九州で大雨、5万7千人に避難指示
佐賀で小学生が死亡
2019/07/21 朝日新聞社
福岡、佐賀両県は20日から21日にかけて、24時間あたり300ミリを超す記録的な雨量を観測した。
福岡県では一時、計5万7千人に警戒レベル4にあたる避難指示(緊急)が出された。
22日も降雨が予想されることから、気象庁は引き続き土砂災害などに対する警戒を呼びかけている。
朝鮮半島に進んだ台風5号と太平洋高気圧の影響から、暖かく湿った空気が流入し、大雨をもたらした。
気象庁は、21日午前5時50分までの1時間のレーダー解析で110ミリの大雨が降った可能性があるとして、福岡県久留米市、佐賀県鳥栖市とみやき町に「記録的短時間大雨情報」を出した。
21日午後2時10分までの24時間降水量は、鳥栖市で323ミリ、久留米市で306・5ミリにのぼった。
ともに観測史上最多を更新した。
久留米市では、18日の降り始めからの降水量が平年の7月の1カ月分を超えた。
福岡県では、久留米市と朝倉市の一部、筑前町全域の計2万2千世帯5万7千人に避難指示が出された。
久留米市では、避難しようとした女性(94)が転倒し、胸の骨が折れる重傷。
福岡県によると、4カ所で土砂崩れ、床上浸水4件、道路の冠水などの被害が38件あった。
久留米市では、冠水した道路の中に車が取り残されたり、水しぶきを上げながら走行したりした。
久留米市に隣接する同県小郡市にある「イオン小郡ショッピングセンター」は、周辺が冠水したことなどから、臨時休業を決定。同店は昨年7月の西日本豪雨で浸水し、2カ月以上休業した。
九州北部は22日正午までの24時間雨量が120〜150ミリと予想されている。
また、佐賀県唐津市の県道では、20日午後11時半ごろ、倒れた松の木に軽乗用車が衝突しているのを通行人が発見。
助手席に乗っていた近くの小学生、川崎辿皇(てんこう)さん(11)が病院に運ばれたが、胸を強く打ち死亡が確認された。
運転していた母親の飲食店従業員、明日香さん(37)は軽傷を負った。
唐津署は、風や雨で松が倒れた可能性もあるとみて調べている。
現場は、国の特別名勝「虹の松原」を走る県道。