2020年01月08日

悪質クレーマーには「あえて解決しない」という解決策もある

悪質クレーマーには「あえて解決しない」という解決策もある
2020.1.7 Diamondオンライン(山下由美)

『役所窓口で1日200件を解決! 指導企業1000社のすごいコンサルタントが教えている クレーム対応 最強の話しかた』の著者でクレーム対応のプロ、山下由美さんがこれまでにない画期的なクレーム対応の話しかたを初公開。
「怒鳴る」「キレる」「自分が正しいと言い張る」「理詰めで責める」「言い分が見当違い」「多人数で取り囲む」「シニアクレーマー」などあらゆるお客さまからのクレームを、たったひと言「そうなんです」と言わせるだけで解決します。

悪質クレーマーに対する最終的な2つの選択肢とは?
 私が提唱する「超共感法」は、クレームを申し立てるお客さまの気持ちを代弁する言葉を投げかけ、お客さまから「そうなんだよ」「そうなんです」といったYES言葉を引き出し、こちらを「敵」ではなく「味方」と認識してもらうことで、スムーズに解決に導くものです。

YES言葉を引き出した時点で、お客さまの怒りはほぼ解消されます。
 一般のクレームはどんなに怒りが激しかったり、要求がエスカレートしていたりしても、その根底には「自分の困り事の解決」が目的としてあります。
そのため、超共感法により怒りを解消することで、解決に導くことができます。

 しかし、相手が悪質クレーマーの場合、そもそもの目的が「金品」や「誹謗中傷などによる自己満足」です。
何かに困っていてクレームを申し立てているわけではないため、妥協点や合意点を探しても無駄です。

基本的には、次の2つの対応しかありません。

解決策➀ 交渉を打ち切る
 解決を断念して、交渉を打ち切ります。
以下を参考に、はっきりと告げてください。

「お話は承りました。残念ながら、当方ではご要望にお答えできません。
これでお話し合いを打ち切らせていただきます」
「当方でできる対応はさせていただきました。
これ以上のご要望にはお応えできません。
今後、お客さまの行動により、当方に損害が出た場合には法的処置を取らせていただきます」  

また、担当スタッフを「クビにしろ」などと、本来、社外の人間が立ち入るべきでない領域に踏み込んだ要求をされた場合も、「私どもの会社では、人事は社内の規則に基づいて行なうよう決められております」と毅然とした態度で断ります。

解決策A そのまま放置する  
「放っておいたら連絡が来なくなった」というケースは珍しくありません。
悪質クレーマーからしてみれば、あきらめて、ほかのクレームに力を注いだほうが効率的なのでしょう。

 解決策@の「交渉を打ち切る」との違いは、要望に応えられないことだけを伝える点です。
短時間で話を終わらせ、後は放っておきます。
また連絡があれば、同じ対応を続けます。

 それでもなお理不尽な要求が続くときは、法務部や弁護士など法律に詳しいプロの手にゆだねます。
もちろん、明らかな脅迫や暴行を受けたときは、迷わず警察に通報します。

 以上のように、悪質クレーマーには現場の担当者だけでは、対抗し切れないことが少なくありません。
相手の言いなりになって問題をこじらせることのないよう、さまざまなシーンを想定してルールやフレームをつくっておき、例外をつくらずに対応することが大切です。

 逆に悪質クレーマーに対して絶対に行なってはならないのは、前例を作ってしまうことです。
2014年9月東京都足立区の飲食店で、執拗にクレームを受け、自腹でお金を渡していた店長が対応に悩み、相手を刺し殺す事件がありました。
悪質クレーマーの正体は普通の会社員だったと報道されています。

解決しようとしてお金を渡したことで、余計に深みにはまってしまったのでしょう。
 悪質クレーマーが登場したら、一人で抱え込まず、早めに上司や法律の専門家に相談するようにしましょう。

