2019年12月07日

安倍政権の逃げ切りを許せば、日本の民主主義の未来はない

安倍政権の逃げ切りを許せば、日本の民主主義の未来はない
2019/12/06 日刊ゲンダイ
孫崎享外交評論家

 森友問題では、安倍首相が籠池理事長と昵懇であるという前提で、国有財産がほぼ実質ゼロ円で森友学園に売却された。
安倍首相夫人の関与は明白なのに、安倍首相は逃げ切った。

 加計問題では、安倍首相の意向ということで、獣医学部の新設が認められた疑惑が浮上。
しかし、安倍首相はこれも逃げ切った。
 そして今回の「桜を見る会」問題である。

次々に新たな疑惑が出ているにもかかわらず、「また逃げ切りか」との臆測が流れ始めた。
彼らの論理は次の通りだ。

@政府・与党は12月9日までの今国会の会期を延長しない、
A国会での審議が行われなければ、マスコミはほとんど報道しない、
B来年になれば「桜を見る会」問題は過去の問題となる、
C安倍政権の支持率低下は数%で収まり、結局、逃げ切る――である。

 考えてみると「桜を見る会」における安倍首相の犯罪性、政治的責任は森友問題や加計問題よりはるかに深刻だ。

 国会は、国権の最高機関である。
ここが腐敗したら、国全体が腐敗する。
その腐敗を起こさないため、議員の選出に関する法律とその運用はこれまで厳しかった。
公職選挙法第199条の2第1項は「公職の候補者は、当該選挙区内にある者に対し、いかなる名義をもってするを問わず、寄付をしてはならない」と規定している。

 最近では、菅原一秀経産大臣が地元有権者にカニやメロンを配ったり、香典を渡したりしていた証拠を突きつけられ辞任に追い込まれた。

 安倍首相は1回当たり、800人以上の地元の選挙民を「桜を見る会」に招待した。
飲食費は1人当たり千数百円に相当するとされているので、100万円以上の「供応」を税金で行ったことになる。
「桜を見る会」の前夜祭は、ホテルニューオータニの最高のレセプションホール「鶴の間」で開かれていた。

安倍首相は「安倍事務所が1人当たり5000円を受け取り、そのままホテルに渡した」と説明している。
しかし、ホテルニューオータニのパーティープランは「料金(1人):立食プラン1万1000円〜」とある。
従って、少なくとも、何らかのかたちでこの補填がなされているとみるのが当然だ。
これも公選法違反や政治資金規正法違反の疑いが出てくる。

 複数の違法性が指摘されているにもかかわらず、このまま国民が見逃すようであれば、この国の民主主義に未来はない。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☁ | Comment(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]