2019年04月30日

長いGW10連休でたまる「危険ストレス」に要注意

長いGW10連休でたまる「危険ストレス」に要注意
連休中に「心の不調」を起こさないために
2019/04/29 東洋経済オンライン

大野 萌子 : 日本メンタルアップ支援機構 代表理事

メディアもSNSも一部分の切り取りでしかない

こんにちは。生きやすい人間関係を創る「メンタルアップマネージャⓇ」の大野萌子です。
今年のGWはかつてない大型連休となりましたが、楽しんでいる方がいる一方で、憂鬱な方も多くいると思います。
長い休みは、さまざまなことを引き起こします。
実際に、カウンセリングの現場でも、大型連休の後は、心の不調を訴える方が増えます。
不調が起こる主な原因を知るとともに予防策を講じていただけたらと思います。

原因1:取り残され感
世の中がお祭り騒ぎとなり、メディアやSNSなどで旅行やイベントの様子を発信し楽しんでいる方々を目にすることによって、自分だけが取り残された感じに陥る人は少なくありません。
みんなが幸せそうに見えてしまい「お金がない」「パートナーがいない」「子どもがいない」「友達がいない」「趣味がない」などの気持ちがより一層強化され、落ち込んでしまうことが多いのも事実です。

しかし、メディアもSNSも、ある一部分の切り取りでしかありません。
ほんの一部分を見て、すべてそうだと思うのは間違いです。

例えば、海外に向かう大勢の人を目にすれば、世の中の大半の人が海外旅行をしていると錯覚しがちですが、決してそうではありません。
大手旅行会社が見込んだ今年の海外旅行者は、例年を上回る58万5000人ですが、それでも総人口1億2623万人のうちのたった0.46%にすぎません。
99%以上の人は海外旅行に行かないわけです。

もっと身近な例を挙げれば、嫌がる子どもに「いい写真が取れない」と叱りつけながらスマホを向けている親を観光地で何度も目にしたことがあります。
さまざまな情報を拡大解釈して、「自分だけ……」と、落ち込むことのないようにしていただきたいと思います。

原因2:家族とのしがらみ
家族といつもより長く顔を合わせることになると、普段のちょっとしたイライラが爆発しがちになります。
また、久しぶりに親や親戚と顔を合わせる機会も増えるのではと思いますが、その折に、仕事や結婚、子育てなど、ライフスタイルに口出しされたり、価値観を押し付けられて衝突することも多いでしょう。

関係性の近い相手ほど感情を揺さぶられる
私たちは、基本的に関係性の近い相手ほど感情を揺さぶられます。
自分に近しい人に対しては、本来「理解してほしい」「認めてほしい」という感情が芽生えるのは当然のことで、その思いを否定されたり、反発されることに対して、大きな影響を受けます。

相手に対する思いが強いがゆえに起こることでもあるのですが、必要以上の衝突は避けたいところ。
長い休みだからといって、「家族と過ごさなければならない」ことも「帰省しなければならない」こともありません。
苦痛と感じているのなら、予定切り上げやキャンセルも選択肢の中に入れましょう。

原因3:風呂敷残業
この言葉を知らない若い方もいると思いますが、要は、出勤はしないけれども、家で仕事をすることです。
連休前に「連休中に持ち帰る仕事をまとめている」といった話もあちこちから聞きました。
表向きは休みでも、まったく休めないどころか、連休明けに備えて業務をこなさなければならない方も多くいるのです。

私がカウンセリングをしていて感じることの1つに、心の不調を訴える方に多いのが「切り替えが苦手」という特徴です。
つねに仕事のことを考え、休み中も仕事のことが頭から離れない状況はやはり問題で、どこかで強制リセットをかける必要があります。

思い切って「環境」を変える
強制的に休むとかえって仕事のことが気になって……とおっしゃる方もいると思いますが、気持ちの切り替えが是が非でも必要です。
そのためには、思い切って環境を変えることも大切で、
「いつも行かない場所、もしくは初めての場所に足を運んでみる」
「PCやタブレットなどを起動しない日を設ける」
「アラームをかけずに休む」
「最近、疎遠になってしまった人に連絡を取ってみる」など、意識的に行動してみてください。

そのあとに、また仕事に戻り、たとえ一時的なものであっても「リセットすること」は大切です。

原因4:そもそも休めない
サービス業など世間が休みのときほど忙しい業種や、急患対応の医療機関など、人が休んでいるのに休めないどころか、かえって忙しいという方も少なくないと思います。
普段よりも過剰労働となり、心身への負担が増えます。
この期間だけは、なんとか乗り切らなければという意識が強ければ強いほど負荷をかけがちです。

今年はその期間が長いために例年よりも注意が必要です。
崩れがちな生活リズムを整えるためにも無理をせず、適宜息抜きを心がけましょう。
隙間時間を利用した手軽な気分転換がお勧めです。

「ランチタイムにちょっとぜいたくをする」
「テイクアウトのコーヒーをランクアップさせる」
「ご褒美スイーツやお酒を買って帰る」
「ゆっくり湯船につかる」など、身近でなるべく時間をかけずに手軽にできることを積極的に取り入れましょう。

忙しすぎると徐々にそんな心の余裕もなくなると思いますので、GW前半の今からぜひ心がけていただきたいと思います。
いずれにせよ「いつもと違う」という状況は、たとえ楽しいことであったとしても心身に負担を与えます。
無理をせずに、意識的に気分転換を取り入れながら、ゆったりとした気持ちを持てるよう心掛けてください

平成から令和に移りゆく時期に、気持ちもよりよく切り替えられますように。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☁ | Comment(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]