「生活保護」コロナ禍の今こそ知ってほしい基本
生活に困ったら遠慮せずに活用を検討しよう
2020/06/18 東洋経済オンライン
戸舘 圭之 : 弁護士
新型コロナウイルスの感染拡大が経済に打撃を与えた影響で、多くの労働者が休業による減収や雇い止め、解雇などによって生活が立ち行かなくなっている。
労働者に限らず自営業者、フリーランスで働いている個人事業主などでも収入が途絶えているケースが少なくなく、日々の生活への影響は深刻だ。
労働者の解雇、雇い止め問題については、「コロナ解雇・雇い止めが簡単にはできない根拠」(2020年5月29日配信)で解説した通り、労働組合などによる相談活動などの取り組みがさかんに行われているところだが、収入が減少し生活できなくなった場合にはセーフティーネットが必要だ。
改めて注目を集めているのが、生活保護制度である。
そもそも生活保護制度とは 憲法25条1項は「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」といわゆる「生存権」を権利として保障している。
これを受けた生活保護法1条は、「この法律は、日本国憲法第25条に規定する理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする」と規定し、生存権保障(最低生活保障)が「国」の責任でなされなければならないことが明言されている(国家責任の原則)。
そして、生活保護法2条は、戦前の旧生活保護法に存在していた絶対的欠格条項(旧生活保護法2条は絶対的欠格条項として「能力があるにもかかわらず、勤労の意思のない者、勤労を怠る者、その他生計の維持に努めない者、素行不良な者」に対する生活保護の適用を明文で拒絶していた。)を廃止し、この法律の定める要件を満たす限り、生活保護法による保護を無差別平等に受けることができると定めている(無差別平等原理)。
この無差別平等の原理のキモは、過去を一切問うことなく、ただ、現在、生活に困窮しているという一事のみをもって生活保護が適用されなければならないということを生活保護の基本原理としてうたったものであり、憲法25条1項の理念を体現した規定である。
このように憲法25条1項に基づき生活保護法は、生活に困った人へ無差別平等に健康で文化的な最低限度の生活を保障しなければならないと国家に命じている。
このように生活保護制度は、生活に困窮した人にとってのよりどころとなるべき重要なセーフティーネットである。
ところが、実際に、生活保護を受けようと思って役所の窓口(福祉事務所)に行くと「まだ若いから働けるはずだ」「実家に援助してもらいなさい」「住所がないと受けられません」などと言われて追い返されることがしばしば生じている。
生活保護が受けられずに餓死に追い込まれた痛ましい事件なども過去には起きている。
生活保護を申請させてもらえずに窓口で追い返されることは「水際作戦」などと言われ、これまで弁護士や支援団体などから数多くの批判を浴びており、裁判などでも争われ行政側が敗訴する例もいくつか出されている。
「水際作戦」は明らかに違法な対応であるが、現実の生活保護行政では、しばしば違法に追い返される事例が後を絶たない。 加えて、「生活保護バッシング」などと言われる生活保護受給者を叩くネット上などでの言説から、生活保護に対するネガティブなイメージを持ってしまっている人も少なくない。
生活に困窮していても、生活保護を申請することを躊躇する人も少なからずいると思われる。
生活保護にまつわるよくある誤解
生活保護に関しては「病気で働けない状態にならないと受けられない」「住所がないと受けられない」「持ち家があると受けられない」「自動車を持っていると受けられない」「扶養できる親族がいれば受けられない」などといった言説が巷にあふれており、現に、行政の担当者もそのようにいう場合もある。
しかし、生活保護法上、これらは基本的に生活保護を受けられない理由にはならない。
生活保護は、現在、生活に困窮している者であればだれでも無差別平等に受けられるのであり、それは憲法25条1項が保障する権利である。
生活保護法上、住所があることは要件とされておらず、むしろ今現在いる場所にある福祉事務所で生活保護を申請し受給することが可能であると定められている(生活保護法19条1項2号「現在地保護」と言われている)。
したがって、住む場所がなく路上やネットカフェなどで寝泊まりをしているホームレス状態にある人についても、今いる場所(現在地)の福祉事務所で生活保護を申請することが可能である。
ちなみに、住居がない人が生活保護を利用する場合、アパート等への入居費用も生活保護費として支給される。
これは生活保護法30条1項本文が「生活扶助は、被保護者の居宅にておいて行うものとする。」と居宅保護の原則を定めているからである。
生活保護法4条1項は「保護は、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる」と定めており、ここから「若くて働ける人」については生活保護を受けることができないのではないかと言われることもある。
しかし、若くて健康な人であってもすぐに就職して賃金を得ることができるわけではなく、仮に就職がうまくいったとしてもタイムラグはありその間の生活困窮状態はそのままになってしまうことから生活保護を受ける必要はなくならない。
