自民候補が劣勢・接戦の首都圏43選挙区 無党派層の反乱“静岡ショック”は衆院選でも起きる
2021/10/26 日刊ゲンダイ
自民党候補が、立憲民主党・国民民主党推薦の野党系候補に敗れた参院補選の「静岡ショック」。
10.31衆院選への影響は必至だ。
注目なのは、共同通信などの出口調査によれば、無党派層の7割が野党系候補に投票していたこと。
自民党候補へは2割以下だった。
そのうえ、自民支持層の2割弱が野党系候補に流れていた。
つまり、無党派層の多くが岸田政権に批判的で、自民党の一部も政権にお灸を据える行動に出た、ということだ。
「政権の『顔』が変わっても、新型コロナウイルス対策の失敗など国民の不満は消えていなかった。
岸田首相や甘利幹事長ら幹部が応援に入るほど、寝た子を起こす状態でした」
「都議選と同じムード」
1週間後に投票が迫る衆院選でも、同じ現象が起こり得る。
特に、無党派層の多い首都圏では、当落線上の自民党候補が次々、沈んでいきかねない。
各種情報調査を参考に、首都圏の自民党のうち、接戦になっていたり、既に劣勢の選挙区は〈別表〉の43(自民系無所属含む)。
4都県の全71選挙区の6割に上る。対抗馬はほぼ立憲民主党だ。
ただ、自民党への逆風が野党への追い風というわけではない。
投票率が下がるのでは、という見方も出ている。
しかし、今夏の都議選では、過去2番目の低投票率にもかかわらず、自民党は惨敗し、過去2番目に少ない獲得議席だった。「有権者の静かな怒り。あの時と同じムードを感じる」(自民党関係者)との声もある。
政治評論家の野上忠興氏が言う。
「コロナ禍で2年弱も我慢してきた有権者には、後手後手や失政の連続だった政権に対する不満の下地がある。
投票率が低いから与党に有利という従来の法則は当てはまりません」
無党派の反乱による“雪崩現象”が起きかねず、甘利明幹事長や石原伸晃元幹事長ら首都圏の大物も尻に火がついてきた。