2020年07月12日

感染恐れ来院患者5割減も…コロナ禍で病院経営は崩壊寸前

感染恐れ来院患者5割減も…コロナ禍で病院経営は崩壊寸前
2020/07/09 日刊ゲンダイ

 新型コロナウイルスの感染者が再び増加するなか、コロナ関連の経営破綻が全国で309件に達している(7月3日現在東京商工リサーチ調べ)。
業種別では緊急事態宣言の発令で来店客が減った飲食業を最多に、インバウンド需要喪失の影響による旅行・宿泊業、百貨店の休業の影響を受けたアパレル関係など個人消費の業種が目立つ。

 しかし、いま懸念されているのが医療施設の経営破綻だ。
コロナの感染リスクから来院患者が激減し、赤字経営の施設が急増しているのだ。
東京商工リサーチ情報部の松岡政敏課長が言う。
「感染者を受け入れている病院は多忙を極める一方、ほとんどの病院は赤字経営です。
感染を恐れて来院患者が激減する病院が多く、スタッフの雇用見直しなど厳しい対応を迫られています。
今後、医療施設の経営破綻は避けられないでしょう」

 東京都で勤務、開業する医師が加入している「東京保険医協会」が行った会員医療機関へのアンケート「新型コロナウイルス感染症による医業経営への影響」では、外来患者数、保険診療収入ともに9割超の医療機関が減少し、前年同月に比べ5割以上減少している医療機関は3割に上った。
調査は4月に実施されているため、緊急事態宣言の発令、自粛要請による休業で施設の経営はさらに厳しい状況に追い込まれていると考えられる。

 首都圏で内科と耳鼻咽喉科を専門にするクリニック院長がこう証言する。
「うちも4月から保険診療収入は前年比4割減です。
都心の場合、看護師や事務員らの人件費や機材といった固定費が高く、収入の半分以上を占めて利益はほとんど出ていません」

■患者数の5割減も
 首都圏の駅直結ビルにあるナビタスクリニックの医師で、医療ガバナンス研究所の上昌広理事長が語る。
「病院の経営は2月までは黒字でしたが、3、4、5月と赤字が続いています。
駅中の施設のため自粛要請で駅ビルが閉鎖し患者は5割減、3月以降は毎月3000万円の赤字です。
都心で経営している施設ほど自粛を受けやすく、固定費が高いためぎりぎりの経営状態です」

 上氏はコロナの影響で平年より死亡者が増えた東京都の超過死亡者数の増加にも注目する。
「コロナで来院をやめ、ステイホームした高齢者が体調を崩し持病を悪化させて亡くなっている。
3、4月は過去最高の超過死亡者数です。
東日本大震災の後に全く同じことが福島県南相馬市でも起きている。
医療従事者の手配が遅れ医療崩壊した結果です」
 首都圏の医療崩壊に赤信号がともっている。

   (ジャーナリスト・木野活明)
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☁ | Comment(6) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こちら雷で停電発生も数分後に復旧。
今夜これから大丈夫かな?
おやすみなさい。
何時もありがとうございます。
Posted by oyajisann at 2020年07月12日 00:33
こちらは まだ雷は発生していませんが 注意報がでています。
寝苦しい熱帯夜ですが、私もつい先ほど 「抗うつ剤」を飲んだ所です。
お互いに いい夢をみたいですね。
おやすみなさい。
Posted by 小だぬき at 2020年07月12日 00:47
米軍基地での感染が判明いたし今後基地外に拡大の懸念が心配されますね。喝)国内と一緒に計算したら300人に達します。すでにオーバーシュートしています。喝)
Posted by 荒野鷹虎 at 2020年07月12日 09:27
開業する医師

法律が邪魔をして、多忙な病院へ援軍にいけないのもあるのかもしれない。


こちら(自分の病院)は暇。大病院は、医師不足で悲鳴。 こういうとき、【暫く休業(他の病院を助けに出張)します】が出来れば、すべてがおさまる。[岩陰]・ω・` )
Posted by タカやん at 2020年07月12日 10:21
荒野鷹虎 さんへ

米軍の感染は地位協定により 日本の管轄権がおよばないことになっています。
沖縄県にとっては 隔離政策が徹底するか検証ができないだけに不安があると思います。
地位協定の改定や安保条約の見直しなども課題に上らせなくてはならないと思います。
来年の駐留経費見直しの議論で トランプは撤退もありうると言っています。
アメリカ自らが撤退してくれれば 基地問題も一歩前進するのですが・・・。
Posted by 小だぬき at 2020年07月12日 19:22
タカやん さんへ

大都市の病院の疲弊は、経済効率化・新自由主義のもと行政が病院の統廃合、ベット数削減を急激に進められ脆弱化したなかで、コロナ感染対応を迫られた結果です。
医師交流で たとえ乗り切れたとしても、国公立病院を地域のために赤字でも維持する施策に転換しなくては 今後の危機に対応できません。

小池都政のもと統廃合された病院の問題をマスコミが問題視しないのは怠慢です。
感染者が重体化しないための治療体制を構築するためには 経営の独立採算をやめ 行政の税で維持を保障しなくては矛盾が解消されません。

コロナ対策に一所懸命に取り組んだ病院が赤字、医師・看護師のボーナス削減などの待遇悪化では 現場の閉塞感は増すばかりでしょう。
医師・看護師の使命感・倫理感に頼るばかりでは疲弊するのみです。
病院に限らず 福祉・医療に「独立採算」は馴染みません。税の投入は 独立採算に馴染まない分野にこそ配分されるべきで、小池・吉村知事に猛省を促したいです。
Posted by 小だぬき at 2020年07月12日 19:44
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