2020年06月08日

「信頼できる医療情報サイト」見極めるコツ5選

「信頼できる医療情報サイト」見極めるコツ5選
「ワクチン否定」「わかりやすい」は要注意
2020/06/07 東洋経済オンライン
森戸 やすみ : 小児科専門医

スマホやパソコンがあればすぐに情報収集できるインターネットはとても便利で、今や私たちの生活に欠かせません。
でも、そこにある情報は玉石混交です。

「子育て中のママやパパ向けの情報サイト」などといいながら、びっくりするほど裏づけのない情報ばかりが掲載されているサイトもあります。
「正しい情報を取捨選択するのが保護者の務め」と言ってしまうには、その見極めはむずかしすぎるでしょう。
どれも正しく見えて「何を信じていいのかわからない」と悩ましい状態になりますし、緊急を要するときはパニックになってもおかしくありません。

私にも「インターネット上から間違った情報をなくしたい」という強い思いはあるのですが、何しろ量が膨大なので、一つひとつ「これは間違っている」「この部分は正しい」と検証するのは不可能です。
たとえチェックできたとしても、次から次へと新しいものが出てきて追いつけません。

「ダメなサイト」を見極める5つのポイント
そこで、保護者のみなさんが自分で判断して、正しい情報にたどり着くためのポイントを考えました。
大きくわけて5つあります。
具体例とともに見ていきましょう。

@伝聞系の記述は疑おう
現代は、誰もがSNSなどで情報発信できる時代です。
誰が書いたかわからず、第三者のチェックがなさそうな情報でも、人目を引いて斬新な内容だとつい読んでしまいますよね。そして、面白い情報ほど拡散されやすい傾向にあります。

でも、“人目を引く”記事にこそ注意が必要です。
たとえば、こんなことを書いているサイトを見かけます。
「お母さんが妊娠中に骨盤ベルトをしていると子宮の形がよくなって、早産が防止でき、生まれた子が育てやすくなるそうです」
ポイントは、「〜だそうです」「〜といわれています」という伝聞系の表現です。
何か根拠があって、誰かが言っているような印象を受けますが、そうでないことが多いのです。
この例だと、子宮は骨盤の骨に囲まれた深いところにあるので、ベルトを巻いたくらいで形は変わりません。
お腹が大きくなっても骨盤ベルトは腰に巻くものなので、子宮を圧迫するように締めつけてはいけません。
また、骨盤ベルトを巻くことは早産の予防にもなりません。
お腹の中にいた姿勢と育てやすさの関連性も証明されていないのです。

「○○をしないと子どもが大変なことになってしまう」という印象づけもよくないと感じます。
その表現は「極論」ではないか?

Aキャッチーな言い回しに注意!
たとえば、「足は第二の心臓」「皮膚は第二の排泄器官」というような言い回しは、非常にキャッチーですし、意外性があって面白いですよね。
けれども、これはとても誤解を生みやすい表現です。
各臓器は、それぞれに本来の役割を果たしながらも、はっきりとした境界がない状態で連携し合っていますから、足と心臓がまったく無関係だとはいいません。
しかし、それでも足は「第二の心臓」ではなく、足は足です。
そういったところから、「長生きをするには、足の裏やふくらはぎを揉むだけでいい」という言説も出てきますが、こうなると極論でしかありません。

試しに私が正しい情報に言い換えてみましょう。
「足には体で最も大きな筋肉である大臀筋(だいでんきん)があり、それを動かすことで循環機能が向上します」、でもこれだとキャッチーではないので、あまり人目を引きませんよね。
正しい情報とは、そういうものなのです。

B偏った情報ばかり何度も見るのをやめる
「私は幅広いサイトを見ていろいろな情報に触れているから大丈夫です」と言う人がいます。
いろいろな情報に目を向けるのは悪いことではありませんし、そうされている保護者のみなさんは勉強熱心で素晴らしいと思います。
しかし、残念ながら、見ているものが本当は「幅広い情報」でない可能性もあります。

不確かな情報、誤った知識は、出どころがひとつということがよくあるからで、媒体によって少しずつアレンジして掲載するため、違う記事に見えるだけです。
そうなると、自分では幅広い情報に当たっているつもりでも、じつは同じ情報を集めてしまっていて、気づかないうちに視野がとても狭くなっていることがあります。

仮に「ワクチンは効かないし、危険である」「ステロイドは副作用が強いので危険」といった、現代の医学で標準的ではない考えをくり返しインプットしたとします。
受験勉強などもそうですが、反復すればするほど自分の一部のようになっていきますよね。
それをほかの人から「間違っているんじゃない?」と指摘されると、たいていは反発を覚えます。
まるで自分自身を否定されたように感じる人もいます。
結果、「批判してくる人は何も知らない」「私のほうが正しい情報を知っている」「私は本当のことに気づいている」と一種の優越感やかたくなさが出てくるものです。
子どもにワクチンを打ちたくない、アトピー性皮膚炎があってもステロイド軟膏はもちろん保湿剤さえ塗りたくないという保護者のみなさんも、子どものことを大切に思っているからこそ熱心に情報を集め、信念を強めていきます。