生活保護法4条1項は、確かに資産や能力を「活用すること」を「要件」とはしているが、あくまでも「利用し得る」資産、能力でなければならないことから、現実に利用可能性がなく、直ちに利用して現金化できない資産、能力については、それがあるからといって生活保護を否定する理由にはならない。
また、親族による扶養も生活保護を受ける要件とはされていない(生活保護法4条2項は扶養義務者による扶養が「優先」すると定めてはいるが要件ではないので扶養できる親族がいたとしても生活保護の利用は妨げられない)。
厚生労働省の事務連絡
2020年4月7日、厚生労働省の生活保護行政を担当している社会・援護局保護課は、「新型コロナウイルス感染防止等のための生活保護業務等における対応について」と題する「事務連絡」を出した(厚労省のホームページで全文掲載中)。
この事務連絡によると、生活保護の申請などにあたり、面談等を行う場合の新型コロナウイルス対策について記載されているが、特筆すべきは、
@申請にあたって調査すべき事項は最低限で足りることを明確に示し、
さらには、A「働けるかどうか」「働ける場所があるか」(稼働能力活用)の判断は後回しでかまわないということを厚労省が明確に示した点である。
これは、ようするに「現在、生活に困っている人が申請をしたら、つべこべ言わずにとにかく生活保護を開始しなさい!」というメッセージを厚生労働省として発していると理解することが可能である。
これらの対応は、憲法25条1項、生活保護法の基本的考え方からすれば当然のことではあるが、この当然の対応を厚労省が今回の新型コロナウイルス問題ではっきりと明言した意味は大きい。
生活保護は、憲法に基づく「権利」として国家の責任で実施されなければならない生活保障の制度であり、その理念通りに運用されれば、極めて実効性の高い機動的なセーフティーネットとして機能する。
生活保護は、当然のことながら税金が原資とされるが、支給される生活保護費は、性質上、そのほとんどが消費として支出されることから、その経済効果も無視できない。
生活困窮者の中で生活保護を受けているのは2割
しかしながら、実際には、本来生活保護を受けることが可能な生活困窮者の中で実際に生活保護を申請し受給している者の割合(捕捉率)は2割程度と言われており、まだまだ生活保護制度が浸透していないのが実情である。
新型コロナウイルスによる経済への影響は深刻であり、さまざまな対策が検討されているところではあるが、既存の制度である生活保護の活用はもっと検討されてもよいと思われる。
以下に今回の「事務連絡」で重要と思われるところを抜粋しておく。 【参考引用】
「(1)申請相談について。生活保護の申請相談にあたっては、保護の申請意思を確認した上で、申請の意思がある方に対しては、生活保護の要否判定に直接必要な情報のみ聴取することとし、その他の保護の決定実施及び援助方針の策定に必要な情報については、後日電話等により聴取する等、面接時間が長時間にならないよう工夫されたい。
また、対人距離を確保した上でマスクを着用する等、感染のリスクを最小限とするようにされたい。
なお、 「新型コロナウイルス感染防止等に関連した生活保護業務及び生活困窮者自立支援制度における留意点について」(令和2年3月10日厚生労働省社会・援護局保護課 地域福祉課生活困窮者自立支援室連名事務連絡。以下「事務連絡」という)の「3適切な保護の実施」にあるとおり、
面接時の適切な対応(保護の申請権が侵害されないことはもとより、侵害していると疑われるような行為も厳に慎むべきこと等)、
速やかな保護 決定等については、引き続き特に留意されたい 」
「(1)稼働能力の活用について。局長通知第4において、稼働能力を活用しているか否かについては、実際に稼働能力を活用する場を得ることができるか否かについても評価することとしているが、緊急事態措置の状況の中で新たに就労の場を探すこと自体が困難であるなどのやむを得ない場合は、緊急事態措置期間中、こうした判断を留保することができることとする 」
温かい励ましを受けて気を取り直しています・・
6/19. 本日の応援 完了です ゙(*・・)σ ポチッ♪
天国に旅たったミータが あらたな守護神としてミータママを守ってくれると信じます。
ミータのためにも 日常生活を充実させる方向に気を取り直してくださいね。
「還暦祝い」に強いて気持ちを転換させてください。
こちら51日ぶりに感染者出ちゃいましてまた緊張の日々です。
良い週末をお過ごしくださいね。
コロナウィルスの感染源が不明で二次感染、三次感染の報道が横行していることに 日々違和感を募らせています。
陽性の人が感染した源はなにかが解らず 抑え込み対策ばかり。
わからないものに対策することの難しさが日々強調されています。
マスクで「うつったら運が悪い」程度に「恐れる」で足りるとさえ思い始めています。
キャンディの元気さを見習い、必要以上の萎縮をしないようにしたいと思います。
お互い いい週末にしていきましょう。
尿の間隔が短いのに尿量が少ない
心配ですね。
でも前立腺の検査はされて
がんの疑いは晴れてよかった。
「冷え」は女性に多いイメージですが
男性も冷えてる方もいるようです。
うちの主人もすでにチューハイに氷が
定番で冷えてるのではと心配してます。
人それぞれとは思いますが
夏でもなるべく温かいもので
カラダを温めてくださいね。
記事とは全く関係ないコメントで
ごめんなさい。。
原因不明のままですが、身体を温めることを大切にして 冷たいものの摂取は へらしていきたいと思います。
ご心配をおかけして申し訳ありません。