狭い窓から次々と・・・なぜドアは開かなかったのか
2021年11月01日 TBS
今回の事件では、大勢の乗客が電車の窓から逃げ出す様子が映像に残されていました。
なぜドアは開かなかったのでしょうか?
事件発生後、ホームに停まった京王線の車両。
半分ほど開いた狭い列車の窓から乗客らが次々と身をのりだし、逃げ出しています。
乗客 「ドアが開かなくなって逃げられないので、じゃあ窓から出ようって。老人の方とかは逃げにくくて」
窓は半分しか開かないようになっていて、体が不自由な方や妊娠中の方が抜け出すのは難しそうです。
ドアはなぜ開かなかったのでしょうか?
列車内での緊急時に重要になってくるのが「非常用ドアコック」です。
これは緊急時に車両の外に出る際、手動でドアを開けるためのものです。
京王電鉄によりますと、今回、乗客が非常用ドアコックを作動させたため、電車は通常の停車位置より2メートル手前で緊急停止。
ホームドアと列車のドアの位置がずれたため、京王電鉄側はドアを開けなかったというのです。
専門家は、このドアコックの運用の難しさを指摘します。
日本大学 鉄道工学リサーチセンター 綱島均センター長 「パニックになったような状態で、お客さんからしたら一刻も早く車両から出たい状況で、走行中にこういう(ドアコックの)操作をされると転落の危険も出てくる。
ドアコックそのものが、そういう危険性も持っている」
実は、国土交通省も非常用ドアコックについて、
▼火事の場合は使用をすすめていますが、
▼不審者などを見つけた時は「使ってはいけない」としています。
閉ざされた空間での不測の事態にどう対応するのか。国土交通省は8月に小田急線でも同様の事件がおきていることから、全国の鉄道事業者に対し、警戒監視を徹底するよう指示しています。(01日15:55)