「なかなか決められない人」と決断できる人の差
あなたが「物事を決断できない」5つの理由
2019/07/26 東洋経済オンライン
柳生 雄寛 : 実践経営コンサルタント
あなたは物事を「すぐに決められる」ほうですか?
それとも、「なかなか決められない」ほうですか?
「すぐに決められる」という方も、もしかしたら、「決めている」と思っているだけで、本当は「決めていない」かもしれないそうです。
「決められない人」と「決められる人」の違いはどこにあるのでしょうか。
柳生雄寛氏の著書『なかなか自分で決められない人のための「決める」技術』から一部抜粋し、「決められない理由」について解説します。
素早く正しい決断ができるようになれば、これまで無駄に使っていた決断までの時間が短縮され、時間をもっと有効に使うことができるようになります。
さらに、決断力を身につける過程で、あなたなりの価値観の整理もできますので、自分の価値観を再認識でき、自分の価値観に合った充実した人生を送ることもできるようになるでしょう。
ここでは、あなたが決められない理由を5つに絞ってお伝えします。
決められない人、決断できる人の差
1. 決められない人:悪いほうへ悪いほうへと考える
決断できる人:考えても仕方のないことは考えない
世の中には、あれこれと悩んだ揚げ句に、不安になってしまい、なかなか行動できない人がいます。
わかりやすい例で言うと、憧れの異性がいて、その人と付き合いたいけれど、「告白してフラれたらどうしよう?」などとネガティブなことを考えてしまって、「告白する」という行動がなかなかとれないでいる、というようなケースです。
これと同じようなことは、ビジネスシーンでもたくさんあります。
「営業に行って買ってもらえなかったらどうしよう?」
「あの人に仕事をお願いして断られたらどうしよう?」
「テレアポをしてガチャンと切られたらどうしよう?」
「新しいことを始めて失敗したらどうしよう?」……
このように「うまくいかなかったら、どうしよう?」と悩んでしまって、なかなか行動できなかった経験、皆さんにもあるのではないでしょうか。
このように悪いほうへ悪いほうへと考えてしまって行動できなくなっている人は、本当にたくさんいます。
この原因は単純です。
それは、「考えても仕方のないことを考えてしまっているだけ」ということです。
これに対して、行動できる人は、考えても仕方のないことは考えません。
「告白してフラれたらどうしよう?」
「営業に行って買ってもらえなかったらどうしよう?」
そんなふうに考えることによって成功する確率が上がるのであれば、それは意味のあることでしょう。
しかし実際問題として、「フラれたらどうしよう?」「買ってもらえなかったらどうしよう?」と考えたところで、成功確率は上がりません。
だから、そんなことは考えても意味がない、考えても仕方がないということを、行動できる人は知っているのです。
行動できる人の視点は前向きです。
「うまくいかなかったら、どうしよう?」ではなく、「どうすれば、うまくいくか?」ということに、つねにフォーカスしているのです。
ポイント:ネガティブなことを考えても、成功確率は上がらない 失敗を極端に恐れるのはNGだ
2. 決められない人:失敗を極端に恐れる
決断できる人:「人間万事塞翁が馬」と思っている
失敗を恐れて行動できない人の話をしましたが、そもそも、失敗を恐れて決断ができない人も多いようです。
皆さんもそんな経験はありませんか?
