ランチパック、ポッキーに中濃ソース…2月も食品類に押し寄せる再値上げの波
2023年1月28日 東京新聞朝刊
2月に予定される食品の値上げは約4300品目と、6700品目が対象だった昨年10月以来の波となる。
3月も約1800品目の値上げを控え、早くも今年予定される値上げは約7400品目に及ぶ。
円安は一時期より落ち着いているが、企業は仕入れ価格の値上がりをなお十分に販売価格に反映できておらず、今後も値上げの余地は大きい。(並木智子)
帝国データバンクが食品主要105社を対象にした調査では、2月の値上げは4283品目(1月5日時点)で、昨年1月以降で2番目に多い。
繁忙期の年末年始を避けた上、春に季節商品の入れ替え時期を迎えるため値上げ商品が増えたとみられる。
2月は菓子や加工食品、調味料など多岐にわたる。江崎グリコは定番のポッキーやプリッツなど345品目を順次値上げ。小麦など原材料価格の高騰が影響した。鶏卵の価格も例年より高値で推移し、担当者は「注視したい」と話す。
ニッスイは2月に冷凍食品、3月にはすり身製品を値上げする。
多くは昨年1月以降3回目の価格改定で値上げ率も初回より2〜17ポイント上昇。資源管理で漁獲枠が減少するすり身の価格は「約30年ぶりの高値」(同社担当者)で、人手不足に伴う人件費上昇も響く。
◆販売価格にコスト未反映
夏ごろまで値上げは続くか ただ、企業はまだコストを販売価格に反映しきれていない。
原材料の仕入れなど企業間で取引されるモノの価格を示す国内企業物価指数の伸び率は昨年12月が前年同月比で10.2%。消費者物価指数(生鮮食品を除く)の伸び率は同4%にとどまる。
昨年前半より差が縮まっているものの、今も大きな開きがある。
帝国データバンクの担当者は「差が埋まらない限り、値上げは断続的に進む」と、夏ごろまで毎月1000〜2000品目の値上げが続くとみる。輸送費の上昇なども今後の値上げ要因で、東京商工リサーチの調査では、既に今年1〜6月に予定される値上げ商品は1万36品(食品主要121社対象)に上る。