2020年07月13日

ノーベル賞学者・本庶佑氏が警鐘「日本でのワクチン開発、治験など現実離れした話」

ノーベル賞学者・本庶佑氏が警鐘
「日本でのワクチン開発、治験など現実離れした話」
2020年07月12日 文春オンライン

「安倍晋三首相は記者会見で、『東京五輪を完全な形で開催するなら(新型コロナウイルスの)ワクチンの開発がとても重要だ』と述べていましたが、それは非常にハードルが高いと言わざるを得ない」
「文藝春秋」8月号のインタビューでそう語るのは、本庶佑・京都大学特別教授(78)だ。

本庶氏と言えば、免疫を抑制するたんぱく質「PD-1」を発見し、がん治療薬「オプジーボ」の開発に大きく貢献した功績で、ノーベル生理学・医学賞(2018年)を受賞した。
 最近では、そのオプジーボを製造・販売する小野薬品工業に対し、特許の対価を巡って、約226億円の支払いを求める訴訟を起こしたことも大きく報じられている。
 世界を代表する免疫学者でもある本庶氏が、免疫の仕組みを利用するワクチンの開発に否定的なのはなぜなのだろうか――。

■世界で「ワクチン開発競争」が激化しているが……
 欧米や中国などでは今、「ワクチン開発競争」が激化している。
英オックスフォード大学が開発するワクチンは、早くも臨床試験の最終ステージに突入し、米製薬大手のファイザーも独ベンチャーと共同開発するワクチンの初期臨床試験が好結果だったと公表したばかりだ。
 日本も例外ではない。
大阪大学発の創薬ベンチャー・アンジェスがすでに治験を開始し、年内の実用化を目指しているほか、塩野義製薬も国立感染症研究所と共同で年内にも治験を開始する方向だという。

 ワクチン開発への期待は高まる一方だが、本庶氏はこう警鐘を鳴らす。
「そもそも、新型コロナウイルスはインフルエンザウイルスやHIVウイルスと同じように、『DNA』ではなく、『RNA』を遺伝子に持つウイルスです。
このRNAウイルスの場合、効果的なワクチンを作るのは難しいことが知られています」

 端的に言えば、二重らせんという安定的な構造を持つDNAに対し、一重らせんのRNAはその構造が不安定で、遺伝子が変異しやすい。
「インフルエンザのワクチンを打っても効かないことが多いのは、流行している間に、ウイルスの遺伝子が変異していくからです。
遺伝子が変異してしまうと、ワクチンが効きにくくなったり、まったく効かなくなったりするのです」

■もし完成しても一部のウイルスにしか効かない
 新型コロナもインフルエンザ同様、遺伝子が変異するスピードが非常に速いという。
「中国で発生して以来、世界各地に広がっていく過程で変異を繰り返し、5月末ですでに数百の変異があるという報告があります。
ワクチンが完成しても、開発当初とは異なる遺伝子のウイルスが蔓延しているかもしれない。
そうなると、一部のウイルスにしか効かないことも十分にあり得ます」

 さらに、本庶氏が「首を傾げざるを得ない」と指摘するのが、日本での臨床試験だ。
例えば、前出のアンジェスは、大阪市立大学医学部附属病院で臨床試験を開始している。
「日本で開発し、治験までやると言っているグループがありますが、あまりに現実離れした話でしょう」

 なぜ日本での開発・治験が「現実離れ」しているのか。

その答えは、「文藝春秋」8月号ならびに「文藝春秋digital」に掲載した本庶氏のインタビュー「 東京五輪までに『ワクチン』はできない 」をお読みいただきたい。
 そのほか、ワクチンとは切り離せない副作用の問題や、第二波に備えた検査・検疫体制の具体的な提案、新型コロナ専門家会議の問題点、小野薬品を訴えるまでの詳細な経緯、生命科学を軽視する政治や行政への憤りなど9頁にわたって語っている。 (「文藝春秋」編集部/文藝春秋 2020年8月号)
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☁ | Comment(2) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いつもありがとうございます。
明日もイイ日でありますように♪
7/13. 本日の応援 完了です ゙(*・・)σ ポチッ♪

今日は、午後1でエアコンの取付け工事があって
その後、車で花屋さんに行って
5千円相当、鉢花と土と肥料を買ってきました♪
明日、植え替えをしたいところですが・・
雨なんですよねぇ・・
ベランダで濡れない程度の雨なら決行しようかな♪

また・・ 雨の一週間の始まりですねぇ
Posted by ミータママ at 2020年07月14日 00:04
今日は 雨予報ですね。
鉢花と土と肥料は、ミータの供養も兼ねているのかな?
鉢花が植え替えによって いつまでも綺麗に根付き咲いてくれるといいですね。
15日には 曇りになりそうですよ。
楽しみはその時までお預けですかね・・・。
 
これからはひまわりが綺麗になりますね。
雨はイヤだけれど 夏の暑さもシンドイな・・。
水戸で買った「デマの心理学」宝島社を2回目マーカー入れ読了。
今日は ノートに整理することと、同じく買った「特攻のすべて」山川出版を読み始めます。
父が敗戦が3日遅れたら 特攻出撃し 小だぬきも存在しなかったハズの歴史。
父は どうせ死ぬんだからという心境だったと生前言っていましたが、今回購入した本は 客観的記述で当時の特攻隊員の気持ちを代弁してくれていそうで 新盆中「戦争」について考えたいと思っています。
Posted by 小だぬき at 2020年07月14日 01:32
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