2019年12月12日

153カ国1万1000人の科学者が「気候変動のヤバさ」を連名警告

153カ国1万1000人の科学者が「気候変動のヤバさ」を連名警告
2019.12.10 TOCANA  文=仲田しんじ

 残された時間は刻々と減るばかりで――。
153カ国1万1000人以上の科学者が名を連ねて「深刻化する気候変動への取り組みを今すぐ始めなければならない」と宣言している。
そこには、喫緊に着手しなければならない6つの対策があるという。

■待ったなしの気候変動への取り組み
 気候変動の影響について世の中に警告を発することは、今や科学界の「道徳的義務」であることが、先ごろ「BioScience」で発表された研究論文で力説されている。
環境問題への取り組みには、もはや一刻の猶予も許されないのだ

 研究論文の共著者で米オレゴン州立大学の名誉教授であるウィリアム・リップル氏は、「気候変動はかなり深刻で、科学者の予想よりも速く加速するため、私たちは共同で気候緊急事態を宣言しました」と米オンラインメディア「Vice」に話している。
「それは自然の生態系と人類の運命を脅かしています。
私たちの多くは、対策を講じるための時間すらなくなっていると感じています」(リップル氏)

 世界科学者同盟(Alliance of World Scientists)の科学者1万1333名が賛同の署名をした同研究では、太陽光や風力など再生可能エネルギー源の普及をはじめとする環境問題へのいくつかの長期的な取り組みが、必ずやポジティブな改善につながることを指摘している
気候変動への対策はまだ間に合うというのだ。

 しかし、現在のままでは進捗は遅すぎて「語られていない問題」を防げる確率は低いという。
たとえば、アマゾン熱帯雨林での森林面積の縮小には歯止めがかかっていない。
 この緊急事態に適切に取り組むために研究チームは、再生可能エネルギーの使用、短寿命気候汚染物質の削減、自然保護、植物由来の食事の促進、搾取的な経済システムの否定、 持続可能な世界人口の維持と以上6つのソリューションを掲げている
「断片的な解決策ではなく、社会が健全に機能し、自然と相互作用する方法に本質的な変化をもたらすことができる6つの解決策を提案します。
これらはそれぞれが相互に関係し合うものでもあります。
社会、環境、および気候の問題は体系的であり、互いに依存しているので、全体的な解決策が必要なのです」(リップル氏)

■同時に進められる6つのソリューション  
では必要とされているこの6つの取り組みとは具体的にどのようなものなのか。

●再生可能エネルギーの使用
 化石燃料の排出が気候変動の主因であることを考えると、温室効果ガスを排出するエネルギー源から低炭素エネルギー技術へと迅速に切り替える必要があると研究チームは言及している。

●短寿命気候汚染物質の削減
 長いもので数十年間は大気中にとどまる化合物である「短寿命気候汚染物質(short-lived climate pollutants)」の放出を止める集中的な努力も、気候変動の改善に大きな影響を及ぼす可能性がある。
たとえば、メタン、ブラックカーボン、およびハイドロフルオロカーボンの放出を今後数十年で半分に削減することで、短期的な温暖化の進行に歯止めをかけられる可能性があるという。

●自然保護
 健全な野生の生態系は気候の安定化に役立つため、自然環境と豊かな生物多様性を維持することは今後必要不可欠である。海洋および陸生の生息地の両方で栄養素を循環させ、大気中の炭素を封印し、絶滅の危機にある生態系の回復に取り組みながら、同時に既存の生息地を維持するためにすべき2つの努力を研究チームは提案している。

●植物由来の食事の促進
 食肉産業は温室効果ガス排出の最大の原因の1つであるため、研究チームはより多くの人々が植物由来メインの食生活に切り替えるとともに、食品廃棄物を削減する努力を行わなければならないと力説している。

●搾取的な経済システムの否定
 生態系および環境へのダメージを考慮して経済システムを再構築するという目標は、ほかのすべてのソリューションのバックボーンになっている。
「我々は、人間の健康と環境の保全に対する開発と資源抽出の実際の影響を説明する新たな経済学を必要としています」とリップル氏は語る。

●持続可能な世界人口の維持
 最後のソリューションは、人間の幸福のために世界的な人口増加を安定させることである。
研究チームは世界人口の安定のためには女性の生殖の自由を保証した上で、女性へのジェンダー教育の拡大を達成すべきとしている。

■大量生産&大量消費社会の抜本的見直し
 これらのソリューションはすべて、これまでの消費社会を前提にした我々のライフスタイルの大きな変更を必要としている。
エネルギーを浪費し、モノを作り続け、絶えず移動と流通を必要とするこれまでの我々の生き方の全面的な見直しが求められているのだ

「幸いなことに、このような変革的な変化は、すべての人々に社会的および経済的正義をもたらし、通常のビジネスよりもはるかに大きな人間の幸福を約束するものになります。
意思決定者とすべての人類がこの緊急事態の警告と宣言に迅速に対応し、私たちの唯一の故郷である地球で生命を維持するために行動すれば、改善の見込みは最大になると信じています」(研究論文より)

 大量生産、大量消費で回っている今日の我々の社会とライフスタイル、生き方に“待ったなし”の変更が求められているようだ。
参考:「Vice」、ほか
posted by 小だぬき at 00:00| 神奈川 ☁| Comment(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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