2022年10月03日

実は危ない?あの「酸素」の知られざる怖い性質

実は危ない?あの「酸素」の知られざる怖い性質
学校では教えてくれない「ヤバい物質・現象の話」3選
るーい : YouTuber
2022/10/02 東洋経済オンライン

世の中には、知ると驚くような不思議なことがたくさんあります。
宇宙の天体や、恐ろしい生物、世界の壮大な現象など、数えるときりがありません。
しかし、その多くは学校で習うこともなく、生活していても耳にすることはあまりないはずです。 ここでは『学校では教えてくれない ヤバい科学図鑑』(るーい/著、左巻健男/監修)から、「酸素」「爆薬」「衝撃波」の「ちょっとコワくて不思議な話」を科学でひもといていきます。ぜひ、お楽しみください。

@実は危険な気体だった「酸素」
●気中の酸素は窒素より少ない
人間は空気中の酸素を吸い込み、二酸化炭素を吐き出しています。
人間が生きていくためには酸素が絶対に必要です。
そんな酸素ですが、実際には私たちのまわりにある空気の中には酸素や二酸化炭素以外にもいろいろな気体があります。
実は空気中でいちばん多いのは窒素(78%)で、酸素は21%しかありません。
空気中にある酸素は、窒素より少ないのです。

●酸素が多すぎると?
酸素の量が減ると人間の体は危険になりますが、逆に酸素の量が多いとどうなるのでしょうか。
もし窒素と酸素の割合が逆だったら、もっと楽に息ができたり、たくさん動けたりするのでしょうか?
実はそうではなく、酸素が多すぎても人間の体は危険になり、吐き気やめまい、けいれんなどを起こすことがあります。これを酸素中毒といいます。

●酸素が多いと燃えやすい
1967年、アメリカのアポロ1号宇宙船が地上でのテスト中に燃えて、宇宙飛行士3人全員が亡くなりました。
アポロ宇宙船の中の酸素はとても高い濃度であったため、電気の配線から出た火が勢いを増したとされています。
このように、酸素が多いということはとても危険なことでもあるのです。
人間には絶対に必要な酸素ですが、その扱いには注意が必要なのです。

●酸素はもともと猛毒だった
太古の地球では生物にとって酸素は猛毒でした。
35億年前まで地球の大気にはそもそも酸素は存在しておらず、生物たちも酸素を使わない呼吸をしていました。
しかしその後、光合成によって酸素を作り出す生物(シアノバクテリアラン藻)が誕生したことで、猛毒の酸素が地上にばらまかれ、たくさんの生物たちが死んでしまったのです。

Aなぜ爆薬は一瞬で爆発するのか?
●一瞬で燃えつきる
木や炭は火をつけても燃えるだけなのに、爆薬はなぜ爆発するのでしょうか。
炭に火をつけると、熱やガスを出しながらゆっくりと燃えます。
ところが爆薬は、火をつけると一瞬ですべてが燃えつきるのです。
そのため、炭が何時間も燃えることで出す熱やガスを、爆薬は一瞬のうちに出してしまいます。
一瞬で燃えつきるこの現象を、爆発と呼んでいるのです。

●なぜ一瞬で燃えるのか
ではなぜ爆薬は一瞬で燃えつきるのでしょうか。
ふつうはものが燃えるときには空気中の酸素が必要です。
そのため、火をつけると空気に触れているものの表面から少しずつ燃えていきます。
しかし、爆薬は爆発するのに酸素が必要ない構造になっています。
このため、爆薬に火をつけると、表面だけでなくその内部も同時にすべて燃えてしまうのです。

●火薬と爆薬も違う
火薬は銃の弾丸を打ち出したり、ロケットを飛ばしたりと、ものを動かしたり飛ばしたりすることに使われます。
それに対して爆薬は、爆弾など、ものを壊すために使われます。そのため、火薬よりも爆薬のほうが爆発力も大きいのです。
爆薬は火薬よりも反応が速く伝わり、短い時間の中でエネルギーが出るため、同じエネルギーでも火薬より爆発力があるのです

Bすべてを破壊する衝撃波の正体とは?
●音とは何か?
空気中で、音よりも速く進むものは、衝撃波を発生します。衝撃波とはそもそも何でしょうか。
そしてなぜ発生するのでしょうか。
実は衝撃波が発生する仕組みは、音が生まれる仕組みと似ています。
音は空気が振動することで伝わりますが、それは空気が詰まっているところとあまり詰まっていないところの圧力の差が波のように伝わるためで、衝撃波ももともとの原理は同じなのです。

●スピードを上げると?
音も衝撃波も、圧力の変化で生まれる「圧力波」の一種です。
例えば、止まっているジェット機からは、エンジンなどの音はまわりに360度広がります。
しかしジェット機が飛び始めてスピードを上げていくと、ジェット機の後ろに出ていく音の波は後ろのほうにどんどん広がっていきます。
一方、ジェット機の前に出ていく音の波は、ジェット機に追いつかれてしまい、押しつぶされていきます。

●音速を超えると?
ジェット機がどんどんスピードを上げて音と同じスピードになると、音の波はもうジェット機の前に飛び出せず、ジェット機といっしょに進んでいくことになります。
そのため、ジェット機の正面では空気の圧力が一気に高くなりますが、その少し後ろでは逆に圧力が一気に低くなるため、圧力の大きな差によって、とても大きな圧力波が生まれます。これが衝撃波の正体なのです。
私たちが聞くあの「音」も衝撃波だった

●衝撃波は爆風を生む
ジェット機が音の速さ以上のスピードで飛ぶと、ジェット機の正面の空気の圧力が高まり、空気は音の速さを超えるスピードで押し出されます。
これはものすごい風になり、これを爆風と呼びます。
爆弾の爆発やガス爆発などで家が吹き飛ばされたり、ガラスが割れたりしますが、このような爆風が起きるのも、衝撃波によるものなのです。
核爆発ともなればすさまじい衝撃波が発生します。

●意外に身近な衝撃波
衝撃波はとても大きな圧力の波ですが、すぐに弱まってしまい、ソニックブームと呼ばれる大きな音に変わります。
例えば打ち上げ花火では、花火が爆発することで、衝撃波が発生します。その衝撃波が弱まってソニックブームになったものが、私たちが聞いている花火の音なのです。
また、雷の音もソニックブームの一種です。
衝撃波は私たちの身近なところでも生まれているのです。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 教育・学習 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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