川崎襲撃事件「子供自身が身を守るのは不可能」 安全確保に課題
2019.5.28 産経ニュース
学校に通う子供たちがまた狙われた。
学校現場は安全確保に努めてきたが、事件は後を絶たない。
子供たちをどう守るのか。あらためて問われている。
子供の安全に詳しい大阪教育大学教育学部の小崎恭弘准教授(保育学)は、「過去の犯罪でも、こうした場合に子供自身が身を守るのは不可能だ」と指摘。
「今回の事件が悪意を持って子供を狙ったのかどうかは分からないが、社会の中で脆弱(ぜいじゃく)であり、判断力が弱い子供が被害に遭うケースは多い」と話した。
平成13年6月に発生し、今年で事件から18年となる大阪教育大付属池田小の児童殺傷事件などをきっかけに、学校の安全対策は強化。
地域住民やPTAなどによる通学路の見守り活動も増えている。
ただ、小崎准教授は「それだけですべての子供を守るのは難しい」と強調する。
米国などでは小学生でも親が送迎しているとして、「今回の事件は、日本社会の安全神話が崩れていることを示す象徴的な事件。
親が送迎することも含め、私たちはこうした現実に立ち向かわなければならない」と話していた。
また、セコムIS研究所(東京都三鷹市)の舟生岳夫主務研究員(50)も「(周囲の大人や子供に)危険な兆候を見逃さないセンサーの感度がどれだけあるかで多少は違うかもしれないが、事件を防ぐのは非常に難しい」と語った。
子供を持つ家庭で、できる対策にはどんなことがあるのか。
舟生研究員は「保護者が『子供を取り巻く環境に絶対安全はない』と認識し、もう一度、自分たちの通学路で起こりうる危険について家庭で話し合ってほしい」という。
さらに、「子供が『あれ?』と思う違和感が少しでもあれば速やかにその場を離れるなど、具体的に身を守る方法を教えた方がいい」とも話していた。