2022年10月20日

貯金できない人は「銀行口座の使い方」を知らない

貯金できない人は「銀行口座の使い方」を知らない
貯まる人は「残高確認」と「使い分け」をしている
坂本 綾子 : ファイナンシャルプランナー
2022年10月20日 東洋経済オンライン

「自分はなんでこんなに貯金が少ないんだろう?」「こんな感じで老後は大丈夫なのだろうか?」 お金のことを考えると、思わず不安になる人は少なくありません。
その結果、「貯金」「資産形成」「投資」などの言葉に過敏に反応したり、逆に目を瞑ってしまう人もいることでしょう。
しかし、『節約・貯蓄・投資の前に 今さら聞けないお金の超基本』(朝日新聞出版)などの多数の著作で知られるファイナンシャルプランナー・坂本綾子さんは、「お金はあくまでも、感情を持たない数字。だからこそ、お金に好かれる人になるための習慣作りこそが大切なのです」と語ります。
坂本さんの新著『ズボラさんでも なぜか「やる気になる」 お金に好かれる人になるための35の習慣』より一部抜粋・再構成してお届けします。

銀行にお金を預けるのはなぜ?
大人なら、日本ではほぼ全員持っているのが銀行口座です。
給与や仕事の報酬、年金などが振り込まれます。
給料日にホッとしながらATMから生活費を引き出した経験はありませんか?

  銀行口座を持つことのメリットは、主に次の3つです。
1、手渡しではなく、お金のやり取りができる。
受け取りや支払いをすべて現金で手渡しで行うには、相手と対面できる時間に、対面できる場所まで出かけて行かなければなりません。これはなかなか大変です。
銀行口座で受け取る、銀行口座から引き落とすことで、対面する手間を省けます。これを銀行の決済機能といいます。

2、お金を安全に保管して利息をもらえる。
現金は落としたり失くしたりしたら、ほぼ戻ってくる可能性はありません。
自宅が火事になったら「タンス預金」にしていた現金が燃えてしまうリスクもあります。
銀行口座は名義人が決まっていて、口座のお金は名義人の資産です。お金にちゃんと名前がついているのですね。
そして、預金には利息が付きます。
銀行では、預かったお金を、お金を必要とする人や企業などに貸し出します。
貸した人からもらう利子は銀行の利益になり、その一部をお金を預けてくれたお礼として預金者に利息として支払います。
お金に余裕がある人と、お金を必要とする人を仲介することから、これを銀行の金融仲介機能と言います。

3、お金を借りることができる
自分のお金を預けるだけではなく、借りることができます。
個人がお金を借りるといえば住宅ローンが代表的ですね。
銀行では、預かったお金の一部は預金者からの引き出しに備えて手元に残しますが、他は貸し出しに回します。
例えば、Aさんから100万円を預かり、10万円を残して90万円をBさんに貸し付けると、最初に預けられたお金が、預金者と借りた人の両方に活用され、計算上は合計190万円になります。
銀行が預かったお金を貸し出すことを繰り返すと、合計額はもとのお金の何倍かに膨らみます。
みんなが銀行を信用してお金を預けるから可能になることで、銀行による「信用創造」といいます。

銀行は、社会にお金を循環させる金融機関の代表です。
そのため、銀行の業務は法律で厳しく規制されてきました。
この規制が少しずつ緩和され、かつて横並びだった預金の金利は銀行ごとに自由に決められるようになりました。
銀行は金融商品の小売店のような役割も果たすようになり、多くの銀行では、投資の利益が非課税になるNISA口座や、老後資金を準備できるiDeCo(個人型確定拠出年金)も取扱います。

また、2000年以降、次々とインターネット銀行が開業し、大手スーパー・コンビニなどの流通系企業も銀行業務に参入。
銀行は大きく変化しています。少なくとも自分が使っている銀行については、ときどきサイトをチェックしましょう。
まずATM手数料。手数料が無料になる時間帯、無料で使えるコンビニや提携のATMを確認しておきましょう。
次に、NISA口座やiDeCoの取扱いと、中身の金融商品ラインナップ。
投資信託はどんなものがありますか。使い慣れた銀行で投資もできるなら便利です
あとは、ATM手数料が無料になるなどの特典がある会員サービスや預金の金利など。手数料の節約につながり、口座を持っている銀行を使いこなすための情報を収集します。

銀行は、1行だけではなく、2〜3行を使い分けるのがおすすめです。
銀行にはいくつかの種類があり、それぞれ特徴があるからです。
従来から存在し、都市部を中心に全国に店舗を展開する都市銀行、
県庁所在地などを拠点とし周辺に店舗を展開する地方銀行。
さらに新しいタイプの銀行として、インターネット取引を原則とするインターネット銀行、
コンビニなどにATMを設置する流通系の銀行など。

厳密には銀行ではありませんが、信用金庫や信用組合なども、銀行とほぼ同様に利用できます。
消費者にとっては選択肢が増えているのです。
自分が合計でいくらの預金を持っているか、お金を増やすために買った投資信託の評価額は今いくらか。すぐに答えられますか?
 ネットバンキングなら簡単に確認できます。

自分の資産残高を把握することは、確実に貯めるための基本です。
銀行を始めとする金融機関を絞り込んで、お金の流れをシンプルにし、資産残高をネットで確認できる環境が整っていると、お金が貯まりやすくなります。

銀行を上手に使い分ける 銀行は日常的に利用する金融機関です。
とはいえ、いったん口座を作った後は、キャッシュカードを落としたなど特別なことがない限り自分が使っている銀行の商品やサービスを改めて確認することは少ないのではないでしょうか?
実は、銀行には大きな変化が起きています。
横並びだった預金金利を高くつける銀行が出てきたり、ネットで住宅ローンを申し込めるようになったり、外貨建てで引き落とせるデビットカードが登場したり……。それぞれの銀行の個性が際立ってきて、選択肢が増えています。

