洗剤、柔軟剤「ボトル」より「詰め替え用」の方が割高のケースあり 逆転現象なぜ?
2023.4.27 BSS山陰放送
洗剤やシャンプー、ボディソープなど、様々な日用品に存在する詰め替えパック。
お得、エコだからという観点から多くの人が購入しているかもしれません。
しかし、その販売価格をよく見てみると…実は詰め替え用の方が割高な場合もあります。
一体なぜこのような逆転現象が起きてしまうのでしょうか?
街で聞きました。
日用品の「詰め替え」使っていますか?
街の人は 「ヘアーシャンプーとボディソープ、台所の詰め替え用とかですかね、選びます。そんなにお得という気持ちではないですけど、気持ちほど」
「食器洗剤とか洗濯洗剤とか柔軟剤とか購入します。ゴミが少なくて済むからいいかなと思います」
多くの日用品に存在する詰め替え品。 ドラッグストアの売り場を見てみると、大容量でお得な場合がほとんどですが、実はなかには、ボトル入りの方が割安で、詰め替え品の方が逆に割高な商品もあります。
例えば鳥取県米子市内のドラッグストアで調べてみると… A社のボディソープは、ボトル入りが550ミリリットルで547円。詰め替え用が440ミリリットルで547円で販売されていました。
100ミリリットルあたりだと、ボトル入りが99.5円で詰め替え用が124.3円。
ボトル入りの方が24円以上安くなっています。
また柔軟剤でも、B社はボトル入りが480ミリリットルで327円、詰め替え用が850ミリリットル767円で販売されている商品がありました。
100ミリリットルあたりだとボトル入りが68.1円、詰め替え用が90.2円。ボトル入りの方が20円以上安くなっています。
容器代が含まれない分、詰め替え用の方が割安に買える気がするのですが…なぜ、ボトル入りの方が安い場合があるのでしょうか。
なぜ、「詰め替え用」の方が割高な場合ある?
公立鳥取環境大学 経営学部 竹内由佳 副学部長 「皆さんも洗剤とかシャンプーとかは、あまり考えないで買いたいものの一つに挙がっているので、基本消費者の行動はルーティン化していると言われています。
ルーティンを断ち切って、なんとかして自社に引っ張らないといけないわけですよね」
実はこれ、日用品の買い替えを促すメーカー側によるマーケティング戦略の1つだと専門家は指摘します。
公立鳥取環境大学 経営学部 竹内由佳 副学部長 「限定ボトル、安くなっているものを出したりすると、今までA社の商品の詰め替えを買っていた人が、なんとなくA社で満足していたけど、ちょっと安かったり、ちょっと面白かったり、ちょっとパッケージが違っていたり、色んな見せ方でボトルも売っていくと思うんです。
そういう時には詰め替えではなく、ボトルを選んでしまうという消費者の心理が結構あると思います」
自社商品に乗り換えてもらうため、購入のきっかけを作ったり、購入のハードルを下げたりする。 裏を返せば、詰め替え用が割高なのではなく、ボトル入りが割安という場合があるということになります。
柔軟剤の方が乗り換えのハードルが低い
公立鳥取環境大学 経営学部 竹内由佳 副学部長 「乗り換えた方の一定数は、乗り換えた後に次に乗り換えるのは酷だと考える人も多くて、そのまま次はB社の詰め替えをしばらく買っちゃおうかなという気持ちになります。
それこそA社からB社に乗り換えた人が、そのままB社の商品を使い続けることということができれば、それがルーティンになり、しばらくB社は買ってもらえることになりますよね」
竹内副学部長によると、食器洗剤やシャンプーなどと比べると、柔軟剤の方が乗り換えのハードルが低い傾向にあるとのこと。 また、購入するタイミングで価格が違うケースがあるということで、お得、という観点で見ると、消費者の選択肢は広がると言えそうです。