2021年12月30日

怠け者になろうーー効率よく生きるパワーは怠け心にあり!

怠け者になろうーー効率よく生きるパワーは怠け心にあり!
そこそこ幸福に生きる40のコツ
2021.12.29 Diamondオンライン
バク@精神科医:精神科医

他人とうまくコミュニケーションできないことからくる孤独感や閉塞感、自己肯定感の欠如、SNSによる誹謗中傷やバッシングなど、私たちは、いま多くの生きづらさを感じさせる事柄に取り囲まれています。
そんな中にあって、毎日を心安らかに、できるだけ快適に生きていくためには、どうすればいいのでしょうか?
発達障害(ADHD)、うつ病など、生きづらさを抱えながらも精神科医として活躍するバク先生は、ツイッターでのつぶやきが共感・絶賛され、今、人気急上昇中。
そんなバク先生の初の著書『発達障害、うつサバイバーのバク@精神科医が明かす生きづらいがラクになる ゆるメンタル練習帳』(ダイヤモンド社)が発売されました。
同書の中には、生きづらさを解消するための実践的なヒントが詰め込まれています。
本連載では、同書の発刊を記念してそのエッセンスをお届けします。
心がスー ッと軽くなる珠玉のアドバイスにお付き合いください。

他人との比較で起こる感情の起伏は、突き詰めて考えると、結局は全て「悩むのがムダ」なこと。
他人とは関係なく、自分の問題に対して「自分にできること」で向かい合うのが、ラクに生きるための出発点。
結局、あなたの人生において一番大切なのは自分自身なんだと、まずそのことに気づいてほしい。

人間の持つ怠け心が、文化や技術を発達させてきた
 突然ですが、私はものすごい怠け者で、隙あらば手を抜きたいタイプです。
 非効率的なことで努力するのは無意味だと思うし、大嫌いです。
そして皆もそういう「非効率なことを徹底的に回避するため」にも怠け者であるべきだと考えています。

 怠け者ほど効率化を目指すパワーを秘めていることは、絶対に忘れてはなりません。
 しかし、精神科の外来には「自分がダメ人間だ」という理由に、「私は欲深いし、怠け者で、努力もしないし……」という考えをあげる人が多くいます。
 そもそも「怠けたい、ラクしたい、がんばりたくない、努力したくないけど、どうにかならんかな」という考えは、悪いダメな考えなのでしょうか?
 答えは「ノー」。
 むしろそういった怠け心が人類の文化や技術を発達させてきました。

アメリカ人は、効率的なことが大好き
 具体例をあげましょう。
私は全自動って大好きですが皆さんはお好きですか?
ボタン一つ押せば終わりって夢のような世界ですよね。
 ちなみに大概の「全自動」の発祥はアメリカです。
アメリカ人は効率的なことが私と同じで大好きなようで、とにかくイージーに物事を完了させるためなら、どんな努力も惜しみません。

 アメリカ人のこの特徴を知るのによい事例として、「洗濯」があげられます。
元々洗濯はとんでもない重労働でした。
昔は水道なんて完備されていませんでしたから、洗濯に適したキレイな水がある川辺などにわざわざ汚れた衣類を運んでいって、手でゴシゴシ足でフミフミ石に叩きつけたり…といった重労働だったのです。
 その後、洗濯板や樽を改造して洗濯物をグルグル回して洗う機械なども開発されましたが、もっとラクをしたい! という欲望から「電気式洗濯機」がアメリカで開発されます。
 時代としては1900年代初めの頃の話で、アルバ・ジョン・フィッシャーという名のアメリカ人が電気式洗濯機の初の特許を個人名で取得しています(その前にも電気式洗濯機の特許は取得されていますが、企業からの登録だったようで、一応このアルバ・ジョン・フィッシャーが電気式洗濯機の生みの親的立場のようです)。

 その後、アメリカでは重労働として位置づけられていた洗濯は、電気式洗濯機に移行していきますが、ヨーロッパにこの流れが行き届いたのは1930年以降です。
 このようなアメリカ人の「重労働から解放されるために工夫する!」という感覚は、文化的生活を発展させるために大変重要です。

ほどほどに欲を持って生きよう
 ちなみに2009年にカトリック教会の半公式新聞が「重労働から女性を解放する重要なマイルストーン(目標を達成するのにどこまで進んだかをわかりやすくする指標)であった」と洗濯機開発について述べています。
 2009年にやっと述べられたのかという感じもしますが、とにかく人の「怠けたい、ラクしたい」という気持ちが、文化水準を大きく上げるためには必要不可欠なのです。

 動物は基本的に欲がないと生きていけません。
食欲がなければ食べずに死んでしまいますし、睡眠欲がなければ過労死、全人類から性欲が消えたら人類は滅亡します。
 まず、「欲がある」ことがダメ人間じゃないこともハッキリとここで言っておきます。

 ダメなことは「欲深い」こと。
何でも過ぎたるは及ばざるが如し。やり過ぎはどんなにいいことでも全てを台なしにしてしまうので、何事もほどほどに。

 ちょっとだけ欲を出して生きていいんだなと、まずはご理解ください。

 POINT:  怠けたい、ラクしたい、がんばりたくない、努力したくないけど、どうにかなる方法を考えてみよう。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☁ | Comment(0) | 健康・生活・医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]