あなたは銀行を上手に使いこなせていますか? 
次の3つのうちあなたはどのタイプですか?
@使っている銀行は1つだけ。
入金も出金も1つの銀行だからラク。ATMで現金を引き出したときに残高を見るくらいで、通帳記帳はしていない。普通預金の残高が一応貯金のつもり。
A銀行口座は複数あるが、いくつかはほったらかし。 ネット情報などを見て、いいなと思った銀行に口座を作り、最初は張り切って定期預金を作ったりしたけど、だんだん面倒に。
実際によく使うのは1〜2行。
B使っている銀行は複数。
就職、引っ越し、転職などのたびに必要に迫られて作った銀行口座がいくつかある。 給与振込口座、クレジットカードの引き落とし口座、住宅ローンの引き落とし口座が違うので、毎月、給料が出ると、お金を移す。忘れそうになってヒヤッとしたことも。
銀行口座はいくつ持てばよいのか これらは、ありがちな使い方です。

そもそも銀行口座はいくつ持てばよいのでしょう。
銀行口座は1つよりも複数がおすすめです。
システムの不具合で銀行取引ができない事態が発生するリスクがあるからです。
2つ以上の銀行に、お金を入れておいた方が安心です。
また、銀行ごとに商品・サービスに差が出てきているので、複数の銀行を上手に使い分けたいものです。

ただし、数は多すぎないこと。基本は2つです。
日常的な入出金を行う「普段使いの銀行」と、お金を「増やす銀行」です。
さらに趣味のお金を管理する、副業の入出金用に使うなど、生活スタイルに合わせて第3の銀行を加えてもいいですね。
どんなに多くても5つあれば、通常の生活では充分でしょう。
普段使いの銀行の候補となるのは、都市銀行や地方銀行など従来からある銀行です。
公共料金の引き落としを始め幅広い取引に対応しているからです。
給与振込口座は、都市銀行や地方銀行の人が多いと思います。給与が振り込まれる銀行を普段使いの銀行として、生活費の引き落としは全部ここから行います。
そうすれば普段使いの銀行で収支を把握できます。 給与振り込みが信用金庫や信用組合の人は、信用金庫や信用組合を普段使いの銀行にします。

信用金庫や信用組合は地域密着型の金融機関で、顔が見えるお付き合いを大事にしています。
もちろんネット取引にも対応していますから、普段使いの銀行として利用できます。
増やす銀行として都市銀行、地方銀行、ネット銀行などを組み合わせてはどうでしょうか。

生活スタイルに合わせて追加する第3の銀行は、流通系の銀行やゆうちょ銀行などが候補です。
趣味の時間を大事にしているなら、1か月あたりの予算を決めて入金しておき、ここから使います。
ゆうちょ銀行は直営店に加えて全国の郵便局が窓口なので旅行好きの人、移動が多い人に向いています。
ネット銀行には屋号付きの口座を作れるところもあるので、副業をしている人や個人事業主に便利です。

お金の動かし方を事前に考えておく
複数の銀行に口座を持つには、お金の動かし方を事前に考えておく必要があります。
会社員なら、お金が入ってくる口座(給与振り込み口座)は通常1つですね。
そこから、増やす銀行や第3の銀行にお金を動かすには、ATMを使って現金で出金・入金するか、振り込みのどちらかです。 ATMを使うと手数料は1回あたり110円から220円、ATMを使った振り込みはさらに数百円、ネット振り込みは金額などにより数百円以上の振込手数料がかかります。

低金利で預金ではお金が増えない時代に、自分のお金を動かすのに手数料を払うのはもったいない。
使う銀行は全部インターネットバンキングの契約をしておきましょう。
銀行の中には、条件を満たせば他行宛てネット振込手数料が月当たり一定回数無料になるところがあります。
また、無料で使えるコンビニATMが共通なら、コンビニATMで普段使いの銀行から引き出して、貯める銀行や第3の銀行に入金できます。
その逆も可能です。ネットバンキングなら、いつでも、どの銀行にいくら残高があるかを確認できるのもメリットです。

銀行で利用できる預金の種類は把握していますか。
・普通預金…1円単位でいつでも預け入れ引き出しができる。お金の受け取り、引き落としや振り込みができる
・定期預金…1か月、6か月、1年など一定の期間預け入れる。その分、普通預金よりも金利が高い。普通預金と分けることで、残高の確認がしやすく取り崩しも防げる。
・ネット定期…インターネットで預け入れる定期預金。ネット銀行などでは金利が高い。普段使いの銀行の残高が100万円以上にまとまったら、ネット銀行に移してネット定期にすると利息が増える。

銀行では、仕入れて売っている金融商品として投資信託もあります。預金と併せて投資信託の評価額もネットで確認できます。
銀行は厳選した2〜3行を使う、ネットバンキングで資産残高をいつでも確認できると貯蓄のモチベーションが上がります。
posted by 小だぬき at 15:16 | 神奈川 ☀ | Comment(2) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
小だぬきさんお久しぶりです。お元気ですか?

私は、関東圏にいます。週2回短時間のパートができるようになりました。1月から続いています。  

すったもんだはありますが、元気です。

銀行は転勤族でも大活躍郵貯銀行が振込口座。地銀とネット銀行は数行あります。主に使ってるのは3つです。

主人が専用に持っている銀行とカードは知りません。話し合いしたいと思います。
Posted by ちゃいね at 2022年10月25日 16:25
ちゃいねさん、無理がないようにしてね。
2023年も良いことを積み上げていく年にしていきましょうね。
子供達も成長したのでしょうね。
Posted by 小だぬき at 2023年01月01日 18:10
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