2023年07月15日

日本の防衛産業の最大の問題は「防衛省に目利きがいない」 兵器開発、調達で悪手を繰り返す

ドブにカネ!防衛産業救済の愚
日本の防衛産業の最大の問題は「防衛省に目利きがいない」 兵器開発、調達で悪手を繰り返す
2023/07/14 日刊ゲンダイデジタル

 日本の防衛産業を保護、育成しようとしている岸田政権。
しかし、政府による防衛産業の再生は、うまくいかないのではないか。
当の政府、防衛省に目利きがいないためである。
その節穴ぶりは、開発行政の不首尾が示す通りだ。
官主導の兵器開発でも、調達でも、毎回悪手を繰り返している。

 航空機は米国製と同級品をわざわざ国産して失敗している。
これは、この連載の前々回にF2戦闘機、P1哨戒機で述べたとおりである。

戦車の開発や導入も常にトンチンカンである。
1974年完成の74式戦車は、最初から時代遅れであった。
ウクライナ戦争で話題となった次世代戦車レオパルト2開発が進んでいたためである。
 90年の90式は厚顔無恥にも、ドイツ製レオパルト2のデザインをパクった。
11年ほど遅れて外観は同じ、大砲は同一品、エンジン馬力も同じ模倣品をつくった。
それならドイツ製を買えば済んだ。
 2010年には必要もないのに10式を開発した。
開発側は「90式を大幅に軽量化できた」と自賛した。
しかし、その能力は90式と同一である。
それなら開発不要であった。
実際にドイツや米国の陸軍は今でも70年代末に完成した戦車で済ませている。

 最近の例ならASM-3である。マッハ3級の超音速対艦ミサイルだが、根本となるコンセプトの誤りから失敗作となった。
マッハ3では中国艦隊には通用しないのである。
そのうえ高額であり使いにくい。
重さは従来ミサイルの2倍であり、戦闘機には半分の数しか積めない。
それでいて炸薬量は従来ミサイルの半分程度と小威力である。
その上、射程も極めて短い。何もいいところはない。

 なお、米海軍は10年以上前に超音速型の不利に気づき開発を中止している。
その代わりマッハ0.8で海面高度1メートルで飛ぶ超低空飛行型のNSMミサイル導入に切り替えた。
そのほうが迎撃は難しいのである。
 しかし防衛省はASM-3を中止しなかった。
一つは見識不足で超音速の不利に気づくのが遅れた、もう一つは決断力の欠如から一度始めた計画について中止する決心がつかなかったためである。
つけ加えれば輸出支援もうまくはいかない。
安倍政権は兵器輸出のために防衛装備庁をつくった。
ただ、開発で失敗してきた技術研究本部の看板をかけ直した組織である。
商売をやらせてもうまくいくはずがない。
 実際に商売下手には各国の駐日武官も呆れているという。

自衛隊将官OBによれば「装備庁が見せたいものばかり見せている」「こちらが興味ある兵器は持ってこない」と散々の評価という。
posted by 小だぬき at 00:00 | 神奈川 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 社会・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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