末を足した「生姜紅茶」を1日3〜4杯飲まれるとよい。
インフルエンザ予防になるし、もちろん、かかったときも早めの治癒を促してくれるはずだ。
なお紅茶の赤い色素「テアフラビン」には強力な抗インフルエンザ作用があることも確かめられている。
ニュースサイトで読む:
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39、3度の高熱がでて病院行って検査受けましたがインフルエンザ
ではなくて点滴して帰り夜にまた高熱が出て病院で検査受けてインフルエンザでした。
外出るのが怖いです。
病院の初めの検査と夜の検査で 違いがでた理由がわかりませんね。
外出時は、マスク着用と できる限りの手洗い・消毒しか手はないようです。
急な寒波で 身体も「低温」になれていません。睡眠を十分にとり 完全に治るまで 静養してください。