「人は見た目」の真実、残念な印象は服装や振る舞いで克服できる
『印象はしゃべらなくても操作できる』木暮桂子著
2019.12.16 ダイヤモンドオンライン
レビュー
ビジネスシーンにおいて、多くの人はコミュニケーション能力を重要視している。
自分の伝えたいことが正しく伝わるようにと、話し方やプレゼンのレッスンを受ける人も多い。
だが実は、話す前から、人は見た目の印象で判断されているのだと著者はいう。
コミュニケーションの中には、言葉を使った言語的なコミュニケーションの他にもうひとつ、しぐさや姿勢、表情、装いなど、主に見た目の印象のことを指す「非言語コミュニケーション」が存在する。
「人を見た目で判断してはならない」と考える人は多いが、その人を信頼できるか、ビジネスパーソンとして仕事ができそうかどうかを、誰もが見た目の第一印象で判断しているという。
そしてその印象を覆すには、多大な労力が必要になる。
せっかく言語的なコミュニケーションを磨いても、話をする前からマイナスの印象を相手に与えてしまっては、チャンスを手放すことになってしまう。
本書『印象はしゃべらなくても操作できる』は、日本ではまだあまり注目されていない「非言語コミュニケーション」に焦点を当て、しぐさや装い、表情、声など、項目ごとに具体的な改善策とトレーニング方法を紹介している。
著者は、ビジネスアピアランスコンサルタントとして数万人の「外見」を激変させてきたというから、信頼性は抜群だ。
本書の内容を実践すれば、たちまち周囲に与える印象が変わるはずだ。そして、信頼されるビジネスパーソンとして、成果を出すことができるだろう。(池田明季哉)
本書の要点
(1)第一印象が及ぼす影響は大きい。その印象の大半は、見た目やしぐさ、振る舞いなどといった非言語コミュニケーションがもたらしている。
(2)表情は、相手がどのような人であり、どんな状況にあるのか、どう思っているのかを判断する材料になる。
表情をコントロールし、相手に誤解を与えないようにしたい。
(3)非言語コミュニケーションは、究極的には相手への気遣いだといえる。
そしてそれは、仕事にもしっかり気を配れる人だというメッセージにもなりえる。
要約本文
◆あなたの印象は、驚くほど見た目に左右されている
◇印象は非言語コミュニケーションで決まる
誰もが、人を見た目で判断している。
特に第一印象が及ぼす影響は大きい。
最初の印象が悪いと、それを覆すのには多大な労力を要することになる。
人の印象は、言語的なコミュニケーションと、見た目やしぐさ、振る舞いなどといった非言語的なコミュニケーションによってつくられる。
その割合は、言語的なコミュニケーションが35%、非言語的なコミュニケーションが65%だ。
つまり、非言語コミュニケーションの方が圧倒的に重要なのだ。
◇外見よりも中身が大切?
よれたスーツや変色している靴、背中を丸めた自信のなさそうな姿勢、機嫌が悪そうな眉間のシワなど、ビジネスパーソンの中には、見た目で損をしている人が多くいる。
彼らは、「仕事で必要なのは外見ではなく中身」と考えているようだ。
だが、よれたスーツを着ている人と、パリッとスーツを着こなしている人であれば、後者の方が圧倒的に優秀そうに見えるだろう。
どんなに中身が優れていても、第一印象がネガティブなものだと、その実績を見てもらう機会さえ得られないかもしれない。
「見た目」といっても、気を配るべきは装いだけではない。
振る舞いやしぐさ、表情、声、場所や時間の設定など、さまざまな要素が影響し合って人の印象を形成している。
それらすべてを引っくるめて「非言語コミュニケーション」と呼ぶのだ。
◆知らない間につくっている「残念な印象」
◇ネガティブな印象を与える立ち方・歩き方
知らず知らずのうちに、自分が思ってもいないような印象を与えてしまうことがある。
例えば、立ち方だ。
自分ではまっすぐ立っているつもりでも、首が前に出てしまっていることがある。
そうした立ち姿は、貧相で自信がなさそうな、不健康そうな印象を与えてしまう。
歩き方も重要だ。
歩く速度が遅い、歩幅が狭い、目線を下に向けているなど、適切でない歩き方は、自信がなさそう、不機嫌そう、消極的などといった印象を与える。
歩き方を意識すべきは、プレゼンなどの特別なシチュエーションに限らない。
ダラダラとした歩き方は、知らず知らずのうちに周囲の人に悪い印象を刷り込んでしまうからだ。
◇面接のときに見られている意外なポイント
印象がものを言う場として、企業の採用面接が挙げられる。
面接で特に重要なのは、「椅子に座るまでの10秒間」だ。
この10秒間で採否が決まるといってもいい。
つい自己アピールに一生懸命になりがちだが、本当に見られているのは、身なりや姿勢、歩き方、表情、振る舞いなどといった非言語コミュニケーションである。
場合によっては、人事などの面接のプロではなく、現場の担当者が面接官を務めることもある。
彼らは、より「印象」を重要視するだろう。
つまり、自分の部下として迎え入れたい人に見えるかどうかだ。
また、面接の場だけでなく、企業の受付での態度も重要だ。
受付担当に失礼な態度を取る人がいたら、そちらが本性だと認識されるのは当然のことではないだろうか。
◇外見の変化がチャンスをくれる
心の持ちようは顔に表れるといわれるが、逆に表情が気持ちを左右することもある。
嫌なことがあったとき、無理矢理にでも笑ってみると、気持ちが晴れるかもしれない。
それと同様に、すぐに幸せになったり自信を持ったりするのは難しくても、まずは行動や見た目を変えてみるといい。
行動や見た目は人から見えやすい部分であるため、変化が一目で伝わる。
周りからの見る目が変わったことを実感できると、その実感が自分を変え、自信がつくだろう。
内面とは違い、外見の変化は周りに伝わりやすい。
外見が変わると、自分を正しく理解してもらえたり、あらゆる方面から声がかかったりといったチャンスにも恵まれるだろう。
必読ポイント!
