2022年07月19日

旧統一教会 信者勧誘の手法

旧統一教会「世界平和統一家庭連合」の勧誘から自分と家族の身を守る方法
2022年07月18日 日刊ゲンダイDIGITAL

 全国霊感商法対策弁護士連絡会などによると、昨年末までの約35年で世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に関する被害総額は約1237億円。
09年以降も昨年までに約4000件の相談があり、約175億6000万円の被害が出ているという。
家庭連合の田中富広会長が会見で話した「09年以降、そういったトラブルはありません」という言い分と大きく食い違っている。 (編集部注= 旧統一教会側は17日、上記の発言について、「コンプライアンス順守の結果が表れているという趣旨であり、トラブルがゼロになったという意味ではない。言葉不足で誤解を招いたことを率直におわびする」などとする声明を出した)
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旧統一教会を巡るトラブルは1980年代後半から目立ち始め、桜田淳子らが参加した1992年の合同結婚式(祝福結婚)はメディアでも大きく取り上げられた。
マインドコントロールという言葉が広く知られ、後にオウム真理教も影響を受けたとされる。
 だが、あれからすでに30年の歳月が過ぎて人々の記憶も薄れ、特に若い世代は「統一教会」の騒動自体を知らない。

 ごく簡単に騒動後を説明すると、旧統一教会は1994年に現在の「世界平和統一家庭連合」に名前が変わり、日本では遅れて2015年に文化庁から改称を認められている。
2012年に開祖の文鮮明氏が死去すると、本国の韓国で内部対立が発生。
妻の韓鶴子氏が総裁として教団を継承したが、七男がサンクチュアリ教会を設立して分派している。
ちなみに、文鮮明氏と韓氏は合計14人の子供をもうけたが、薬物依存や自動車事故死など必ずしも家庭は円満とは言えない。

 宗教団体としてはキリスト教のカルト団体に分類されるが、教団内の主要な考え方は「日韓友好」「世界平和」「南北朝鮮の統一」「在日同胞の融和」が基本線にあり、その理念自体は素晴らしいと共感する人もいる。
一方、政治的には右派傾向にあり、憲法改正や集団的自衛権の行使容認、非核三原則の改廃、LGBTの否定、性教育の廃止(貞操教育の実践)と、安倍元首相が率いた清和会に近い思想となっている。
特に傘下の「勝共UNITE」(旧・国際勝共連合)は反共産主義の団体で、ツイッターや機関紙などで共産党や立憲民主党の批判を盛んに展開中。
SNSでよく見かける過激な意見が、実はこの団体の発信だったりする。
また、選挙のたびに信者を自民党系候補の応援に回すなど自民党と蜜月なのも有名だ。

■宗教団体を隠すさまざまなダミー団体
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 日本には信教の自由があるので教義についてとやかく言う気はないが、「地獄に落ちる」などと不安をあおり印鑑や数珠、経典などを売りつける手法はいただけない。
 ならば、トラブルに遭わないために近づかなければいいのだが、これがなかなか難しい……。
「私も大学4年生の頃、友人を通じて統一教会と知らされないまま自己啓発セミナーに誘われました。それをきっかけに入信したのですが、勧誘する時点では正体を隠しているわけですので、宗教団体だと見抜くことは難しいかと思います」
 こう話すのは、自身も1987年から10年間、旧統一教会の信者だった詐欺・悪徳商法ジャーナリストの多田文明氏だ。

「今の学生は昔の事件を知りません。ボランティアやSDGsなどウケのいい活動目的に勧誘するのは昔からで、しかも末端の信者は真面目でいい人が多く、一度中に入ってしまうと抜け出すのは難しい。
私の頃は、統一教会の学生組織は『原理研究会』と呼ばれていましたが、今は名称が変更されています。
かつての統一教会を知る親たちも、団体名から統一教会だということを察知するのは難しくなっています」(多田氏)

 多田氏の言う全国大学連合原理研究会は、現在は「ワールドカープ・ジャパン」(WCJ)と名乗っている。1992年ごろを境に隠れみの団体の名称が次々変わっていて、さらに付け加えると、団体が数えきれないほど増えている。
安倍元首相が祝辞を贈った「天宙平和連合」もそのひとつだし、イベントや催し物も無数にあるので全ては覚えきれない。
学生らが夏休みに全国を自転車で走る「ピースロード」と聞けば、男女の若者の爽やかなイベントを連想するが、実はこれも教団が関係するイベントなのだ。

 では、家庭連合はどういった手法で信者を勧誘してくるのだろうか? 
それを知るだけでも対策になる。

■「手相を見ます」と声をかけてくる
 有名なのは「アンケート」と称して接触してくること。
当たり障りのないアンケートをしながら“貯蓄額”を聞き出すのが手だ。
 街中で急に「手相を勉強している」「無料で姓名判断をしている」と声をかけられることも多い。
最初は「いい手相ですね」と褒めてくるが、いい気分になっていると次第に言動が怪しくなる。
若い女性であれば「結婚できないのは先祖の因縁……」などと言って印鑑を売りつけてきたりするのだ。
最近はインターネットによる無料の占い、風水鑑定もあるので気をつけたい。

恐怖をあおるやり方は信者に対しても同じ。元信者への損害賠償が認められた訴訟でも、「地獄で苦しむ」「子孫に悪いことが起こるのは先祖の因縁」などと話して不安を抱かせたという。

■若いのに恋愛をしなくなったら赤信号
身内ににいたら要注意 統一協会.jpg
 ところで、自分は大丈夫でも娘など家族の入信を防ぐ方法はあるのか。
ある程度、家族の挙動から危険信号を見分けられるという。
まず服装や生活が地味になったら要注意。
家庭連合は純潔は誇りだと教えるので、恋愛をやめて地味になることが多い。
また、会話の中で頻繁に自己啓発セミナーの話が出てきたり、朝早くボランティアと言って出かけたりするのも危険信号。
何のボランティアか聞いても、説明が曖昧だったりする。

■韓流ファンでもない娘の韓国旅行に注意
「完全に入信してしまったら脱会させるのは相当至難の業ですが、『ちょっと旅行』などと言って韓国にやたらと出かけるのも兆候のひとつ。
さらに旧統一教会側は“教団こそが真の親だ”と言って若い信者を両親から引き離そうとしますので、会話や相談などが少なくなったら、親の方から積極的に話しかけてみてください」(多田氏)
 単なる韓流ドラマやコスメのファンということもあるが、韓国への渡航が続くようなら疑ってみる必要はありそうだ。

 1人暮らしの女性は特に狙われやすいので、電話などで連絡を密にすることが重要だ。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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