しかし、その決断が失敗につながるかどうかは誰にもわかりません。
さらに、たとえ失敗したとしても、それがかえっていい結果につながるということもあります。
「人間万事塞翁が馬」という中国の故事をご存じでしょうか。
簡単にいうと、次のような話です。
昔、中国北方の城塞の近くに占いの上手な老人が住んでいました。
あるとき、その老人が飼っていた馬が逃げ出してしまったため、近所の人たちが気の毒がると、その老人は残念がる様子もなく「このことが幸福につながらないとも限らない」と言いました。
のちに、逃げた馬は野生のすばらしい馬を連れて戻ってきました。
近所の人たちがお祝いを言いに行くと、老人は「これが災いのもとになるかもしれない」と言いました。
すると今度は、その馬に乗った老人の息子が、落馬して足の骨を折ってしまいました。
近所の人たちがお見舞いに行くと、その老人は「これが幸福のもとになるかもしれない」と言ったのです。
それから1年後、隣の国の軍隊が攻め込んできて戦争となり、近所に住んでいる息子の友達であった若者たちはほとんどが戦死してしまいました。
しかし、足の骨を折っていた老人の息子は兵役を免れたため、戦死しなくてすんだのです。
老人の馬は、福から災いへ、そしてまた災いから福へと、老人の運命に変化をもたらしたわけですが、このようなことは長い人生の中ではよくあることです。
「気になる異性に告白したらフラれてしまった。でも、そのおかげでもっとステキな相手に巡り合うことができた」
「仕事でミスをして、違う部署に異動になってしまった。でも、そのおかげで天職と出会うことができた」
といった話もよく聞きます。
つまり、人生というのは、何がどうなるかは予測できないものなのです。
そして、すでに起こった過去の事実も、考え方や捉え方ひとつで、よくも悪くも一瞬でどちらにでもなるのです。
決断ができる人はそのことを知っています。
だから、決断した後に起こる出来事に一喜一憂しません。
その出来事を受け入れ、そのたびに最善と思える決断を繰り返していくのです。
人生は決断の連続です。
しかし、先のことを完全に予測することは不可能ですから、その時点でベストと思える決断をしていくしかないのです。
また、1度決めたことは「絶対」ではありません。
状況や環境が変われば、修正する必要がありますし、変えてもいいのです。
このようなことを知っておくと、失敗を恐れずに「決める」ことができるようになるでしょう。
ポイント:失敗と思っても、それがかえってよい結果につながることもある
決められない人は欲張る
3. 決められない人:あれもこれもと欲張る
決断できる人:1つに絞り、他の選択肢は捨てる
お昼に何を食べようかと迷ってしまい、なかなか決められなかった経験はありませんか?
とくにレストラン街などに行くと、ラーメン屋、うどん屋、そば屋、寿司屋、焼肉屋、和食、中華、イタリアン、フレンチ、ファストフードなどなど、いろいろなお店がありますので迷ってしまうのも無理はありません。
じつは、この原因は選択肢(情報)が多すぎることにあります。
選択肢が多すぎると、「あれもいい、これもいい」となって、なかなか決められないケースが多いのです。
つまり、ほかの選択肢をすべて捨てきって1つに絞ることができないのです。
仕事も同じです。自分に能力があると思っている人は、能力があるからいろいろな仕事ができると思っています。
だから、1つに絞ろうとしません。
でも、考えてみてください。運動神経のいい人が、プロ野球選手とプロサッカー選手とプロバスケットボール選手になろうと思って、実際に3つともプロになれる人がいると思いますか。
昔、NBAで「バスケの神様」と呼ばれたマイケル・ジョーダン氏が野球に挑戦したことがありましたが、結局、結果は出ませんでした。
「あれもやりたい、これもやりたい」では、結果は出ないのです。
結局どれも中途半端で終わってしまうことでしょう。
何をやるかを決めかねているうちに時間だけが過ぎて、そのうち体力が衰えたり、より能力の高いライバルが出てきたりして、いざ決めたときにはチャンスを逃がしてしまっていた……ということになりかねません。
一流の選手は、最初から、何か1つに絞って集中しています。
決断できる人は、余計なことを考えず、欲張らずに、1つに絞ったら、ほかの選択肢は捨てているのです。
「決める力」は、ズバリ「捨てる力」であるといっても過言ではありません。
「決めきる」とは、「捨てきる」ことができるかですね。
ポイント:何かを決めることは、何かを捨てることである
4. 決められない人:世の中のルールを知らない
決断できる人:世の中のルールとその意味を知っている
すごく疲れているときに、目の前に上りのエスカレーターがあったとします。
もう一歩も動きたくない気分です。
皆さんはそんなとき、エスカレーターの右側と左側、どちらに乗りますか?