お互いを敵とせず、Win-Winの関係を築く
 ここ数年を見ても、クレームをつける人のタイプやその内容、場面が大きく変わってきています。
今では普通の主婦や高齢者が悪質クレーマーになったり、今後は外国人観光客などによるクレームも増加していくことでしょう。

 私はお客さまを「神さま」だとは思っていません。
「人間」として尊重しています。
人間ですからいろいろな人がいます。
そのため、クレームの対応も、相手や時代に合ったものでなければなりません。
従来のようにお客さまを「神さま」として奉り、じっと話を傾聴して正しい説明をする方法では、解決しないクレームが増えているのです。

 一方で、ミスや誤解があったり、見解に違いがあっても、お互いを敵とせず、Win-Winの関係を築くのが、本来のクレーム対応の姿であることに変わりはありません。

前述のとおり、一部の悪質クレーマーを除けば、クレームを申し立てるお客さまは実際に困り事を抱えています。
その事をこちらにわかってもらい、解決してもらいたいだけなのです。
決して怒りをぶつけたり、正しい説明を聞きたいわけではないのです。

 冒頭で触れた超共感法によるクレーム対応が、一般のあらゆるクレームに効果を発揮する理由はここにあります。
クレーム対応の初動として、お客さまの気持ちを代弁して、YES言葉を引き出すことの重要性を胸に刻んでください。

 そして、悪質クレーマーに対してはためらわずに見切りをつけ、交渉を打ち切るか、放置しましょう
金品等を目的とした相手に、クレーム対応者が胃を痛める必要などないのです。

『役所窓口で1日200件を解決! 指導企業1000社のすごいコンサルタントが教えている クレーム対応 最強の話しかた』の著者である山下由美さんが独自に編み出したクレーム対応法「超共感法」に、今、熱い視線が注がれています。

続々と新型クレームが登場するなか、従来のマニュアルでは対処しきれなくなっているからです。

『役所窓口で1日200件を解決! 指導企業1000社のすごいコンサルタントが教えている クレーム対応 最強の話しかた』 山下由美 著 定価:本体1,400円+税 発行年月:2019年07月 判型/造本:46並 頁数:224 ISBN:9784478029039

現在、クレーム・コンサルタントとして活躍中の山下さんは、ご自身が何千件、何万件ものクレームを処理してきた実績を持ちます。
地方公務員として30年間勤務。福祉部、税務部などで、多いときには電話も含め、1日200件のクレームに対応する傍ら、プレイバックシアター(即興演劇)、心理学、コーチングなどを学び、それらの手法を活かした独自のクレーム対応法を確立しました。
クレームに来た人を笑顔にし、実際、クレーム来訪者によるファンクラブまでできた伝説的存在です。

2005年、役所を早期退職後、クレーム・コンサルタントとして、指導した企業は約1,000社。
地元の北海道から口コミで広がり始め、今やその世界では、名前を知らない人のいないクレーム・コンサルタントの第一人者です。

著者が編み出したクレーム対応法は、「怒鳴られたら怒鳴り返す」「正しい説明はしない」「傾聴するな!」など、従来のマニュアルなどに記載されている常識をことごとく覆すものです。

お客さまにたったひと言「そうなんです」と言わせるだけで、相手の怒りを嘘のように消し去り、クレームを解決するという画期的な手法となっています。
覚えることはたった一つですから、誰でもすぐ実践できます。
しかも、お客さまのタイプやクレームの種類を選ばないため、一般的なマニュアルでフォローしきれないような新型クレームも難なく解決に導きます。
著書『役所窓口で1日200件を解決! 指導企業1000社のすごいコンサルタントが教えている クレーム対応 最強の話しかた』では、そうした先生の手法を余すところなく紹介。
さらに金品目的などの悪質クレーマー対策も万全の内容となっています。
クレーム対応担当者、またクレーム対策に苦労の絶えない企業にとって、必読の一冊です!
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☁ | Comment(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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