2019年12月27日

年始に立てた「今年こそ…」という目標がすぐ挫折する心理的理由

年始に立てた「今年こそ…」という目標がすぐ挫折する心理的理由
2019.12.26 ダイヤモンドオンライン
片桐あい
カスタマーズ・ファースト株式会社代表取締役・代表講師、
産業カウンセラー

毎年、年始に「今年はこれをやる!」と目標を掲げ、仕事始めには見事にそれが習慣化されずに、「チャレンジが終わってしまった…」という方は少なくないでしょう。
でも、うまくいかないのには、うまくいかないなりの理由があったのです。
「今年こそは!」と思っている方に、ぜひお勧めしたいことをお伝えします。

「失敗は成功への道のりの 一部でしかない!」と考える
 今年の年末年始休暇は9連休の方もいるかと思います。
毎年、年始には「今年こそは!」と、気合を入れて1年の目標を立て、そして、休み明けにはチャレンジが終わってしまうという、新年早々ガッカリした気持ちから仕事が始まる人も多いのではないでしょうか?

 目標を達成するためには、ある程度の苦痛が伴うと思う方もいるでしょうが、結局はこの「苦痛が伴うことは継続が難しい」のです。
 例えばダイエットをしようと思ったとき。「炭水化物を抜く」と決めて我慢をしても、結局はどこかで反動が出て牛丼をお腹いっぱい食べてしまい、自己嫌悪と後悔を感じたとします。
 そうなると、「あー、今回もうまくいかなかった。ダメな人間だ。やっぱり今回も続かない」と、チャレンジが終わってしまう人も多いことでしょう。

 このときが一番大切なのですが、うまくいかない人はこのときに「『またダメだった』という負の感情でチャレンジが終わってしまうという失敗を体験」したことになります。
そして、失敗したことが、その人にとってのすべてになってしまいます。

 ところが、その経験は失敗ではなく、「成功への道のりの一部でしかない!」と思うだけで、新たな勇気が湧いてくるのです。
 ダイエットの最中に牛丼を食べたら、その経験に「失敗」というレッテルを貼って「できないシナリオの自分を演じる」のか、もしくは「成功の材料」というレッテルを貼って、この失敗も成功へのストーリーの一部だと思い、「うまくいくシナリオの自分を演じる」のか、どちらか一つに決めるだけです。

 考え方の違いですが、後者は、「失敗した!」と思った後にも、すぐさま前向きな行動が取れるのです。
 失敗は終わりではなく、成功への一部。むしろ、成功までのストーリーを面白くするためのエピソードだと思えば、罪悪感もなければ落ち込むこともなく、次のアクションに気持ちよく移れます。
 感覚的にはRPGのゲームのように、やられてもライフが回復して、また続けてチャレンジができるようなイメージです。

「できなくても、途中続かなくても、気持ちをリセットして前に進める人」が、結果的には目標達成まで走り続けることができるのです。

目標達成のためのアクションを 仕事納めの前から始める
 年始に立てた目標が瞬時に崩れるのは、年明けの「通常モード」の生活に戻った時が多いのではないでしょうか?
「休み中は頑張ったんだけどね。会社が始まると同時にチャレンジしていたことも忘れてしまった」という方もいらっしゃいます。

なぜ、年始にセットした目標が、仕事始めで崩れるのでしょうか?
 それは、目標が「長期休みの間に立てた」ものであるため、休み明けの「忙しい状態」で継続することが難しいからなのです。
 仕事始めは、職場や顧客への年始のごあいさつや、たまっていた仕事に追いつくだけで大変です。
そんな中、まだ定着していない新しい習慣である「今年の目標達成に向かうためのアクション」が入る余地があるでしょうか?
 休みの日にはできていたことも、仕事モードに入った瞬間、気が付くと忘れ去られていることが多いわけです。

 では、どうしたらよいのでしょうか?
 それは、「年始の目標達成のためのアクションを、仕事納めの前から始める」ことです。
そして、目標達成するための「最初の一歩」は、なるべく小さくしておくとよいでしょう。

 人の機能として備わっている「ホメオスタシス」(恒常性維持機能)というものは、急な変化に対して揺り戻しをしようと働きます。
ダイエットが進むにつれて停滞期に入るのも、このホメオスタシスが関係しているといわれています。
 そのために、ホメオスタシスに気付かれないように、少しずつ変えていくようなイメージで、目標を達成するための一歩を踏んでいけるように計画を立てられれば、必ずうまくいきます。

 これもRPGゲームでいうと、ボスキャラを倒すためには、ちょっとずつ進みながら弱い敵を倒していきますよね。
そんなイメージで楽しみながら進めていくことがコツです。

よりよい目標を立てるための 「SMARTの法則」
 一般的によりよい目標を立てるためは「SMRATの法則」というものがあります。
これは、多くのビジネスパーソンはご存じかと思いますが、
なかでも一番大切なのは “Attractive”(魅力的なものであること)です。

では、誰にとって魅力的であることが大切なのでしょうか?
まず、「自分」です。
目標を達成して達成感を感じるのも、その過程で経験するさまざまなことも自身の資産です。
 しかし、目標達成でうまくいかないときに支えてくれるのが周囲の人です。
ですから、その「目標達成に協力してくれる人にとっても魅力的であることが非常に大切」なのです。

 自分の目標達成をするうえで、支えてくれる周囲の人は誰でしょうか?
 例えば家族や職場の人、仕事仲間やお客様かもしれません。
その人にとって、「目標達成ができれば、どんな魅力的な世界が待っているのか」を一緒にイメージしてもらいます。
 そこに共通のゴールが見つかれば、その人はあなたの目標達成のための応援団になり、コーチになり、ペースメーカーになってくれます。
そして、運命共同体として一緒に頑張ってくれる可能性があります。

 この目標達成をするうえで協力者にとっても魅力的な目標であれば、あなた一人の都合や意思で目標達成を諦めることはできなくなります。
そして、目標達成ができたあかつきには、達成を分かち合い、信頼関係はより強固なものになることでしょう。
 まずは「何を達成したいのか」という目標を決めて、それを達成するために協力してくれる人を探すことを今日から始めてください。

 きっと、年始には何か一つ進んでいて、さらに仕事始めには「小さな成果」が手に入っているかもしれません。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☁ | Comment(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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