保守が動けば世の中マシに
安倍一味から日本を取り戻せ
2019/07/20 日刊ゲンダイ
適菜収 作家
参院選が近づいてきた。
今回は政権選択選挙ではないが、これまでの政権運営に対して評価を下すチャンスでもある。
安倍晋三はすでに勝敗ラインを「非改選議席も含めた過半数を、自民党、公明党で確保」とかなり少なく打ち出している。 これをクリアすれば、選挙が終わった後に「国民の皆さまからのご理解をいただいた」などと言いながら、対米隷属憲法への改正など、日本解体の総仕上げにかかる予定なのだろう。
7月10日、トランプがイラン沖などを航行する民間船舶を護衛するために日本政府に協力を打診していたことが判明。
「米国第一主義」の安倍が尻尾を振りながら追従するのは火を見るより明らかだ。
それでも自民、公明、維新が大敗すれば、これまでのようにやりたい放題はできなくなる。
私は日本の将来に悲観的だが、その一方で前回の選挙に比べて明るい兆しが見えてきたのも事実である。
遅きに失したとはいえ保守(ビジネス保守・愛国カルト・ネトウヨは除く)も声を上げ始めた。
先日は改憲派の代表的論者、慶応大学名誉教授の小林節が共産党支持を明確に打ち出した。
右翼団体の一水会も〈今こそ、対米従属・自民党幕府の売国、腐敗を断罪する救国維新派の「処士横議」が重要だ〉とツイート。
大阪では自民党支持層の一部が共産党の辰巳孝太郎候補支持に流れている。
自民党大阪府連が官邸の意向に屈し、大阪市解体の住民投票実施賛成に寝返ったので当然だろう。
野党は32の1人区すべてに統一候補を擁立した。
保守層や改憲派の票が野党に集まれば、世の中は今よりはマシになる。
「れいわ新選組」は安倍政権の売国政策(TPP、水道法、カジノ法、漁業法、入管法、特定秘密保護法、国家戦略特別区域法など)の一括見直し・廃止を唱えている。
ここまで明確に反構造改革を打ち出しただけでも、高く評価しなければならない。
これはアメリカのサンダース現象に似ている。
2016年大統領選の民主党予備選ではヒラリー・クリントンを強く批判。
格差是正やTPP反対、マイノリティーの権利保護などを訴え、ネット経由で巨額の献金を集めた。
世界史的地殻変動はすでに始まっている。
日本人は今こそ立ち上がるべきだ。
急進的グローバリズムと決別し、安倍一味から日本を取り戻すべきだ。