おそらく、多くの人は迷うことなく、じっと立っていられる列(多くの地域では左側)に乗るという決断をすることでしょう。
なぜなら、そちら側に乗れば、エスカレーターの上を歩かなくてもいいというルールを知っているからです。
じつは、世の中にはこのようなルールがたくさん存在します。
「上司と一緒にタクシーに乗るときはどの席に座るべきか」
「エレベーターではどの位置に立てばいいか」
「コース料理のフォークとナイフはどれから使えばいいか」などなど、知っていれば迷わなくてすむことがたくさんあるわけです。
自分の判断基準が確立していないと迷う
したがって、こうした世の中のルールをたくさん知っている人は、すぐに正しい決断ができます。
同様に、自分なりのルールや判断基準が確立している人も、迷わずに素早く決断できます。
逆にいうと、世の中のルールを知らない人や、自分なりの判断基準が確立していない人は、なかなか決められないというわけです。
ただし、ここで注意が必要なのは、ルールというのはあくまで「情報(知識)」にすぎないということ。
つまり、それを一つひとつ覚えていたらキリがないということです。
では、どうすればいいのでしょうか。
それは、「なぜ、そうなのか?」という「考え方」を理解することです。
そのルールの意味、ルールの本質といってもいいでしょう。
例えば、「上司と一緒にタクシーに乗るときは、自分は助手席に乗る」というのは情報です。
それに対して、考え方とは「なぜ、助手席に乗るべきなのか?」、すなわち「目下の者は、行き先を指示したり、会計をしたりといった雑用をするために助手席に乗る」ということです。
表面的な情報を知っているだけでも、決めることはできます。
しかし、それだけでは応用が利かないのです。
これまで直面したことのない場面に遭遇して慌ててしまうのは、考え方を知らないから。
マニュアルに書かれていないイレギュラーなことが起こると対応できない人がいますが、これはまさに考え方を知らない人の典型例といえるでしょう。
ルールをたくさん覚えること、より多くの情報を収集することももちろん重要です。
しかし、正しい決断ができるようになるためにより重要なのは、考え方、すなわち意味や本質を理解しておくことなのです。
ポイント:ルールや情報を知るだけでなく、その背景にある考え方を理解する
5. 決められない人:目的があいまい
決断できる人:目的が明確になっている
目的が明確に決まっていないために決められない、というケースもあります。
例えば、将来、サッカー選手になりたいのか、野球選手になりたいのかによって、トレーニングの方法は全然違ってきます。だから、仮にトレーニングをしようと思ったとしても、どんなトレーニングをすればいいのかが決められないわけです。
勉強もそうですね。
将来、医者になりたいのか、弁護士になりたいのかによって、勉強すべき内容は変わってきます。
また、目的がはっきりしないから、行くべき大学も決められないわけです。
もっと身近な話でいうと、ダイエットもそうでしょう。ただ漠然と「やせたい」とか「ダイエットしなきゃ」と思っている人は、いつまでたってもダイエットをするという決断ができません。
何のためにダイエットをするのかという目的が明確になっていない人は、なかなか決断できないのです。
目的が決まらないと目標も決まらない
さらにいうと、仮にダイエットをするという決断をしたとしても、「いつまでに、何キロやせる」という目標が明確になっていなければ、どんな方法でダイエットすればいいかを決めることができません。
ちなみに、目標は目的を達成するための通過点ですので、目的が決まらなければ目標も決まらないのです。
もちろん、仕事も同じです。
テレアポの電話を1本かけるにしても、目的が漠然としていては、その場で契約を取るためのトークをすればいいのか、まずは会う約束をするためのトークをすればいいかがはっきりしません。
その際、テレアポの目的が明確になっていれば、自ずとトークの内容も決まってくるわけです。
何かを決断するうえで、目的はとても重要です。
目的が明確になっていれば、その目的に合っているかどうかでその決断の正しさを判断することができるからです。
逆に、目的が明確でない人は、照らし合わせる基準がないため、なかなか重要な決断ができないといっても過言ではないでしょう。
ポイント:目的が明確になっていれば、決断もしやすい
多くの人は「決める」と「思っている」を混同しています。
決めたと思っているだけで、実際には決めていないことが多いのです。
本当の「決める」には、行動が伴います。
「決める」と「やる」はセットなので、行動の伴わないものは、決めたとは言いません。
ただ思っているだけです。
このような「思っているだけ」を「決める」に変え、さらに決めたことを「続けて」いくことで、あなたはあなたの望む幸せと、その先にある成功を手に入れることができるのです。
そして、そのためのノウハウの根幹を成すものが、マーケティングとマネジメントなのです。
「自分の人生の経営者は自分自身」です。
自分の人生を成功へと導くための舵取りをするのは、ほかの誰でもないあなた自身なのです。
とても励まされています(*^-^*)
わたしは【考えても仕方のないことは考えない!】。。。即決タイプです。
自分だけで世の中がまわっているわけではないので、自分以外の影響でも結果は変わってしまいますもの。。。とりあえず【トライ】してみる!!
そして『やらかしちゃったぁ〜( 一一)』っと思った時は、早めに【忘れる】ようにしています。。。だから進歩がない?!(;^_^A
交流プログに載せていただき感謝です(*^-^*)わたしもリンクさせていただきました♪
これからもよろしくお願いします(@^^)/~~~
私は うつ病発症前から「もし〇〇だったら」と事前に想定するタイプでした。
実践家というより学者タイプとの評価を受けていました。
即決タイプが羨ましかったです。
また失敗を引きずるタイプで 落ち込みが長期に渡るようなタイプで心機一転が課題でした。
これからもお付き合いのほど よろしくお願いいたします。