2022年07月29日

数字に弱い人がダマされる「%」の罠【私たちの会社は東大卒が50%です】

数字に弱い人がダマされる「%」の罠
2022年07月28日 ダイヤモンドオンライン

【「5回勝負して4回勝つ人」と「100勝負して60回勝つ人」ビジネスで優秀なのはどっち?】の広告でも話題沸騰。
全国3000社が導入し、話題沸騰のマネジメント法「識学(しきがく)」の代表・安藤広大氏の最新刊『数値化の鬼』。

「仕事ができる人」に共通することは、「数字で考えること」や「数値化のクセをつけること」だと言う。
数字によって自分の不足を客観的に受け入れ、次の行動設定や行動変容につなげることによって、人は「急成長」する。

「数字で人を見るな」「数字がすべてではない」ということはよく言われるが、「数字」は決して無視できない存在。
この本では、「感情を横に置いて、いったん数字で考える」「一瞬だけ心を鬼にして数値化する」など、頭を切り替える思考法を紹介する。

■目標の「%」に気をつける
 経営者やマネジャーは、部下やプレーヤーが行動に移せるような目標設定をする必要があります。
 たとえば、「契約率『50%』を目指す」というような目標を掲げたとしましょう。
 すると、どんなことが起こるでしょう。
 もし、10件中5件の契約が取れたとしたら、次の11件目に臨まなくなります。
「ヘタに次の契約が失敗したら、11分の5で、50%を切ってしまう……」  と考えて、チャレンジすることが不利益になってしまうからです。
 やらないほうがトクになってしまうのですが、こうなることは避けないといけません。

 そもそも、「%」は悪用されたり、誤解を与えることが多い概念です。
「うちの塾は、合格率90%以上です」
 → ただし、1人が複数校に合格しているものもカウントする
うちの会社は、利益が前年比1000%で成長しています」
 → ただし、昨年の利益は1万円だけで、今年も10万円しかない
「私たちの会社は、東大卒が50%です」  → ただし、2人のうち1人だけ
 など、計算の仕方によって印象を操作したいときに、「%」は便利です。

 それを理解した上で、ダマされないようにすべきです。
 そのための口グセとして、 「この%は、何分の何ですか?」  という確認が便利です。
 相手から説明されないときは、何かしら隠しておきたい「意図」があると思って間違いないでしょう。
 これは、「行動量」を確認する意味もあります。
分母が量を表しているからです。
ここでも心を鬼にして数字と向き合う必要がありますね。

■組織と個人が「ブレーキ」を踏むとき
 経営でも同じことが起こります。 「前年比」という基準があります。
 たとえば、昨年は10億円の売上があったとしましょう。
 そして、今年は「前年比105%の売上を達成すること」が目標になったとします。
 半年が経ち、予想よりも売上が順調にいき、12億円の売上が達成できそうな予測が立ったとします。
 すると、次のような誘惑が頭に浮かばないでしょうか。 「このままいけば、12億円の売上が達成できる。しかし、待てよ。来年も前年比105%の売上が目標になりそうだ。そうであれば、来年の目標達成が苦しくならないように、今年の売上は11億円くらいに抑えて余力を残そう」
 まさにこれが、「%」によって行動にブレーキを掛けてしまう瞬間です。

 調子がいいときに12億円の売上を達成したほうがいいに決まっているのに、翌年が大変になってしまうことを考えてしまって、11億円に抑えてしまう。本末転倒なことが起こるのです。
 このご時世、来年や再来年も、同じように成長するとは限りません。
 今の日本では、現状維持でさえ難しい企業も多い。
 それなのに、「前年比」という計算にとらわれてしまい、目の前の成長を止めてしまうのです。
 この誘惑は、個人でも組織でも、同様に起こりえます。
「このへんでセーブしておこう」 「余裕を残しておこう」  という判断は、すぐにクセになり、本気を出すことをしなくなります。

 余力というのは、次の事業や新しいスキルに投資して、さらに大きくリターンを得るときに使う言葉です。
 投資によって成長を生むための余力であって、節約のための余力ではありません。
 長期的な視点が必要なのを覚えておきましょう。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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