当選確率は「2000万分の1」!?それでも宝くじが買われる理由とは。
11/21(土) LIMO
2020年もあとわずか、今年も「年末ジャンボ宝くじ」の季節がやってきました。
毎年多くの人が宝くじ売り場に並んでいるのを目にします。
にもかかわらず、高額当選を経験する人はほんの一握り。
ほとんど当たらない、つまり損をすると分かっていながら、毎年たくさんの人が宝くじを購入するのです。
これはどうしてでしょうか?
そんな心理について、今回は行動経済学の「プロスペクト理論」から読み解いていきます。
「プロスペクト理論」って?
人は必ずしも、いつも合理的に判断しているわけではありません。
その場の感情や感覚で選択をすることも多いでしょう。
そういった人の心理や行動を説明したのが「行動経済学」です。
今回紹介するプロスペクト理論は、この行動経済学の中で最も代表的な理論の一つとされています。
プロスペクト理論は、行動経済学者のダニエル・カーネマン氏とエイモス・トベルスキー氏によって1979年に提唱されました。
プロスペクト(prospect)とは日本語で「見通し、予測」という意味です。
どうなるか分からない状況において、人がどう予測してどう行動するか? を明らかにした理論となります。
プロスペクト理論は「価値関数」と「確率加重関数」という2つの柱で成り立っています。
(1) 価値観数:価値の感じ方のゆがみを示したグラフ
(2) 確率加重関数:確率の感じ方のゆがみを示したグラフ
人は同じ大きさの「利得」と「損失」では感じ方が違う、ということを示したのが(1)です。
そして、得をするよりも損をする方が1.5〜2.5倍痛みを感じる、ということが分かっています。
加えて、人は高い確率は低く、低い確率は高く感じてしまう傾向があります。これを示したのが(2)です。
宝くじを買う心理は、この(2)確率加重関数から説明することができます。
当たる確率は低いのに、なぜ期待してしまうの? 普段私たちは「合格率○%」「成功率○%」「降水確率○%」などと、さまざまな確率に触れて過ごしています。
数字で示されることで分かりやすいと感じますが、実は正しく理解できているわけではありません。
先ほど述べたように、プロスペクト理論の確率加重関数では、以下の傾向が示されています。
・高い確率は、実際よりも低く感じる(過小評価する)
・低い確率は、実際よりも高く感じる(過大評価する)
例えば、90%成功する手術と言われても、残りの10%の失敗が大きく見えてしまいます。
あるいは、80%の社員はリストラしないと告げられた場合、数字以上の不安を覚えるのではないでしょうか。
一方で、事故や大きな病気、自然災害に対する“万が一”は、実際に起こる確率が非常に低くても、その可能性を大きく考えてしまいます。
だから多くの人は備えとして保険に加入するのです。
また、天気予報で降水確率20%の日に、折りたたみ傘を持っていく人は珍しくありません。
このように人は、確率という数字に対して、正確に捉えず主観的に感じているのです。
年末ジャンボ宝くじ1等の当選確率は2,000万分の1、つまり0.000005%。
こう見ると、ほぼ0とも言えるほど極めて低い確率です。
しかし宝くじを買う人は、この数字(客観的確率)を実際よりも高く見積もっているからこそ、その機会を購入するのです。
「もしかしたら当たるかもしれない」「誰かは当選するのだから」と、実際の確率よりも大きな期待をしてしまう…それが人の心理なのです。
「2000万分の1」を何かにたとえると・・・
ところで、「2000万分の1」とは、例えるならどれほどの感覚でしょうか。
総務省統計局「日本の統計2020」によれば、2018年推計人口は東京都が約1382万人、千葉県が約626万人となっています。
つまり、東京と千葉に住む全員を足しておよそ2000万人、その中でたった1人が選ばれる…それが2000万分の1という確率です。
(※1) そう考えると、「夢の1等当選」は非常に難しいということが分かるでしょう。
しかし、1等とは言わずともせめて1000万円、いや100万円でも当たれば! という人も多いはずです。
確かに2等、3等となるにつれて当選本数は増え、当選金を手にできる確率は上がります。
ただし一つ知っておくべきことは、宝くじの還元率は「当せん金付証票法」という法律で、50%を超えないよう定められているということです。
したがって、最初から半額程度しか還元されないように設計されています。
この還元率は、他の公営競技に比べてもかなり低い数字です。
(※2) 1枚300円で購入したとしたら、その時点で戻りが期待できる金額(期待値)は150円未満となります。
理論上は、買えば買うほど損をする仕組みといえるでしょう。
しかし、人の心理として当選確率を高く見積もる傾向があることは、先に述べた通りです。
客観的な確率や期待値から判断することなく、毎年宝くじを買ってしまうのは、やはり「一攫千金のチャンス」という夢の大きさが数字を惑わしているのかもしれません。
例えば軍資金が9000円の場合
同じ宝くじ売り場で一度で購入するのではなく
数キロ離れた宝くじ売り場3か所で 3000円ずつ購入する
※ 宝くじは「段ボールから取り出すので」
※ 売り場が離れていれば 別の段ボールから出すわけで 確率は三倍になる
■売り場が 地域に一か所しかない場合
【一週間ほど期間を空けて、購入する】
↑ 同じように 別の段ボールから補充されるので確率倍増 (○´・ェ・)(○´-ェ-) ゥン
「運」を信じたいなぁ・・・。
確率論ばかりでは ギャンブルになり 競輪・競馬のほうが うんと当たる確率は高い。