「悪徳商法を見抜く」うたい文句6選。高齢になった親の“孤独感”につけ込む手口とは
2023年07月21日 SPA!
必要もない高額な商品を無理やり買わされたとか、「絶対儲かる」と言われて投資したのに、儲かるどころか、投資したお金すら戻ってこなかったといった、悪徳商法の被害に遭う高齢者のニュースが連日のように報道されています。
周囲に同居している家族がいれば、いったん相談して冷静に判断することもできますが、自分の高齢の親が“おひとりさま”だった場合、どういった情報を教えるべきなのでしょうか。
近年頻出する悪徳商法の手口と、実際にだまされた際の相談窓口を、おひとりさま高齢者の日常生活から入院・介護、亡くなってからの葬儀・相続までの心配事を解決するムック『おひとりさま[老後生活]安心便利帳』より、抜粋します。
◆高齢者の優しい心につけ込む悪徳商法の手口
悪徳商法の手口は、電話での強引なセールスやネット上での嘘の広告などさまざまです。
あるいは、いきなり家に訪ねてきて、「屋根の修理をしないと危ない」とか、友人に誘われて行ったセミナーで商品を買わされたといったケースもあります。
悪徳商法に引っかからないためには、うまい話を信用しない、すぐに契約しない、ハッキリ断るといったことが大切です。
◆家族や知人に相談することが大事
NPO法人渋谷介護サポートセンター 理事長の服部万里子氏は、「不安をあおって契約させたり、『お得だから』と勧めてくるサービスは危険です」と警鐘を鳴らします。
加えて「少しでも変だと思ったら、自分ひとりでは判断せず、まず家族や知人に相談しましょう。
相談する相手がすぐに思い浮かばなかったら、消費者ホットライン『188』や警察相談専用電話『#9110』に、迷わず電話するか、地域包括支援センターに相談してください」とアドバイスします。
ただし、消費者ホットライン(188)や警察相談専用電話(#9110)は、ダイヤル式や一部のIP電話からはかけられません。ご注意ください。
◆悪徳商法は、自分は絶対にだまされないと思っている人ほど危険!
悪徳商法で厄介なのは、被害者自身が気がつかないうちにだまされていることです。
自分の判断能力が低下していることは自覚しづらく、また、たとえ判断能力に自信があったとしても、近年は悪徳商法の手口がより巧妙かつ複雑になっているので、より注意が必要だと認識しましょう。
ほかにも、おひとりさまが悪徳商法や詐欺に狙われやすい理由があります。
1つ目は昼間ひとりで家にいることが多いということ。
ひとりでいると自分の判断だけで焦って行動を起こしてしまうため、大きな被害につながりやすいのです。
2つ目は、孤独感から、親切な態度で接してくる相手を信じやすいということです。
こういった高齢者の心理をだます側は、よく理解してつけ込んでくるので注意しましょう。
「だまされたかも?」と気づいたときは先に紹介した消費者ホットラインや警察相談専用電話を活用できますが、もっとも大事なのは、だまされないように相手の手口を知っておくことです。
◆悪徳商法でよく聞くうたい文句6選
最後に、悪徳商法でよく聞くうたい文句を以下に6つ紹介しますので、これを耳にしたら、すぐに危ないと思ってください!
1:「お試しなので、今なら安く買えます」 契約書をよく読むと、条件として自動的に継続購入の契約になっていることも。
2:「以前申し込んだ商品をお送りします」 ※申し込んだ記憶がなければ、完全に詐欺。
送りつけ商法と呼ばれるものです。
3:「支援だと思って、買ってください」 困っている人を助けるという、うたい文句。不当に高い物を買わされることも。
4:「無料で点検できるので、一度見させて」 家の修理や害虫駆除など。
その後に高額な工事をされたり、商品を売られます。
5:「火災保険の活用で無料修理できます」
経年劣化の修理費は火災保険の対象外です。それでも、工事費は請求されます。
6:「元本割れしないので、安心な投資です」
リスクのない投資はありません。
元本保証と言われたら、まず疑ってください。
構成・文/日刊SPA!編集部