2019年09月14日

安倍政権、農業支援の予算大幅減額の暴挙…一方で100億円超の戦闘機は大量購入

安倍政権、農業支援の予算大幅減額の暴挙…
一方で100億円超の戦闘機は大量購入
2019.09.08 ビジネスジャーナル

文=山田稔/ジャーナリスト

収穫の秋を前に、日本の農業、食料計画の先行きに不安を示すデータが相次いで発表された。
 まず、国内の食料消費が国内の食料生産でどの程度賄えているかを示す「食料自給率」の低下だ。
 農林水産省の発表データによると、2018年度の食料自給率はカロリーベース(基礎的な栄養価であるエネルギーに注目した熱量をベースとした指標)で37%と前年度から1ポイント下がり、冷夏で米が大凶作となった1993年度と並ぶ過去最低の数値となった。

供給熱量2443kcal(分母)に対し、国産供給熱量が912kcal(分子)だった。
天候不順に見舞われた北海道で小麦や大豆の生産が大きく落ち込んだことや、牛肉、乳製品の輸入増加などが指摘されている。

ちなみに、生産額ベースの自給率は66%で前年度と同じだった。
 世界各国の食料自給率(2013年=農水省試算・カロリーベース)を見ると、カナダの264%を筆頭に、オーストラリア223%、アメリカ130%、フランス127%、ドイツ95%、スペイン93%など。いずれも農業大国の実力をいかんなく発揮している。
隣国の韓国は38%(17年)で日本と同水準だ。

 日本の食料自給率は1965年度には73%と高水準だった。
71年度に58%と60%を切り、89年度には40%台に突入。
その後も横ばいや低下傾向が続き、37%にまで落ち込んでしまった。

政府は2025年度の自給率の目標を45%に設定しているが、現状では上向く兆しは見られない。

農業従事者の平均年齢66.8歳の衝撃
 食料自給率の引き上げには生産基盤の強化が不可欠だが、肝心の働き手はどうなのか。
 18年時点の農業就業人口は175万3000人。
10年の260万6000人と比べ、8年間で85万3000人、33%もの大幅減である。

農業従事者の平均年齢は10年の65.8歳から66.8歳に上がっている。
高齢化の進行と離農の現実が顕著である。
 一方、新規就農者は前年に比べわずかに増え5万5810人。

2年連続で5万人台にとどまったが07年の7万3460人、15年と16年の6万人台に比べ、減少傾向は明らかだ。
深刻なのは49歳以下の若手新規就農者数の落ち込みだ。
18年は1万9290人で前年比7.1%減、5年ぶりに2万人を割り込んでしまった。
内訳は、実家の農家に就農した「新規自営農業就農者」が9870人(2.2%減)、農業法人などに雇用された「新規雇用就農者」が7060人(11.3%減)、土地や資金を独自に調達した「新規参入者」が2360人(12.9 %減)となっている。

 有効求人倍率が1.61(18年)と上昇するなかで、さまざまな産業で人手不足感が強まり、農業以外に流れたものと見られている。
新規就農者全体で見ると65%が50歳以上である。
定年でサラリーマン人生を終えた農家出身者が実家の農業を継ぐ定年帰農者が増えているという。
 これからの日本の農業を支える柱となるべき若手の新規就農者が減っているのは、農業生産の基盤強化にとっては大きな不安材料だ。

「地方創生」の掛け声の裏側で就農支援予算は減額
 農業従事者の高齢化、農業人口減少という事態を前に、政府は農地の集積・集約化、担い手の育成・確保などを進め、一般法人の農業参入も進んだ。
家族単位で農業をする家族経営体は18年に118万5000と初めて120万を割り、過去5年で約30万の家族経営体が離農した。

一方、農業を営む法人経営体は2万2700と8年連続で増加中だ。
法人経営体が確実に増えてはいるが、大量の離農組による生産基盤弱体化をカバーして強化につなげるところまでは至っていないというのが実情のようだ。
 そんな厳しい状況が続くなか、19年度予算で新規就農者を支援する国の「農業次世代人材投資事業」の予算が減額された。

この事業は就農前の研修期間に最大150万円を2年間交付する準備型と、最長5年間同額を交付する経営開始型の2本立てで、19年度の予算は154億7000万円。18年度の175億3400万円から20億円以上も減ってしまった。
この事業は17年度までの6年間に2万7000人以上が受給し、新規就農者育成に寄与してきた。

それだけに、突然の減額に対し、事業資金の配分を受けて交付を実施する自治体や新規就農者から困惑や抗議の声が上がっているという。

 農業の生産基盤を強化し、食料自給率向上を図らなければならないときに、新規就農者支援の予算を減らす。
こんなことでは農業再生も地方活性化も絵に描いた餅にすぎなくなってしまう。

 1機100億円以上もする最新鋭ステルス戦闘機F35を大量購入する前に、政府は農業・食料政策をきちんと見直すべきではないか。
戦闘機の購入を1機減らすだけで新規就農者への支援金は十分賄えてしまう。
安全保障は軍事だけではない。
農業・食料政策も切実な安全保障である。
戦闘機に巨額の税金を使うよりも、次世代の農業者支援にその一部を回すほうが、はるかにメリットがあると思うのだが。 (文=山田稔/ジャーナリスト)

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posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☀| Comment(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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