2021年03月24日

コロナで借金デビューする人たち。スマホで借りられる手軽さが盲点に

コロナで借金デビューする人たち。スマホで借りられる手軽さが盲点に
2021年03月23日 SPA!

新型コロナによる収入減が家計を直撃し、借金で生活を支えざるを得ない人が増えている。
これまで借金とは無縁だった人まで、借金に手を出し始めているのだ。
一体どんな人たちがコロナ禍を借金でしのいでいるのか? 専門家に聞いた。

◆「コロナ禍で借金を背負う」人たちの特徴は?
 新型コロナによって借金苦に陥るのはどのような人たちなのか。
 SPA!が行った新型コロナ流行後に借金をした人へのアンケート結果では、「コロナ流行後の借入額」は半数以上が30万〜100万円と答えた。
何百万円もの借金ではなくとも、収入が減った分や急な出費を借金で補てんした人が多い印象だ。

 実際、過去5000件以上の債務整理を手がけてきた「ひまわり司法書士法人」の本松紳司氏のところにも、「コロナをきっかけに借金が返せなくなった」という声が多く寄せられているという。
「リストラされて借金が返せなくなってしまった人や、残業代やボーナスがカットされて借金頼みの生活になってしまった人など、全体の6割ほどはコロナが原因で返済苦に陥ったという相談です。
 皆さん複数の金融機関を利用していて、借入額は平均で300万円ほど。
車や家のローンがあると『手取り25万円のうち返済額が23万円超』という方もいて、そうなってしまってはもはや自己破産を考えないといけません」

◆知識や免疫のない若い層が、借金をせざるを得ない状況に陥っている
 また、コロナ禍で新しく借金デビューを果たす人もいる。
「先日も20代の若者から『コロナでバイトできなくなり20万円の借金をしてしまった。返せないので自己破産したい』と相談がありました。
 その額では少なすぎて破産はできませんし、そんな知識や借金に免疫すらない若い層が、コロナ禍で借金をせざるを得ない状況に陥っているのでしょう」

◆若者の借金を加速させる?スマホ「借金テック」の全貌に迫る
 いまやスマホがあれば家にいながら即座にカネを借りられる時代。
そんななか、LINEやメルカリなどIT企業による「借金テック」とも呼べそうなサービスが存在感を強めている。
借金情報サイト「借金道」管理人のシロウ氏が話す。
「特に注目しているのが『LINEポケットマネー』です。
’19年8月からスタートした個人向けローンサービスで、申し込みや審査、借り入れまですべてLINEアプリ内で完結します。

去年4月から、2か月で24%も総貸付残高を伸ばしていて、昨年4月の月間新規申込数は3.9万人と、アコムの3.3万人を上回っています」
 利用者は、20〜30代の若年層が大半を占めているという。
「危惧しているのは、手軽すぎて借金だという実感が薄いことです。
借りた額が最短でその日のうちにLINE Pay残高としてチャージされ、コンビニのATMを使えば簡単に現金化もできます。 しかし、実際は最大年率18%なので、決してお得とはいえません」

◆メルペイの「スマート払い」は、実質リボ払いと変わらない
 また、メルカリのスマホ決済サービス「メルペイ」は、月20万円を上限に毎月定額で支払うサービス「スマート払い」を始めている。
「『定額払いの申し込みで、500円分のクーポンプレゼントキャンペーン』などキャンペーンをどんどん打ち出していますが、定額払いの“手数料”は年率15%で、これは実質リボ払いと変わりません」

 ほかに、ファミリーマートも自社スマホ決済アプリ「ファミペイ」を活用した、小口貸し付けや後払いができるサービスの開始を予定しており、今後もこういったサービスは増えそうだ。

便利なだけに使う際は慎重になりたい。

【本松紳司氏】
「ひまわり司法書士法人」代表。債務整理や自己破産などの相談も多く、年間300件以上の無料相談を行う。独自に行った「コロナ禍での借金に関する実態調査」も公開中

【シロウ氏】
元消費者金融社員で、自身も長年借金を抱える経験を持つ。
借金情報サイト「借金道」を長年運営し、アドバイザーとして、これまで1000 件以上相談を受けている

<取材・文/週刊SPA!編集部>
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☀ | Comment(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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