日本人はもっと「食事を残す勇気」を持ってもいい!?
2019年02月09日 All About
(文:平井 千里(管理栄養士))
■「残さず食べる」日本人の美徳
「食事を残してはいけない」と、両親や学校できつく教えられたという人も少なくないと思います。
食材をつくってくれた農家の人や、調理をしてくれた人を想う日本人の美徳です。
提供する側が食べる人の適量を知っていて料理を出した場合は、「残す必要がない」=「残してはいけない」という状況もあります。
例えば、小学校の給食などはその年齢の子供さんに見合った量を提供しています。
成長や体調の違いもありますので、絶対にいけないとまでは言いませんが、基本的には残さずに食べることが望まれます。
しかし、外食など自宅以外の場所で食事をする場合、食べる人にとっての適量が提供されない場合もあります。
そして「残してはいけない」という美徳にとらわれて、必死になって残さず食べきってしまうことも多いものです。
実は食べ過ぎは疲労を生み出し、老化を早めてしまうなど、体に悪影響を与えることが知られています。
もし美徳を守ることで将来の健康が危ぶまれるのであれば、勇気を持って破ってしまうことも大事なことのように思います。
■「食事を残す勇気」を持つには
食事を残すことができる人とできない人の差は、「一食分」の食事をどのように考えるかという、定義の差です。
食事を残すことができる人は、「一食分」を自分の胃袋の容量に見合った量として考えることができます。
食べ終わったときの自分の感覚で「もうちょっと食べられるけれど、体調が悪くなっては意味がない。
このくらいでやめておこう」というように、身体との対話で食事を終わらせることができるのです。
逆に、食事を残すことができない人は、出された皿に乗っている量が「一人前」なので、自分の適量に見合っていないとしても、周りの目を気にして何とかして食べきろうとしてしまいます。
「残してはいけない」という美徳や、料理・食材に関わる方への感謝を持つことは大切ですが、食べた人が美味しく楽しく食事をしなければ、それらの考え方も本末転倒です。
また、諸外国には恵まれない子供たちがいて、彼らは満足な食事を食べることはできないのだから……と考える方もいらっしゃいますが、残念ながら目の前にある食事を諸外国に届けることはできません。
確かにもったいないと思いますが、無理をして食べて肥満や生活習慣病を助長するよりも、健康を守って元気に働き、1円でも多く収入を得られれば、その中から恵まれない子供たちに少しでも寄付すると良いでしょう。
その方が本当に恵まれない子供たちを守ることにつながるのではないでしょうか。
■勇気が持てないときはどうするか
食事を残す勇気を持つことができないとしたら、当たり前ですが、最初に残さなくて済む量をオーダーすることが必要です。
特に、外食ではおかずの量を調節することは難しいことが多いので、米飯やパンなどで調節することになります。
ありがたいことに、最近では外食産業でも細かく「小盛」「大盛」などのオーダーをきいてくれるお店も増えてきました。
このような背景が出てきたのは、「残したくない」というお客様の要望が強くあることをお店側でも察知していること、そしてお店側でも食べ残しがあるより、気持ちがいいということではないでしょうか。
また、自宅で購入する食材の量も、「安い」からではなく「食べきれる量」を購入するようにします。
自宅では、食卓で料理を残すこと以上に、冷蔵庫の中に食材を入れっぱなしにしたまま忘れてしまい、ダメにしてしまうことも多いと思います。
冷蔵庫の中は常に整理整頓をして、何が入っているかがひと目で分かるようにしておきましょう。
冷蔵庫にある材料を全部使い切りたい、と言って大量に作ってしまうことも往々にしてあるようです。
冷凍保存できる料理は小分けにして冷凍保存すればよいですが、保存が効かない料理の場合は食べきれる量だけを作るようにしてください。
いずれの場合も、食事を残さなければならないのが辛いことは間違いありません。
しかし、“食事を残す勇気”を持つ必要があるシーンでは、食べ物と自分の身体のどちらが大事かという二択になります。
この二択は恋と仕事を比べるというように、どちらとも選び難いものとは違います。
食べ物は代わりがあっても、自分の身体にはスペアはないのです。
日に何度も行うので軽い選択のようではありますが、チリも積もればなんとやらです。
ぜひ、賢い選択をしていきましょう。
そして食べすぎて身体が疲労し。。。うたた寝
痩せられるわけもありませんね
ただ年齢とともに 食が細くなり 「残してごめん」ということが多くなりました。
ブログ写真を見る限り madameゆか さんは まだまだ体形を心配する段階ではないようでか。
この記事のように「残す」ことが 健康のためなら 健康優先に考え方を改めていきたいと思います。
お互いに「食べ過ぎ」に注意していきましょうね。