それでもバカとは戦え
社会の敵を設定、大阪のパチンコ公表は全体主義の典型手法
2020/05/02 日刊ゲンダイ
適菜収 作家
大阪府知事の吉村洋文が改正新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づき、休業要請に応じないパチンコ店6店の店舗名を公表した(4月24日)。
興味深かったのは、これに対する反応だ。
ツイッター上には「吉村頑張れ」「店名だけでなく、会社名、オーナー名も公表してください」といった言葉が並んでいた。
たしかに今のような状況で店を開くパチンコ店もそこに通う客も褒められたものではない。
現在異常ともいえる維新礼賛報道が続いているが、ボロボロの安倍政権に見切りをつけた売国壊国勢力は今度は維新を担ぐ可能性がある。
先日は〈これが対コロナ最強布陣「橋下総理、小池長官、吉村厚生相」〉なるアドバルーン記事まで登場した。
国民は冷静になったほうがいい。
吉村は「パチンコの依存症問題に正面から取り組むべき」などと言っていたが、維新の会が進めるカジノ誘致によりギャンブル依存症は確実に増加する。
大阪維新の会法律顧問の橋下徹は大阪について「こんな猥雑な街、いやらしい街はない。
ここにカジノを持ってきてどんどんバクチ打ちを集めたらいい」(2009年10月)、「小さい頃からギャンブルをしっかり積み重ね、全国民を勝負師にするためにも、カジノ法案を通してください」(10年10月)などと発言していたが、これが連中の正体だ。
コロナ対策の一律給付金10万円について、橋下は公務員や生活保護受給権者は受け取るなと言い出した。
維新の会お得意の「公務員を叩いて社会に蔓延するルサンチマンを回収する手法」だが、こういう連中に拍手喝采を送っていると最後には国民に牙を向ける。
歴史を振り返れば明らかだ。
しかし彼らに対する素朴な怒りを利用することで勢力を伸ばそうとする集団には注意したほうがいい。
現在、新型コロナ騒動で人々の不安や不満はたまりにたまっている。
連中にとっては最大のチャンスだ。
世論に火をつけるにはスケープゴートが必要になる。
今回ならパチンコ屋だ。
断っておくがパチンコ屋を擁護するつもりはない。
これが全体主義の典型的な手法であることを指摘したいだけだ。
「社会の共通の敵」を設定し、さらしあげ、密告と私的制裁を奨励する。
毛沢東の紅衛兵、ナチスのゲシュタポ、スターリンやポル・ポトがやったことも同じだ。
三密回避を名目に 自粛要請に従わなかったからという理由だけで 名前の公表はおかしいということです。
法違反でもなく強制力ある命令でもなく、自発的なはずの自粛要請に対する対応としては 適切かという問題です。
私も納得できないのは 感染防止のために自ら協力して行動を自粛するのを促すのが 自粛要請のはずです。
パチンコに行った、スーパーに行った、繁華街にでたことなどを持って さも犯罪的行為とみなすような雰囲気は異常だと思うのです。
人出が少なくなって 濃密接触にあたらないような「場」であれば 非難されるような行動とは言えないでしょう。
パチンコ店にしても 感染者がでてクラスターになった時 人道的批判はなされても 感染したことが罪とはいえないでしょう。
何か 事の本質を無視した 自粛と言うことのみを目的かした方法がただしいのかは検証されていいと思います。
北朝鮮への戦後賠償問題と 拉致問題を明確に区別して
交渉できる外交力がないと 本来 人権侵害で間接侵略行為である拉致問題を追及して 被害者補償の要求もできぬまま 曖昧にされる恐れがあります。
植民地支配されたから 日本に何をしても許される、わけでないと明確に「国民保護」を前面にだせない政府に防衛を語る資格はありません。
筋の通らない「金」は出すべきではありません。