2019年06月23日

沖縄戦体験者証言7か国語で「戦争の実相世界へ」…県平和祈念資料館ネット公開

沖縄戦体験者証言7か国語で「戦争の実相世界へ」
…県平和祈念資料館ネット公開
6月23日 読売新聞

 証言映像や写真で悲惨な戦争の様子を伝える「沖縄県平和祈念資料館」(糸満市)は、沖縄戦などを体験した70人の証言を7か国の言葉に翻訳し、吹き替えと字幕を入れてインターネット上で公開を始めた。
近年、外国人の入館者も増えており、関係者は「戦争の実相を世界中の人々に知ってもらいたい」と願う。  

〈母も弟も自分のそばにいるんだけど、爆弾で粉々になって、自分も肉片を浴びました〉
 同県うるま市の神谷洋子さん(83)は、70人の証言者のうちの1人。
米軍が沖縄本島に上陸した1945年4月当時、9歳だった。

証言映像では、母親と弟を失って遺体の散乱する戦場を一人でさまよったこと、誰かを頼りたくて近くにいた一家についていくと「お前がここで泣いたら、私たちまで殺される。あっち行け」と棒でたたかれたこと、米軍に捕らえられたこと――などを振り返っている。

 資料館はこれまでも館内で紹介してきた証言映像に、新たに撮影した分も加えてネット上で公開することを決定。
英語、中国語、韓国語、スペイン語、ドイツ語、フランス語、マレー語の7か国語に翻訳し、日本語版とともに3月15日に公開した。
視聴回数は6月20日までに計4607回となっている。

 多言語化の背景には、外国人の入館者の増加もある。
2007年度には4937人だったが、17年度には約3・5倍の1万7475人と、過去最高になった。
特に中国や台湾、韓国からが多いという。

上原恵二学芸班長は「平和を求める沖縄のこころを世界に発信し続けたい」と話す。
 戦後、夫と鮮魚店を営み、子ども6人を育て上げた神谷さんも、多言語化の取り組みを前向きに受け止めている。
「『母ちゃんが死んだから助けてください』と言っても誰も助けてくれないのが戦争。
独りぼっちで逃げ回った。
ありのままの体験を国内外の人たちに知ってほしい」と語った。

 証言映像は1人4〜13分程度。選んだ言語で字幕が表示されるとともに、音声が流れる。
特設ページのアドレスは次の通り。
posted by 小だぬき at 07:12 | 神奈川 ☁ | Comment(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]