「コロナ感染者は増えても死者が少ないからいい」と笑う竹中平蔵・高橋洋一対談に怒り心頭(ラサール石井)
2021年08月12日 日刊ゲンダイDIGITAL
数々の問題を残しオリンピックが終わった。
関係者は「終わりよければ全てよし。やれやれ」と胸をなで下ろしているかもしれないが、そうは問屋が卸さない。
「まだ祭りは終わらない。ここから悪魔の祭りが始まる」と誰かが呟いていたが、コロナの感染爆発はとどまるところを知らない。
「五輪の開催が感染数増加の原因であるというエビデンスはない」と皆言う。
確かに五輪の関係者からウイルスが感染したわけではないだろう。
ただ2週間の開催期間だけ問題なのではない。
厚労省が検査数抑制論をあおり、世界に比べても極端に検査数を少なくしたのは、オリンピック開催に支障があってはいけないという忖度だろうし、2年延期にすればいいものを無理やり1年延期でごり押ししたこともコロナ対策が不十分になった要因だ。
東京五輪がなければこんな惨状にはなっていなかったし、助かる命もあったはずだ。
国民のため日本のためなどとおためごかしなことを言い、復興五輪でもコロナに打ち勝った証しの五輪でもない。
ただ一部の関係者の利権のために開かれたオリンピックなのに、アスリートの頑張りを隠れ蓑にして見せかけだけを取り繕う。
その仕掛けがほぼみんなにすっかりバレてしまっている。
IOCから菅総理と小池都知事に功労章が贈られるなんて、「儲けさせてくれてありがとう」っていうことだろう。
都内の自宅療養者から初の死者が出たニュースの後に、晴れ着でほほ笑む小池都知事を見るのは、この夏一番狂おしい夜だった。
加えてもっとひどい、悪魔のような対談を見た。
YouTube上の竹中平蔵と高橋洋一の話だ。
要約すれば「史上最大の感染だって言ってるけど」「全然大したことない。世界から見ればさざ波よりさらにちっちゃくなっちゃって」「死者なんて十数人になっちゃってるから」「そうそういいじゃない」と、感染者は増えても死者が少ないからいいだろう、という話を笑いを交えてしているのだ。
たとえ一人の死でも遺族にとっては痛恨の出来事だ。
決して軽く話せることじゃない。
自分たちの身内に死者が出ても同じように笑うのか。
死を数にして、少なかったからよかったとは、決して言ってはいけない。
しかも竹中は、コロナの死者より「毎日自殺者は50〜60人いるんですよ。そういう国で経済を悪くしたら、また増える」とまで言う。
待て待て。貧困者が増えて未来に希望が持てないのは誰のせいだ。
あんたが派遣社員や非正規を増やし、企業だけが儲かり最低賃金は世界でも最低水準のこのシステムをつくった、言わば犯人だろう。
こんなこと言わせておいていいんですか。
皆さんいいかげん立ち上がったらどうですか。
(ラサール石井/タレント)