◆「ふるまい」で印象を操作する
◇常に表情を意識する
表情は、相手がどのような人であり、どんな状況にあるのか、どう思っているのかを判断する材料になる。
裏を返せば、表情をコントロールしなければ、本意でない印象を与えてしまい、誤解されてしまうかもしれないということだ。
とはいえ、日常的にどんな表情をしているのか、どんなクセがあるのかを自分で知るのは難しい。
著者が勧めるのは、仕事場のデスクに小さな鏡を置いておくことだ。
そうすれば、意識的に鏡を見たときとは違う、自分の無意識の表情を知れる。
その上で表情を修正していけばいい。
親しい人に、自分の表情やクセでおかしなところはないか、思いきって尋ねてみるのも効果的だ。
◇声のトーンとスピードを使い分ける
非言語コミュニケーションにおいては、姿勢やしぐさ、表情と並んで、「声」も重要な要素である。
声の印象を決定する要素としては、「トーン(高さ)」「スピード」「滑舌」「声量」の4つがある。
これらを場面によって適切に使い分けることで、声が与える印象を変えることができる。
声の雰囲気は、「トーン」を縦軸に、「スピード」を横軸にして、4つの型に分けられる。
ハイトーンでゆっくり話す「理解優先型」、
ハイトーンで速めに話す「情熱型」、
ロートーンでゆっくり話す「誠実型」、
そしてロートーンで速めに話す「スキル型」である。
まず重要なのは、自分の普段のしゃべり方はどの型にあたるのかを理解しておくことだ。
そのうえで、場面に応じてトーンとスピードを調整して、印象を変えていけばいい。
「しつらえ」で印象を操作する
◇パーソナルスペースを尊重する
著者が本書でいう「しつらえ」とは、「場」と「時」の要素だ。
「場」は距離感、座る位置、会議の場や会食の店の選び方のこと。
「時」は、訪問やメール、電話などのタイミング、時間の使い方などを指す。
「場」で印象を操作する方法の一つとして、心理的負担をかけない「距離感」がある。
人間には「パーソナルスペース」があり、それを越えて近づいてくる人がいると、不安感を抱いたり、落ち着かない気分になったりする。
パーソナルスペースは人や状況によって異なるが、日本のビジネスシーンでは、腕を伸ばして相手に触れることのできる距離は近すぎると考えていいだろう。
距離感は目に見えないものだが、意外なほどに大きな影響力を持つ。
距離感の取り方は、コミュニケーションにおいて重要なポイントだ。
◇行動は早め、早めを意識する
メールを返信するスピード一つとっても、その人の時間の使い方がわかる。
すぐに詳細な内容が返せないのであれば、ひとまず受け取った旨だけでも返信するように心がけよう。
アポイントも同じだ。
10時からのアポイントがあるとしよう。
夏のアポイントなら、ぎりぎりに受付に着いた場合、10時になってもまだ汗が止まらないかもしれない。
そんな場合、落ち着いてコミュニケーションを取るのは難しいだろう。
相手に「どうぞ、ごゆっくりしてから」などと言わせてしまいかねないし、清潔感に欠け、とても好印象を与えることはできない。
こんなことにならないためにも、アポイントの前、せめて15分前には近くに到着していたいものだ。
そうすれば、落ち着いて準備する時間もできる。
◆「よそおい」で印象を操作する
◇清潔感を保つ
「装い」では、清潔感が何よりも大事だ。
ネクタイにあるシミ一つでも「清潔感のない人」というレッテルを貼られてしまう可能性がある。
それを肝に銘じ、チェックを欠かさず、必要に応じて洗濯やクリーニングをすることが大切だ。
シミや汚れのほかに、「八元」は清潔感を大きく左右するといわれる。
これは、「目元」「口元」「耳元」「襟元」「胸元」「手元」「膝元」「足元」の8つの「元」のことだ。
これらのうち一つでも欠けていたら、清潔感は一気にダウンしてしまう。
その結果、信頼を損なうかもしれない。
八元は常に意識し、清潔に保つことが大切だ。
◇においに気を配る
五感の中で脳の最も原始的な部分に訴えかけるのは「嗅覚」だといわれている。
また、記憶に最も長く残るのもにおいである。
つまり、においで相手から悪い印象を持たれてしまったら、致命的だ。
きちんと気を配っておかないと、無意識のうちに最悪の印象をもたらしてしまうことになりかねない。