医者にも「異端者」がいる
そういった保護者の方に外来でお話を聞くと、「私は何冊も本を読みました。お医者さんが書いた本です」というようなことを言われます。
しかし、とても残念なことですが、医師の中にもいろいろな人がいて、多くの専門家が正しいとする考え方に反対し、「異端」の立場を取りたがる人もいます。
「ワクチンは危険だし、いらない」という本は、そうした医師によって書かれています。
ほかの治療についても同じことがいえます。
「○○は危険だ」という本やサイトは気になるものですよね。
子どもを危険にさらしたくないと思うがゆえに信じてしまう。
でも、そうした情報に出合ったら、もうひと踏ん張りして、「○○は安全だ、治療に必要だ」という本や記事も一緒に読んでください。

Cわかりやすさだけを追求したサイトに注意
子どもの世話をしている保護者は毎日大忙しですから、目に入りやすく、わかりやすい言葉で書かれ、しかも自信を持って断言している文章に頼りたくなるときもあるかもしれません。
イラストや図が多かったり漫画形式だったりして、パッと見てすぐに大まかにでも理解できるものは、すごく親切に見えますよね。
制作している側にとっては、内容よりも見やすさを優先したほうが、アクセス数が伸びるという事情もあるのでしょう。

ただし、単純化されすぎた情報は正確でないことが多いものです。
保護者がそれに惑わされて困ったことになっても、誰も責任はとってくれません。
わかりやすいからといって、正しいと思わないようにしましょう

D育児法や治療法の正解が「ある」と思い込むのをやめる
私は小児科医と保護者の両方を長くやっていますが、「子育てに正解はない」とたびたび感じています。

「必ず」という言葉には要注意
病気や体の不調には、いまだに原因も治療法もわからないものが少なくありません。
病気になる原因は単純ではなく、誰かが悪いからでもないのです。
ましてや育児法に正解はありません。
それなりの方法も提案されてはいますが、すべての子どもに効果がある万能な方法というのはないと思ってください。
だからこそ、いつの時代も「子どもが寝ない」「子どもが食べない」などという悩みを持つ保護者がいるのです。

悩んでいるときに「私の提唱する方法なら、必ず寝ます! 食べます! 病気が治ります!」などと言う人がいると、信じたくなる気持ちはわかります。
けれども、「必ず」という言葉には注意しましょう。
どんなにベテランの小児科医や保護者でも、必ずとは言えないはず。
また、その子の状態や、置かれている状況を見ないままでアドバイスはできないものです。

安易に断言するのはむしろ不誠実で、信じるに値しない証拠だと思います。
一生懸命にやっている保護者の方ほど「私が間違っているのでは」と自分を責めがちですが、必ずしも正解があるわけではないので悩みすぎず、ときには子どもの成長や自然な成り行きに任せながら、トライ&エラーでやっていきましょう。

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小だぬきの住居ビルのエレベーターが、工事で今日から10日間完全に止まります
9階に住んでいる身では 階段はキツイ。
そこで 湯治にと 熱海に11泊(すご〜ぃ)。
給付金を利用して 温泉・散歩・睡眠を楽しみます。
果たして 湯治後の糖尿外来の検査結果はどうでるか・・
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☀ | Comment(8) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
おはようございます。
休職なのに起きて一瞬仕事行かなくてはと勘違いでした。
何時もありがとうございます。
マスク未だ届かず。
歴史に残る愚策。
Posted by oyajisann at 2020年06月08日 09:35
お身体の具合はいかがですか・・・。
無理しないでくださいね。
マスクは 私の所にも届いていません。
緊急策のハズなのに 遅れては意味はないですよね。
私も愚策だと思います。
Posted by 小だぬき at 2020年06月08日 09:59
こんにちは!
エレベーター、10日も止まるなんてすごいですね!
湯治、ゆったり楽しんでくださいねーヽ(*^^*)ノ
Posted by nana at 2020年06月08日 10:06
老人泣かせのエレベータ工事です。
介護が必要ならどうなったのだろうかとゾ〜っとします。
ゆっくり温泉に浸り 睡眠を楽しみます。
Posted by 小だぬき at 2020年06月08日 10:16
こんにちは〜
キャンディにいつもあたたかいコメントを
ありがとうございます。
ようやくすっきりしました〜
Posted by キャンディまま at 2020年06月08日 16:21
これからは 雨が降らず 散歩を1日でも多くできることを祈るのみです。
梅雨は 散歩泣かせですね。
Posted by 小だぬき at 2020年06月08日 22:17
え゛ぇ〜〜小だぬきさま熱海に11泊ですかぁ〜
いいなぁ〜(*^-^*)♪

わたしは11泊のがんセンターの旅から本日帰宅しました
Posted by マダムゆか at 2020年06月09日 17:55
ゆかさん 退院おめでとうございます。

まだ3日目ですが 温泉で疲れが引き出されて 爆睡する贅沢な時間を過ごしています。

ゆかさんも湿気などで身体がシンドイと思いますが、ファイトしてくださいね。
Posted by 小だぬき at 2020年06月09日 20:56
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