言い負かされる人と言い返せる人の決定的な差
ありえない一言を放たれたときの賢い対処法
2020/08/07 東洋経済オンライン
ゆうきゆう : 精神科医
相手の話に対して即断を避ける
◎押し切られそうになったら、「延期の戦術」
この方法はいたってシンプル。
ただ単に「延期」するだけ。
相手の話に対して、とにかく即断を避け、「考えさせてください」と言うのです。
「今ここでは決められません。すみませんが、考えさせてください」
「おっしゃることは分かりました。ちょっと持ち帰ってもいいですか?」
延期のための言葉はこの際、何でも構いません。
大切なことは、とにかく「即断しない」ことです。
人は「雰囲気にのまれてしまう」ということがよくあります。
言い返せない人の大半は、相手の勢いについその場でうなずいてしまうもの。
そのため、いったん冷却時間をおいて、相手の主張や要求をじっくり冷静に考えてみることが大切なのです。
どんなに勢いに押されている場合でも、「ストップ」することによって、冷静になり、戦況を立て直すことができるのです。 しかも、ゆっくり考えてみれば、実は相手の主張もたいしたことを言ってないことに気がつくことが多いもの。
この戦術は、自分の権威を振りかざして強引にコトを進めたがる相手には、特に有効です。
◎「ありえない」ひと言は、「そのまま」返せ!
たとえば、あなたに、 「てめえ、そんなことも分からねぇのか! 小学校からやり直せ!」 と叱責する上司がいたとしましょう。
こんなときに、相手と同じように「てめえ」とやり返すのもひとつの手ですが、現実的ではありません。
「相手の言い方」を“間接的に表現する” 簡単なのは、「相手の言い方」を“間接的に表現する”ことです。
返答の代わりに、その言葉を繰り返す。つまり、「オウム返し」が一番効果的です。
「『てめえ、そんなことも分からねぇのか』、ですか…」 「『小学校から』、ですか…」
人は自分の状態を意識させられるだけで緊張してしまうと言われています。
あなたに自分の言葉を繰り返された相手は、自分の言葉の録音を聞かされたようになり、少しだけ恥ずかしくなってきます。それと同時に、自分の暴言の愚かさに、気がつかされることになります。
相手は、「そうだよ! だから、なんだよ!」と反応するかもしれませんが、それ以降、少しずつそういう言い方は減るはずです。
ぜひ一度、試してみてください。
◎イヤミな一言には「無邪気に」切り返す
「きみってよく、カメみたいだって言われない?」
こんなふうに、ちょっとイラっと来る皮肉を言われました。
さてこんなとき、どうするのがいちばんでしょうか?
@ 無言のまま、反論しない
A 「人のこと言えるんですか?」
B「どういう意味でしょうか?」
このような「皮肉っぽい悪口」を言ってくる人は多いもの。
さすがにハッキリ言うのは、カドが立つと思っているのでしょう。
そのために「カメみたい」などとあえてボカしてくるわけです。
言われたほうは、「どういう意味だろう。まさか…!?」というように、自分で考えることになります。
これを「自己説得効果」といいます。
自分で考えて答えを出すことで、ハッキリ悪口を言われるより、ずっと強く心に響いてしまうのです。
「どういう意味でしょうか?」が効く ですから、
@の無言のまま、反論しないというのはいちばんよくありません。
その言葉を何度も心の中で反芻することになってしまいます。
だからといって、Aのように売り言葉に買い言葉で反撃するのも、いい答えではありません。
後悔する可能性だってあるでしょう。
正解はBの「どういう意味でしょうか?」。
こう聞かれたら、悪口を言った相手は発言した手前、それを説明しなくてはならなくなります。
何かを分かりやすく説明するというのは、かなり大変なこと。
それだけでも、相手の気勢は削がれます。
さらに当然ですが、説明すると「ハッキリとした悪口」になってしまいます。
それを言う勇気がないからこそボカしているわけで、「いや、もう、いいよ…」と及び腰になるはず。
そして、その後に同じことを繰り返す可能性は少なくなるでしょう。
たまに、「そういう意味だよ」「自分で考えれば?」などと言う人もいますが、その場合はもう一度、「ごめんなさい。だから、分からないので、教えてください」と言えばいいでしょう。
これは、セクハラ発言の場合でも使えます。
「○○くん、最近、夜の調子ってどうなの?」
これに対して、「え、どういう意味ですか?」と聞かれて、ハッキリ言える人はいないでしょう。
相手は「これは、怒っている…!」と気がつくはずです。
そして人間性を疑います。pp
心配した父が 「お前は民間企業にはむかない、公務員試験しかない」との助言を受け、教員採用試験で小学校教員になりました。
黙ってしまえば 相手はより傲慢になるだけですので 教員組合でも方針に意見をいいました。
結果的に「うつ病」を発症して 病気退職をしてしまったので、正しかったかは疑問符がつくのですが、後悔はしていません。
ふみさんのような生き方もあると思いますが、私は「反体制」「理不尽には対決する」「嫌なものはイヤ」「ダメなものはダメ」と声をあげ続けたいと思います。