ただ、自分のにおいは自分では気付きにくいものである。
だからこそ親しい間柄の人にきちんと確認するべきだ。
清潔感を常に意識し、シャツは毎日替えること。
タバコのにおいにも気を付けたい。
◆「人への気遣い」はすべての基本
◇爽やかに挨拶する
自分の印象は見た目を整えることで操作できるが、その基本には相手への気遣いがある。
見た目を整えて自分の印象を操作することは、実は相手への礼儀であり、気遣いなのだ。
そして、見た目に気を遣えるということは、仕事にもしっかり気を配れる人だというメッセージにもなりえる。
人への気遣いの基本といえば、「挨拶」である。
挨拶一つで印象が大きく変わるのは、多くの人が実感しているところだろう。
だからこそ、爽やかにきちんと、素敵な笑顔で挨拶をしよう。
立場がどうあれ、自分から挨拶すれば、確実に好印象を与えることができる。
また、挨拶をするときは、相手の名前を呼ぶように心がけたい。
肩書きだけでなく、できるだけ早く名前を覚え、名前で呼びかける。
一度目の名刺交換でしっかり名前を頭に入れ、次に会うときには名前で呼ぶようにしよう。
これも相手への気遣いである。
一読のすすめ
本書では、図やイラスト、シンガポール航空のCAとして活躍した著者の経験談などを用いながら、相手に好印象を与える非言語コミュニケーションのコツがわかりやすく提示される。
本書を一読し、実践に移すことによって、ビジネスシーンにおける印象をより良いものにすることができるだろう。
評点(5点満点) 総合3.5点(革新性3.0点、明瞭性3.5点、応用性4.0点)
著者情報
木暮桂子(きぐれ けいこ)
ビジネスアピアランスコンサルタント/株式会社ディグニータ代表取締役
大学卒業後、シンガポール航空に入社し、キャビン・アテンダントとしてシンガポールに駐在。
在職中にhigh achiever of compliments(年間を通じてお客様からの感謝状が多かったクルーに対して授与)のトップ10として表彰される。
その後帰国し、株式会社グロービスの創業期から現在のグロービス・マネジメント・スクール、グロービス経営大学院の立ち上げに関わり、東京校のスチューデント・オフィスの責任者として戦略立案、マーケティング、営業全般に広く携わる。
また法人向け研修としてビジネスアピアランス・スキルトレーニングプログラムを開発、自ら講師を務める。
現在はディグニータにて多くの経営者、政治家、コンサルタント等をクライアントに持ち、パーソナルプランディングやスピーチトレーニング、非言語コミュニケーションのコンサルティングを行う。
これまでにのべ数万人以上の「ビジネスアピアランス強化」を実施。
「見た目」を整えることで「印象が大きく変わった」「評価されることが増えた」という声が多数寄せられている。
著書に『ビジネスという勝負の場は一瞬、しかも服で決まる』(ダイヤモンド社)がある。
(1冊10分で読める要約サービス flier)
12/17 ・ 本日の応援 ポチ♪ d(^^*) 完了です^^
ギャラクシー A20は、性能と価格をかなり抑えたスタンダードモデルスマホですね。
現在、2万円という激安価格で発売されるスマホだけに・・
処理能力やカメラ性能などは、全く期待しない方が良いかもしれません・・
ギャラクシー s10は、10万はしましたから・・
料理写真もスマホで撮っていますが・・
ブログに載せてる写真には全て加工をしているので
実際の写真より、綺麗さは欠けてると思います^^;
ガラケーよりはいい程度です。
1ヶ月使ってみて 電池消耗が気になります。
ドコモで「ラクラクホーン」並みの操作性と安さ・電池消耗という要望を言って選んで貰いました。
s10には 性能的には数段落ちるのを 腕でカバー(苦笑)していきたいです。
近年、毎年のように入院・手術しているので 入院時でもブログアップが可能だというのが救いです。
通信やメール、ネットでの電池消耗を限界まで試しているのですが 3時間弱で限りなくゼロに近づいてしまいます。
工事費・各種オプションで3万5千円ですから この機種を使いこなして上級機に70歳までに機種変できるように頑張ります。
ボケ防止には いい玩具ですよ。