医療費を抑える病院のかかり方
「時間外」「薬をもらうだけ」「紹介状なし」は避けたい
12/15(木) マネーポストWEB
コロナ対策の巨額のバラ撒きを取り戻すつもりなのか、岸田政権は様々な税・保険料の「負担増」を画策している。
そして、医療費負担増も重くのしかかってくる。
対策を練ることが急務だ。
2022年10月、一定の所得がある75歳以上は医療費の窓口負担が1割から2割にアップした。
2023年4月からは自営業者らが加入する国民健康保険の保険料について高所得者の年間上限額が2万円引き上げられる。
医療経済ジャーナリストの室井一辰氏が語る。
「厚生労働省によると、令和2年度の国民医療費は42兆9665億円と、年々増加傾向にあります。
少子高齢化で国家財政が逼迫するなか、個人の医療費負担が今後も増え続けるのは確実。
対抗するには“病院のかかり方”などを変えて、無駄なお金を節約することが大事です」
患者が払う医療費には一定のルールとともに、“病院のかかり方”などによって異なる部分がある。
それらを把握することが、医療費の節約につながる。
まず知っておきたいのは「時間外」の加算だ。
「時間外に受診すると診療費が割り増しになります。
初診の場合、休日は2500円(3割負担で750円)、22〜6時の深夜は4800円(同1440円)かかります。
加算を考えたら急変以外、時間外の受診はなるべく控えましょう」(室井氏)
病院でもらう診療明細書には診療内容が記される。
その内訳は点数で表示され、金額は1点10円で計算する。
点数に0をひとつ加えたものが実際の金額となる。
診療明細書の「基本料」の欄に「休日加算」「夜間・早朝等加算」などと記載されていたら、時間外の余分なお金を取られたことになる。
大学病院など、大きな病院を受診する場合も注意が必要だ。
「200床以上の大病院では、かかりつけ医の紹介状がないと『選定療養費(特別料金)』というお金がかかり、2022年10月から初診で7000円以上、再診で3000円以上を徴収されます。
選定療養費は保険が適用されないので全額自己負担となり、再診では毎回3000円以上がかかり続けて負担が大きくなります」(同前)
大きな病院のほうが安心と考えて紹介状を持たずに受診すると高くつく。
まずは必要に応じて紹介状を書いてくれるかかりつけ医を見つけることが肝要だ。
病院を受診すると初回に「初診料」、2度目以降は「再診料」がかかり、それぞれ2880円(3割負担で860円)と730円(同220円)になる。
再診料の負担を減らすには、通院の回数自体を減らす方法がある。
「健康を損なっては元も子もないが、薬をもらうためだけの通院なら、一度の受診で上限日数分(最大90日分)の薬を処方してもらえば通院の回数を減らせます。
受診しなくても薬を出してもらえる『リフィル処方箋』の活用も検討したい」(同前)
今年4月からスタートした「リフィル処方箋」は、症状が安定している患者なら上限3回まで繰り返し処方箋を使える。
有効利用するのも手だ。
※週刊ポスト2022年12月23日号