「七福神ってなあに?」 ・・・
2023.1.3
田中英道<ルネサンス編集部>メルマガ


七福神ってなんでしょうか?
すごく身近で誰もが知る存在ですが、 一体どういう神様なのか分かりますか?
日本神話に出てくるのでしょうか。
今日はそんな、 意外と知らない「七福神」のルーツを 解説していただきました。
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七福神で注目すべきことは、 恵比寿をのぞく六福神が 外国の神様だということです。
大黒天、弁財天、布袋、福禄寿、寿老人は いずれも中国の神、毘沙門天はインドの神です。
仏教に取り入れられたり、 中国の道教や禅僧の神々で宝船に乗り込んだ姿は、 まさに「呉越同舟」です。
いずれも福の神なので、 七福神と呼ばれますが、 「笑う神」というのも珍しい存在です。
室町時代までは、 日本人にとっての世界は天竺(てんじく)、 支那と日本で成り立っていました。
そして、それらの神々が日本にやってくると、 日本の神々と融合しました。
例えば、 大黒天は大国主(おおくにぬし)と、 弁財天は天宇受賣(あめのうずめ)と 融合しました。
いったいこうしたバラバラの神々が なぜみな「笑いの神」なのでしょうか。 また「福の神」なのでしょうか。
その答えは簡単です。 日本人は人間の性格はもともと善であり、 陽気なものと考えました。
『万葉集』ではすでに大伴旅人が このように詠っています。
《この世にし らしくしてあらば 来む生には 虫にも鳥にも われはなりけむ》 仏教が入り、死後、六道の畜生道に回されても、 この世の楽しさを享受しようというのです。
仏教の教えを深刻に考えなかった証拠です。
人間はもともと自然の一部であって、 自然は心変わりがあっても、 基本は幸福に生きることにある、ということです。
この日本人の楽天性が室町時代以後、 仏教的戒律から解き放たれた日本人、 特に商人を中心にして、 自分たちの神々を作り出したのです。
すでにその元の姿を忘れて、 それぞれ日本人の善意のあふれる 福の神々を作り出し、 それが七福神の姿になったと いってもよいでしょう。
私はこれにキリスト教の日本伝来が マリア観音の形をとって融合し、 さらに近代ではサンタクロースという 子どもにプレゼントを持ってくる キリスト教の聖人が神となって、 「クリスマス」という祝日と 結びついたと考えています。
日本の「クリスマス」は八福神の一神、 サンタクロースの祭りなのです。
さらに付け加えれば、 2月にチョコレートを贈る バレンタインを入れてもいいのかもしれません。